The Aviator 2004年 アメリカ 169分
監督/マーティン・スコセッシ
レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ブランシェット、ケイト・ベッキンセイル、アラン・アルダ、
アレック・ボールドウィン、イアン・ホルム、ジョン・C・ライリー
★★★★★
ディカプリオが出ていれば★は甘くなる・・・が、3時間近い上演時間のわりにスピード感があって、時代の雰囲気が分かりやすく。また、人物造形も単純すぎず複雑すぎず。
つまりポイントがブレずに物語が進行して視聴者にやさしい1本。
窮地に立たされる、つらい目にあうディカプリオは天下一品だわ。ママが助けてあげる!といいたくなります。裸で試写室に籠って、つめも髪も伸び放題でも、まだ何とかしてあげたくなる可愛さ! はー、好きな女性には甘えるところがまたキュンキュンでした。
1920年代~1950年代あたりの、アメリカンドリームの世界。ハワード・ヒューズについて何も知らなかったけれど、世界の富の半分を持つ、とまで言われたらしい。ひいー。
(金に糸目をつけないとは、このことか!)
『地獄の天使』制作費100万ドルって確か言ってたけど、この時代の100万ドルって今でも日本映画なら夢物語です。桁外れという言葉がホントにふさわしい破格のリッチマンですね・・・
ロケ中のキャサリン・ヘップバーンに会いにいくのに水上飛行機で迎えにいくわ、自宅のゴルフ場みたいなところに着陸するわ、わかりやすい大富豪っぷり。
柱になるのが3つのポイント。
1、超リッチな飛行機オタクの青年が、夢のため時にタガが外れたかのような猛進ぶりで航空界の新しい道を開いていく爽快さ。
最高時速更新、大きさが最大の飛行機の設計、大西洋航路に打って出る強気さ。
空を飛び、スピードを怖がらないハワードの振る舞いが、ああ、この人ちょっとズレてるんだなって思います。
2、幼い頃に母から植え付けれらた<世界はバイキンで満ちている、安全なところはない>が、社会との軋轢とあいまって、彼の中で増幅してバイキン恐怖に襲われていくさま。
母が使ったものと同じ石鹸を正装時もポケットに持ち歩き、プレッシャーで心が押しつぶされそうになると、手を洗うことで消そうとする行為。とても痛々しい。
付随して、自分のなかの決め事がおおい脅迫神経症的なふるまい。生々しい肉は食べず、他人と皿を共有せす、酒は飲まずに蓋つき牛乳を飲み、タバコも吸わない(嫌悪している節があった)
どれも、子供時代にきっと母親から教育されたことと推察されます。
3、不潔を嫌うけれど、心の安らぎを女性に求める女好きの面。
キャサリン・ヘップバーン、エヴァ・ガードナーとの交際、巨乳好きってのが可愛いポイントであり、子供のまま大人になってしまったようなハワードを映します。
子供っぽさと経営者として大人の世界に生きる面の、バランスが欠けた感じでした。
映画では、戦後、軍から依頼を受けた航空機を納品していないことを横領だということで、公聴会に引きずり出されるものの、思いのたけを素直にぶつけまくり、反対に議長をやり込め、巨大な<ハーキュリー>の試験飛行に成功を収めるところで終幕となっています。
気になって、その後のハワード・ヒューズの人生を調べると、精神の安定を欠くことが続き、居室にしたホテルの部屋でなくなったそうです。
そこそこが幸せ、ともいえるけれど、これだけの財力と容姿(長身のいい男)で当時の輝ける大女優たちとつきあって、好きな飛行機にのめりこんだ人生、傍目で見る分には波乱万丈で興味のわく人生でした。
バランスを欠いた人って、友達にはなれないかもしれないけれど、面白いのだった。
そして、その素材が飛行機っていうのが、夢いっぱい。今だとマイクロソフトとかアップルとか、IT関連のリッチマンの話が多いけれど、飛行機野郎というのが古きよき時代、現実に手触りがあった頃のお話なのでした。