2009/08/31

『電波男』本田透

ISBN:4-86199-002-5  2005年 三才ブックス 1500円



☆☆☆☆



よかったっていうんじゃなくて、よくこんなにたくさん書いたなぁで4つにします。熱意を感じます。



オタク(キモメンとも同義語で使用してます)な「俺」の愛を求める叫びが400ページにわたって展開。
80年代頃より恋愛至上主義が世間に広がり、結果、恋愛資本主義の時代が到来。
女性は金のあるイケメンを恋愛ヒエラルキーの上におき、オタクたち金もなくブサイクな男を人間以下のカテゴリへ落とした・・・ああ涙の物語。うんうん、それは人間を一面でしか見てないとお怒りなのはごもっとも。



ただ恋愛至上主義、というのは理解できたんですけど、後半さらに熱弁をふるう「萌えレボリューション!」は私には腰が引けちゃったのでした。



男を金と顔でしか見ない女性には、女を性的欲求のはけぐちくらいにしか見ない最低のDQN男ばっかりだー! でもキモメンは本当の平等の愛を求めるがゆえに、いつもそんな女性に馬鹿にされてしまう・・・。



そうして馬鹿にされると殺人を犯したり、暴行してしまう最低の人間になってしまうところを救ってくれるのが!
「萌え」。



まず、人によって「萌え」の対象はさまざま。相手を選ばない。
二次元の世界の子に「萌え」た場合、その子は決してあなたを裏切らない。
ので、みんなが脳内でピュアな恋愛を繰り広げていれば、暗黒面に落ちることなく平和が訪れるのです。



・・・これはこれで、あまりに純愛を求めすぎる繊細な要望だなと思うので、おおそうだ!とはならないものの、私も脳内劇場を持っているので、平和になるというのは1票いれてもいいかも。
現実世界が殺伐としているこのごろならば、心の幸福をもたらす「萌え」をさらに普及していくのも手なのか。





2009/08/16

『プロジェクト鹿鳴館!ー社交ダンスが日本を救う』鹿島茂

ISBN:978-4-04-710191-3 角川書店(角川Oneテーマ21) 2009.5 705円



☆☆☆



日本を救う、とは結婚率低下、出生率低下、を舞踏会によって救おう!というプロジェクトを「月刊現代」で行ったもののまとめ。



鹿島先生が目標とするものは、知り合ったばかりの男女がダンスというシステムを介して、肉体的、精神的な交流をもち、出会の場とする。本当の意味での「社交」目的の「ダンス」。つまり、競技部のように完璧に踊れなくても、ある程度踊れれば楽しく参加できるものを目指すのです。



編集者たち(結婚したいが相手がいないと嘆く女子が多いと著者はいう)を中心に、最終的に三井倶楽部を借りて黒塗りのハイヤーで正装した男女が集い、楽しく出会いの場となった当日までを追ったもの。



日々、仕事場の目の前で社交ダンスが繰り広げられているので、興味深々で読みました。
現在、私が「社交ダンス」と聞いて思い浮かべるのは、中年以上の方がミピンク色のもやを醸しながら踊るもの、と、男女というか、アスリート?という感じの競技ダンス。の二つがあるんですが、どうしてそのようになってしまったのかも分かります。



社交ダンスを習いにいくエピソードの合間には、日本における「社交ダンス」の歴史が挿入されていて、そちらのほうが面白く読めます。



外国との外交に必要だった舞踏会というものを井上馨が奮闘した明治の鹿鳴館時代に取り入れ、太平洋戦後直後のGHQとの憲法草案での天皇制に関する駆け引きにダンスパーティを使ったこと、三島由紀夫の時代を経て、現在まで。



お相手が紳士で踊りが上手なら、ダンスも楽しそう・・・・かな。ドレスは着てみたいもの。