Skyfall 2012年
監督/サム・メンデス
ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、ジュディ・デンチ、レイフ・ファインズ、
ナオミ・ハリス、ベレニス・マーロウ、アルバート・フィニー、ベン・ウィショー、ロニー・キニア
★★★★★
007シリーズで、一番心にぐっと来た。映像、音楽、ストーリー、そして衣装。衣装!
これまでの、ファンタジックで華麗なボンド(私のイメージでいうと、ピアース・ブロスナン)から、生身のボンドの比重を大きくした作品です。
撃たれても生きてるボンドは、やっぱり凄腕すぎるスパイだけれど、その他は落第点なところなども、生身ボンドらしい。
ボンドの生い立ちと、Mの死、そして新生MI6という話の流れが非常にうまくあっていて、これまでのボンドに敬意を払いながら、新しいボンドを産み出すぞという意気込みがいい展開を見せています。
ホームズといい、ボンドといい、イギリスは新しいヒーローをまたも誕生させたなぁと、羨ましさに歯軋り・・・ぎりぎり。さすが大英帝国は深みが違う。イギリスの最大の輸出品は俳優・・・またまた羨ましすぎる。はぁ
■セリフのところどころ、特にQ(若い!ベン・ウィショー)から、ペン型爆弾は古い、といわせるあたり、ほほーっと感心です。秘密兵器が見ものだったボンドシリーズとは違うんだと。これ以上アクションが進むと、ダイ・ハードみたいになっちゃうものね・・・よいと思うわ。
でもでも、です。でも、ボンドがアストン・マーチンに乗り換えて、走り出した途端に流れる007のメインテーマ曲♪ キター! 007シリーズを愛するファンにちゃんとメッセージですね。ミサイルも搭載されてる~
ま、古いボンドとはお別れ!と爆破されちゃいましたけど・・・ カッコよかったな。
オープニングのアデルの曲とイメージが水の底で展開するとこ、これはこれまでの、よりクラシカルなボンド映画のイメージですね。この場面だけでも、見てよかったと思いました。
■ダニエル・クレイグの演技力というのが、未だにイマイチ分からないのだけど、とりあえず衣装がお似合いで、惚れ惚れします。
これまで、私のスーツアクションは、前出のピアース・ブロスナンが最高だったのです。彼はエレガントに闘ってくれました。が、ダニエル・クレイグのボンドが、その地位をかっさらいそう。
トム・フォードの隙のない仕立てを、いわゆる端整なイケメンとはちがうマッチョ系なクレイグ・ボンドが着ると、より生身のボディ感が引き立ちます。
翻る裾、ぴったり胸に沿う白シャツ。手足がそんなに長くなさそうなダニエルですが、それもまた、キュートな魅力にしか見えないの・・・トム・フォード様マジック。
タキシードの下に着ている白シャツのデザインが見たことない、胸のあたりに斜めに仕立てられていて、そこ、スローで確認したい。オシャレすぎ。あれ?白いサスペンダーか?
ほかにも、生家であるskyfallで着ているカントリーのジャケット。ライフルを持って歩く後ろ姿がきまってます。どの場面でも、ばっちりキマっていて、眼福です。
ちなみに、敵であるシルヴァンの手下共でさえ、揃いのカジュアルなユニフォーム状態で、何てキュートなんでしょう。うう。衣装担当、いい仕事してます。
■ダニエル・ボンドは女性に興味なさそうに見える。特に今回。
前のときも、あらラブシーンはあまりよくないわ・・・・と思いましたが、その辺すっぱり諦めたのか、もう「ボンドガール」自体、いないも同然の扱いです。Mがボンドガールだったとも言えるでしょうけれど、うーん、でもラブには興味なさそうだ。あっさり撃たれちゃいました。
どんなときも美女を口説くボンドとも、お別れなのかしら? シルヴァに太ももすりすり攻撃されてたのって、そういうことか・・・ むふ。違うよね。
新しい上司レイフMに、貴族風味の色気を学んでみてはどうだろう・・・暇だったらぜひ。
■さようなら、M.ma'am
ジュディ・デンチのMは、素敵に殉死させられました。仕事がクールであっても、柔らかい心を守りながらMI6の先頭にたって、部下の犠牲も受け止めてきたのですね。そういう、Mの振る舞いがよく表現されていました。
諜報員は身寄りがないほうがいいのよ、っていう時の表情。この表情を見たら、ボンドが彼女を尊敬している訳もおのずと伝わるというものでしょう。
シルヴァにも、ボンドにも違う視点ですがどちらからも、愛されてます。シルヴァは愛と憎しみ、ボンドは愛と尊敬かな。
新・Mとなるレイフ・ファインズ! やー、レイフ・ファインズはもう50歳ですか・・・ 美青年もおじ様になりました。官僚的、とボンドに揶揄された後で、あの活躍。うふふ、カッコよかった。鍛えてるに違いないわ。紳士ねー。
■Mom?
適役の、シルヴァがMをマム!と呼んでいるのって、ママ、ですね。ボンドが遣うマム!はMa'amですが、ママ、僕だけを大事にしてよ、守ってよ、愛してよってリルヴァが言っているようでした。
ママをめぐる兄弟のあらそい・・・まぁ。ママに認めてもらいたくて暴挙、というのも新しすぎるテーマでした。
■映像も流れるエレガンス
全体的に、すごくスムーズに流れる画面だったのが印象的です。つまり、アクション映画であれば、真正面からドカーン!となるのでしょうけれど、冒頭の列車しかり、カジノしかり、ヨットしかり。高層ビルの狙撃手の背景クラゲしかり。
非常にエレガントな流れを感じさせる映像でした。ブラボー! こういうの、好きです。狙撃手とクラゲ映像だなんて、おしゃれすぎでした。
とにかく、新しいクレイグ・ボンドここに完成! です。周囲の俳優たちも見目麗しく、衣装も隙なく美しく、全面的に好みが詰まった作品でした。
で、次回どう来るのかが今から楽しみであります。