ISBN:4-344-98003-4 2006年 幻冬舎(幻冬舎新書4)
☆☆
ハマる、ハマらないかは個別すぎてタイトル先行だった。
香山さんは、これが本当だともいんちきだとも言うわけではなく、スピリチュアルブームについて、どういう社会、どういう流れがあって、かつ、どのような人々がスピリチュアル的なものを肯定して いるのか?との考察をしています。
■なかでも人気の江原啓之氏については多く言及しています。 拝み屋だの、霊媒師だのといわれると拒否反応があっても、「スピリチュアル・カウンセラー」というとマイルドに。
精神医学では、コドモがある時期、ぶいぐるみとかタオルなどに執着するのを「移行対象」と言って、そしてオトナになってもぬいぐるみに愛着を持つのは、この守られていたいという願望の表れだと考えるそうです。
で、江原氏がまさに「トトロ」のように、丸くて優しくて、中性的なイメージなのも、受け入れられやすい要因になっていると。
彼はそんな柔らかな物腰で恋愛や人生相談をしているが、それは本当にしたいことへの布石というか、表向き、宣伝活動らしい。
本当は、物欲にからんだ話ではなく、魂の話からそれをより良き社会するために、おのおのどうすればいいのか、という話をしたいのだという。へえ。
しかし、江原ファンだという(多くは女性)ほとんどは、江原氏の社会的発言はスルーで、「私の恋愛どうなるの?」「私が幸せになるにはどうしたら?」といつまでも聞き続けているとの指摘です。
で、香山さんの筆は、内的世界「私」の幸せだけを願う人々とは?という考察へと流れます。
■自我が脆弱になっている(らしいです)ところへ、それはあなたのせいじゃなく、前世の問題だ、とか、起こっていることすべてがあなたのための出来事だ、とか言われるとツライことに耐えなくても良いと思え、それが気持ちいいからスピリチュアルなものが広く受け入れられている土壌なのだということでした。
そんなに自分本位なのか、いまは! 反省しておきたい点です。
■オウムの反動で、一時はこういうものは排除された感じでしたが、最近は疑うものとしてじゃなく、見えないものを受け入れることこそ評価される態度だという風潮です。科学で証明されないから、ないものだということもできないだろう、と。
科学者が世界をどれだけ見つけたのか・・・? 私はまだほんの少しだろうと(無責任に)想像しているので、もしかしたら霊だのオーラだのを数字で計ることができるようになるかもしれません。というか、科学的なモノサシではないモノサシが登場して、世界の見方を変える日が来るかもしれません。
と、思っているとちょっと楽しい。