2012年 スペイン
監督/ペドロ・アルモドバル
アントニオ・バンデラス エレナ・アナヤ マリサ・バレデス ジャン・コルネット
☆☆☆☆☆
ひーーー、言葉でどういえばいいのやら。
アルモドバル監督のつくる世界は美しくて自分勝手で、悲惨になりそうなのに気品がある。
当初は、ペネロペで構想されたらしいけど、エレナ・アナヤで正解。ペネロペは女っぽすぎるので、後半の流れにもっていくときのハードルが上がりそう。演技的にも。
スペインの女優さんにしては、すっきりしたボディだと思っていたら、そういうことでしたか。
技術を高めたいという純粋な医師としての欲望も、極限にいけば倫理に抵触する。それを涼しい顔して突き進むバンデラスの純粋さと欲望の深さの交じり合った風情が、たまらない。
狂人風に作ることのほうが簡単だが、遠目に見ている限りバンデラス演じるドクターはまともな雰囲気を保っています。ヘンタイだけど、素敵。
娘をレイプして(未遂だったし、レイプギリギリかなぁとも)逃げた男を捕まえて、性転換。ついで、火に強い強力皮膚(もちろん倫理規定違反)を移植、胸もつくって、ついに顔も亡き妻に似せて整形。
毎日眺めているうちに、すっかり情がわいたドクターは、彼女がレイプされているところに遭遇し、レイプ犯(異父兄弟、本人たちは知らない)を射殺。燃え上がった二人は、ついに求め合うのだったー。
ぎゃーーー。オカシイんだけど、犯罪者だけど、なんかその気持ち分かってしまう。
実の息子であっても、殺せ!ともう一方の息子に向って念じる母親も、理屈上では間違ってないんだけど、それでいいのかとヒンヤリしたものが心に残る。オカシイ。意味、ドクターが監禁して性や顔を作り上げていったベラも、ドクターが母親のようなものだし、産み出す側の傲慢さというものもあるのだった。
最後まで自分の核を守り続けたビセンテだけど、作り変えられた外見のように振舞うほうが楽そうに見えたりして、自意識のありようって、外見とも分かちがたいものがあるわと痛感。
アルモドバルの映画を見るたびに、スペイン人には叶わない感じ・・・と思います。いろいろ濃すぎて、何でも水に流したがりの日本人は勝てない気が。
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