2013/12/30

『桐島、部活やめるってよ』

2012

監督/吉田大八
神木隆之介、東出昌大、橋本愛、松岡菜優、清水くるみ、落合モトキ、浅香航大

★★★★

朝ドラメンバーがごろごろだったのねーと思いつつ、鑑賞。

オモシロくなく高校時代を過ごした身としては、この鬱陶しい高校という世界の構造、ニンゲンのありかたが胸に突き刺さる。

原作未読。

・屈折した気持ち(失恋がきっかけになってた)が芸術に昇華する後半の場面、良かった。前田くん(神木)と吹奏楽部の部長、二人同時にみせるとは。
ローエングリンの吹奏楽の曲も、美しくて。
エルザの大聖堂への行進でした。吹き終わった後の表情、輝いてました。

・桐島くんが部活やめることが、君にとってそんなにオオゴトなのか? と思ってみていたけれど、桐島くんは中心であって、空洞なのね。ドーナツみたいに。ドーナツ本体は、登場人物たち。中心がなければドーナツではなくなってしまうから、みんな中心を探してまわってる。

映画撮ってる前田、とひろきに片思いの部長は、それを眺めている構図か。

・ひろき(東出)のオモシロくなさそうな感じ、良い。
東出さんの完璧男子さもいいし、完璧だけど、社会人としてもガムシャラにならずとも、出世していきそうな雰囲気で、妻子がいてマイホームで。しかし楽しくなさそう。
まずは、その最悪の彼女と別れろ、と誰もが思うだろう。

・最悪な彼女(松岡) あまちゃんで入間ちゃん役だったひとですね、うまい。ブサイクではないが美人と素直にいうには少し足りない顔立ち、ちょっとケバイ髪型、学校の裏でのキスも全然楽しそうじゃなくて、良いわー。
こういう子って会社にもいて、面倒なタイプだ。

・映画部に肩入れして見ちゃいます。高校生活なんて一瞬、君たちのほうが苦い経験を糧にオモシロい人になってくれるはず。がんばれー。

・楽しいことがあるって、それだけでひろき君に勝る。カメラ向けて、監督になるの?アカデミー賞とるの?とか聞いて、前田の答えが、<好きだから>的なことだった。
そういう順番じゃくて、自分が楽しいからしてるんだって答えた前田くんの頭をナデナデしてやりたい。
将来、一瞬くらいは、でも評価を求めて生きるべきかと迷うかもしれないが、そのまま行けよー。

・かすみ(橋本)がオシャレ気取り帰宅部とつきあってるらしい場面、びっくりした。前田くんと一緒に驚いた。

・日本のドラマや映画だと、型にはめた感情とかセリフを観客に強要することが多くて、それがイヤなんですが、これは言わずにみせる、が出来ていたのも良かった。
やりたいことがない、ってひろきが言わなくて良かった。

2013/09/18

『スノー・ホワイト』

2012年 Snow White & the Huntsman

監督/ルパート・サンダース
クリステン・スチュワート シャーリーズ・セロン クリス・ヘムズワース サム・クラフリン

☆☆★

三部作の予定、と聞いて2点から2.5点に。
原題の白雪姫と狩人、の二人の関係があまり進展しないラスト(思わせぶり?のような視線だけあり)だったので、これでラストとは?と思ったのだった。今後があるなら、納得。

クリステン・スチュワートが継母のシャーリーズ・セロンより美しいかしら?という疑問が払拭できないのだが、継母自身が義理の娘が自分より美しい、と思い込んでいるのが重要である。

輝きを増す年代の娘と、老いていく美女であった女の戦いよ!

老いゆく継母を殺し、娘は女王になったのでした。白雪姫の本質が現代風アレンジの名の下に復活か。
自ら道を切り開くのが現代風なのだけど、継母との戦いは非常にクラシックな構造です。

男はみんなバカ、と見下し憎む継母を、新女王が越えていけるのか、続編をぜひつくってほしい。
新女王が、幼馴染のウィリアムじゃなく、狩人さん(妻を亡くしたやもめ)を選んでくれそうなのも、興味深いし。

白鹿がスノーホワイトに祝福を与えるシーンを見ていたら、『十二国記』を思い出しました。

2013/09/14

『私が、生きる肌』

2012年 スペイン

監督/ペドロ・アルモドバル
アントニオ・バンデラス エレナ・アナヤ マリサ・バレデス ジャン・コルネット

☆☆☆☆☆

ひーーー、言葉でどういえばいいのやら。
アルモドバル監督のつくる世界は美しくて自分勝手で、悲惨になりそうなのに気品がある。

当初は、ペネロペで構想されたらしいけど、エレナ・アナヤで正解。ペネロペは女っぽすぎるので、後半の流れにもっていくときのハードルが上がりそう。演技的にも。

スペインの女優さんにしては、すっきりしたボディだと思っていたら、そういうことでしたか。

技術を高めたいという純粋な医師としての欲望も、極限にいけば倫理に抵触する。それを涼しい顔して突き進むバンデラスの純粋さと欲望の深さの交じり合った風情が、たまらない。
狂人風に作ることのほうが簡単だが、遠目に見ている限りバンデラス演じるドクターはまともな雰囲気を保っています。ヘンタイだけど、素敵。

娘をレイプして(未遂だったし、レイプギリギリかなぁとも)逃げた男を捕まえて、性転換。ついで、火に強い強力皮膚(もちろん倫理規定違反)を移植、胸もつくって、ついに顔も亡き妻に似せて整形。
毎日眺めているうちに、すっかり情がわいたドクターは、彼女がレイプされているところに遭遇し、レイプ犯(異父兄弟、本人たちは知らない)を射殺。燃え上がった二人は、ついに求め合うのだったー。

ぎゃーーー。オカシイんだけど、犯罪者だけど、なんかその気持ち分かってしまう。

実の息子であっても、殺せ!ともう一方の息子に向って念じる母親も、理屈上では間違ってないんだけど、それでいいのかとヒンヤリしたものが心に残る。オカシイ。意味、ドクターが監禁して性や顔を作り上げていったベラも、ドクターが母親のようなものだし、産み出す側の傲慢さというものもあるのだった。

最後まで自分の核を守り続けたビセンテだけど、作り変えられた外見のように振舞うほうが楽そうに見えたりして、自意識のありようって、外見とも分かちがたいものがあるわと痛感。

アルモドバルの映画を見るたびに、スペイン人には叶わない感じ・・・と思います。いろいろ濃すぎて、何でも水に流したがりの日本人は勝てない気が。

『黒い家』

1999年

監督/森田芳光
内野聖陽 大竹しのぶ 西村雅彦 田中美里 石橋蓮司 町田康 小林薫

☆☆☆


公開時に見たとおもったけど、こんな話だったっけ。

☆3つは、大竹しのぶの頑張りにささげます。あとウッチーのおどおど演技にもとりあえず。若いし。

原作(貴志祐介)は未読、ホラー大賞受賞とおもってみていると、ホラー??? と道に迷う。コメディと言ってくれたほうが近い。

森田作品を全て見ているわけでないけれど、どの作品も<なぜこうなった!>と腰砕けになりますね。これもきっと、そんな感じの仕上がり。

どんな題材でも、ちょっとくだけた感じにしたい人なのかもしれない。

意味はわからない映像があったとして、分からないけど印象的だとか、素敵だとか、気持ちが悪いとか、そういうものであれば、面白さも感じられるのですけれど。
森田さんは、分かりやすい風を装う映像を出すのに、それがどういう意図があるのかが、しっくり来ない、というズレを小出しにしてくる。ので、何だか見終わるとげっそりしがちです。

乳しゃぶれ、とかそんなことばかり記憶に残ってしまうよ(カタチがきれいな乳でした。しのぶさんではないと思うが)


2013/08/22

『蛇にピアス』

2008年

蜷川幸雄/監督
吉高由里子 高良健吾 ARATA(現:井浦新)

エロくない・・・(泣)

痛々しくない・・・(泣)

皮膚がちりちり痛むような描写はなくて、ヒロインの心境を想像してちょっと痛みを感じるような。私の想像力が必要な映画だったんだろうか。いいや、それは本を読むときは必要だけど、映画は見せる範囲で表現するわけだから、見える範囲でどうかってことでいいのだよね。

殺したいって言うわりに、優しく扱うシバさん(ARATA)ですが、彼ひとり、スキンヘッドが似合っていて色っぽかった。演出じゃなく本人の色気だろう。
ARATAだけ見てれば良かった映画かもしれない。

吉高由里子はカワイイラインのまま、最後まで演じてました。そして不健康そうなのが良かった。

高良健吾は、暴力が抑えられない時の顔やら動きがぎらついてて素敵です。意外と色気はない。

繰りかえし見ることはないけど、見終わったときに暗くなかったのがなんとも不思議。たぶん、自分から百万光年離れた話だとおもってるからじゃないかとおもう。他人を威嚇して何するのやら。

一瞬だけ登場する警官役の唐沢寿明の「大物感」が激しい違和感を画面上にかもし出していて、彼らからみたら警察官ってこういう「ザ・オトナ」なイメージなのかなとも思う。
分かり合えない感じの。

もうちょっとエロさを出してくれたら良かったのに・・・

2013/08/18

『パシフィック・リム』

Paciffic Rim 2013年 

ギレルモ・デル・トロ/監督
チャーリー・ハナム 菊地凛子 イドリス・エルバ チャーリー・デイ
ロバート・カジンスキー マックス・マルティーニ ロン・パールマン
芦田愛菜

★★★★★

楽しかったので5つ。
ストーリーが薄いとか、そんなのどうでもいいのだ。ガシャーン、ガシャーン、重量感のあるロボット描写。KAIJU(カイジュウ)の怪獣映画っぽさ! ロボットvs怪獣、破壊される都市やおもちゃみたいな車や船。全部ぜんぶ、たのしい。

凛子ちゃんが、主演の彼とチューもしないというのが、日本映画みたいでうふふふ。年齢と関係なく、ガール、と呼ばれていたし。
それにしても、芦田愛菜ちゃん、恐ろしい泣きの演技でハリウッド進出ですか。泣くのが上手な子役って末恐ろしいわ・・・(背が伸びますように)

冒頭の、主人公ローリーが故・兄とカッコよくカイジュウを倒していた頃の描写といったら、ひゅーひゅー言いたくなるほど。イケてる!かっこいい!(ローリーが、では無くて。ローリーたちが動かすジプシー・デンジャーと、その駆動のさまが)

操縦するのに、実際にパイロットたちも同じ動きしなきゃならないアナログ感。脳の負担が大きいからと、二名の脳の片方ずつを使うシステム。原子力で動いてるところ。
怪獣映画だよー。昭和感をほんのり感じるSF描写もいいんだなー。秘密兵器が胸をぱかっと開けると出てくるとかさ、ロケット発射ボタンがあるとか(繋いでる脳から指令出せないのか・・・!)

たとえば、アイアン・マンのマッチョさを表現する動きとかスーツなどとは全然違うのね。このロボットたちは、すごくリアルなロボットっぽい。
力を出すために不恰好だったり、飛べなくて(飛べない!)戦場までヘリに運ばれていくとか(このあたりエヴァ風か)。不器用さが味だわ。
ロシア製のチェルノ・アルファなど重々しくて、あぁロシアのイメージだよねって思える。

カイジュウに探されちゃうドクターもいい味でした。そ、それはナウシカ!と日本人なら誰しもが思うシーンなど、盛りだくさん。適度にキモち悪いスライムの感じ。うわぁ!(喜んでる)

普段は字幕派ですが、これは吹き替えが楽しいかもしれませんね。



2013/08/10

『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』 

Bridesmaids 2011

Paul Feig on AllMovie

Paul Feig 監督
Kristen Wiig Maya Rudolph Rose Byrne  Chris O'Dowd

笑ったわー。アニーの幼なじみの親友がセレブな恋人と結婚することになり、メイド・オブ・オナーを任されたのだったが・・・・

アニーはケーキショップに失敗し、寝るだけのお手軽な女扱いの男に都合よく遊ばれ、ちっともいいことがなかった。そこへ、親友の結婚が。

親友と最近知り合って仲良くなったというパーフェクト美人・セレブなヘレンと親友をめぐって<アタイが一番の親友だから!>対決で、対抗心を燃やしたあげく、結婚前パーティーをぶちこわしてしまい、絶交宣言。あーあ。

いろいろやらかすアニーだが、程度の差はあれこういう気持ちは分かってせつない。頑張れ、アニー! 途中で知り合う警官が、超カワイイので、そんな体だけの男はすてて、この真面目だけどお茶目さんのタフで優しい警官と仲良くなりなよとやきもきするのであった。

他のブライズメイドも個性派で面白い。肉体派のメーガンもカッコいいし。

それにしても、アメリカは友人が何もかもをアレンジするのか? ブライダル・シャワーだけなのかな・・・ お金かかって大変そうと思いました。そのわりに離婚しちゃうのにね。

女同士の意地の張り合いが面白く、ちょっとほろっと描かれていて、楽しい映画です。