2010/03/27

『オペラ・シンドローム 愛と死の饗宴』島田雅彦

ISBN:978-4-14-091142-6 2009年 NHK出版



☆☆☆☆



「NHK知るを楽しむ この人この世界」2008年6月-7月放送「オペラ偏愛主義」の番組テキストをもとに大幅加筆、再編集したもの。



各時代を代表するオペラと作曲家の人物を紹介しながら、その作家、時代に活躍したオペラ歌手をあげ、さらに役柄と役柄にふさわしい歌い方、演じ方までもを読みやすく解説しています。私のような初心者向けにぴったりです。



「白タイツが1番似合う王子様」な歌手や、あくどい策略をめぐらす悪役の魅力など、著者があげた作品・歌手をいますぐ聴きたい!と思わせられました。
あがっていた歌手は、ほぼすでに亡くなっているのが寂しいですが・・・ 巻末のおまけでもいいから、現在、島田雅彦が気に入っているものをあげてくれたらなぁ。



自身が台本を書いたり舞台の演出もしていることもあって、物語のあり方への言及が文学者的分析でよかったです。
物語の変遷も、時代性との兼ね合いを絡ませて書いてあって、手元においてパラパラ見なおすのも良い1冊かと思います。さすがNHKテキスト。



「オペラに魅惑されたら最後、もう、あなたは戻ってこられない(帯より)」



心に栄養を与えないとね。きらきらとしていたい、のだそうです。島田先生は。幸い、私はまだ生の舞台を見ていないので、引きずり込まれてはいませんが、時間の問題って気もします。彼の興奮している様を読むだけで、うっとりしてしまうのだから。





『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目学

ISBN:978-4-480-68826-2 2010年 筑摩書房



☆☆☆



小学校1年生のかのこちゃんと、猫のマドレーヌ夫人がご近所で元気に活躍したりする物語。



なぜ夫人かって、それはかのこちゃん宅に飼われている玄三郎の妻だから。猫には犬の言葉は分からないものなのに、玄三郎の言葉だけは分かるのだそうだ。



猫が登場するということで楽しみにしていたけれど、わりと人間っぽさが強い描き方でした。さすらってる猫っていう設定も、メス猫はあんまりしないんじゃないかなぁとか気になって仕方ない。



かのこちゃんはとても素直でかわいらしい女の子ではあるけど、こんなに1年生が賢いか?というのも気になりました。賢すぎではないでしょうか。



かのこちゃん=鹿の子・・・はすぐ気づいていたので、お父さんが鹿とお話できそうなのも(『鹿男あをによし』納得のお遊びです。



全体的に、これは何かの伏線になるのかしらと期待してしまうものがあったので、何年か割きにその後のかのこちゃん物語とか読んでみたいものです。