ISBN:978-4-06-214005-8 2007年 講談社
「婦人画報」2006年1月号~12月号連載
☆☆☆
「ドン・ジョヴァンニ」の舞台に今夜集まるのは、魅惑の歌声ながら本番で実力が出せないオペラ歌手、彼を舞台にあげれば成功報酬100万、で雇われたホステス、色男で絶倫を誇るマエストロ、クラシックファンの冴えない大学講師、彼に一目ぼれした女、彼女にアドバイスする占い師、路上デビュー寸前の男・・・などなど。
168ページの中篇で読みやすい。『ドン・ジョヴァンニ』の物語を比喩に人物たちの気持ちを語ったり、『ドン・ジョヴァンニ』の解説が挿入されたりで、気軽に読めるオペラ案内の側面もあり。聴いてみたくなる。
どん底の人たちが多く出てくるわりに悲壮感がなく、むしろからっと清清しい語りになるのが、島田雅彦風なのかしら? エッセイは時々読むが、熱くてクールで、という世間との距離感が小説でも見える気がします。
文章が水増しした感がなく、締まっているのも良かった。
☆NHK「知るを楽しむ」2008年7-9月 「オペラ偏愛主義」島田雅彦出演中☆
本人が素敵すぎるのって、作家にとってよいのか悪いのか・・・島田雅彦は生きてる日本の作家のなかでは1番だと思うんだけど。『ダ・ヴィンチ』のいい男ランキングがいまいち腑に落ちないのう