2013/08/05

『女子とニューヨーク』山崎まどか

2012年 メディア総合研究所 ISBN:978-4944124572

★★★

映画、ドラマに描かれる女性と都市・ニューヨークの関係。同時に、ファッションを表現してきた雑誌編集者へも言及。

ずーーーーーっと、カタカナ名前の羅列でぱっと読んだくらいでは、うま味は感じられず。○○くんと、■■くんがつきあってて、でも■■くんは本当は▲子が気になってる、みたいなどうでもいい話を聞いてるときのような気分に見舞われました。

映画出演者、雑誌編集者、などの情報がこうこうで、こうなのでした、と続いた最後に、ちらり作者のまとめ的な一行が入るのみ。ネタは楽しいのに、語り口調があまりに淡々としてはいませんでしょうか、残念です。

こざっぱりしすぎの文体のせいか、見難い(つかみが無いというか)章ごとのタイトルのせいか。雑誌寄りにするか、映像よりにするか、せめてもう少しポイントを絞ったほうがね・・・この程度の厚みの本では全て入れても薄っぺらいだけになってしまった模様。

なぜこんなに表層のみの情報羅列(しかも読みにくい)にしてしまったのか。映画やニューヨークが好きなのだろうなというのは分かるだけに、もったいないと思います。

カタカナが続くと、横書きで出してほしいとさえ思う。縦書きにするメリット(あるのか?)より、横書きの見易さを考えていただければよろしかったのに。愚痴。

 


2013/06/11

『SHAME』

監督:Steve McQueen
Michael Fassbender Carey Mulligan



★★★★



舞台はNYなのに、イギリスみたいだ・・・と思ったら、監督(イギリス)主演(アイルランド育ち)でした。コートの着こなし、マフラーの巻き方がアメリカンじゃないの。ファスベンダーのすっきりとした顔立ちも美しく、OPの全裸で自宅をぐるぐる回るところも、見せ筋肉じゃない肉体が、またまたむき出しな感じで素敵。



とある兄、と妹の関係を真ん中に、満たされない何かを埋めようと(=愛されている自分)兄は一日中セックス、妹はリストカットに恋愛依存。バランスが壊れた兄妹の<永遠に欠けている自分>から逃れられない苦悩を、これまたすっきり美しい映像、詩的な音楽でまとめた映画です。



性器が映っていたとか何かでR15指定だったのだけど、それはただ人間の姿を映しているだけだし、セックスシーンといっても、ちっともセクシーではなく、むしろ哀しみに覆われてしまうような場面ばかり。
彼は、ストレスを感じると性欲で緩和しようとするので。ほんとに痛々しい。



妹と<裸の付き合い>があるようでした。実際に肉体関係があったかどうかは確定しませんけど、あったかもしれないと思わせる流れです。
不完全な男女だから支えあうのだとも言いますが、彼らは自分を愛せないことに苦しみあっているようでした。



けっこうえげつない話になりそうな展開を、最後まで緊張感のある映像でやりきったし、ファスベンダーの表情も、えげつないだけの話にせずに済んだ要因かもしれません。



何事も度が過ぎてはいけないのですね。



キャリー・マリガンのゆるい感じが、なかなか良いです。だらしない、とはちょっとちがう<ゆるい>感じ。オバちゃんにも見えるし、天使にも見える面白顔だ。



ところで、主演のファスベンダーが1977年生まれというので、心底驚いた。最初なんか特に、40代後半くらいかと思ってました。それにしては日がな一日セックスのことにトリツカレて、体力すごいわと思ってた。
30代の設定なのね・・・落ち着きのあるお顔でした。



サントラが欲しくなりました。










『女もたけなわ』瀧波ユカリ

幻冬舎 2013年 978-4344023826



電車内で読んでたら、ブフーッと吹きそうで辛かった・・・・久々にエッセイ的なもので笑わせてもらいました。



モテたかった学生時代、イタイ恋愛もたくさんしたもよう。私はモテたいと思ったことないし(へんなのに好かれても面倒だから、量より質派)、恋愛なんてお1人限定だったしー。
でも、なんか分かるのであった。
著者の数々の血まみれ(比喩ですよ)体験より導き出される格言は、ぐっと来ます。



笑顔であからさまな侮蔑語を発しなくても、相手を蹴落とす話法とか。ああ、分かるわ。わースゴイ、と言いつつ、アタシには無理・・・と実は相手をけだもの扱いとか。








2013/05/05

『タイム』

IN TIME  2011年



監督:アンドリュー・ニコル



ジャスティン・ティンバーレイク、アマンダ・サイフリッド、キリアン・マーフィー



★★☆



未来。遺伝子操作により、ひとは25歳を過ぎると、残りの1年が残された時間となり、働いて時間を得るなどしないと、1年後に死ぬ仕組みとなっていた。
25歳から、見た目は年を取らず、金=時間があるものは、永遠に生きられるのだ。



乾いた風景や富裕層の暮らすゾーンの近未来っぽさは、いいと思ったものの、やりっぱなしの話の終わり方にずっこけた。



スラム街で暮らす男が、「永遠に25歳の見かけで、死なない人生」に疲れ果てた金持ちに100年以上の時間をもらったものの、助けたい母親は目の前でタイムアップ・・・死んでしまい、金持ちに復讐しようとする。



お互い惹かれあう大富豪の娘と男。しかし、彼女の豪邸にいるときに、タイムキーパーが富豪殺しの名目で男を逮捕しようとし、男は彼女を人質にして逃走。



逃走してるうちに、これが生きてるってことだわとか、多数から搾取した汚い人生だ(=時間)ちうセリフに意気投合して、二人は銀行強盗を繰り返すお尋ね者に。



ラストは金貸業の父親が保管している100万年(数字はあいまいな記憶ですが)の時間を強奪し、人々にばらまきます。



さて、どうオチをつけるのかと待っていたら、もっと大きなところを狙おうぜ、と巨大な銀行に突撃するところで、終わり。



貯められていた時間を世の中にまけば、価値が下がりますものね・・・ でも、遺伝子操作されてる自分たちを救ってほしかったのー。



私の見所は、黒革ロングコートでタイムキーパー役を演じるキリアン・マーフィーです。似合ってました。



彼らは1日分の割り当てしか時間がないため、男を追い詰めるも目の前でタイムアップ、死んでしまうのだった。ああ、せつない。
職務の奴隷か・・・という言葉を贈りたいエージェントでした。



主演と、助演女優は私の好みとは違うので、うーん。アイドル映画だったのだと思うことにします。



2013/05/04

『アイアンマン3』

IRON MAN 3



監督:シェーン・ブラック



ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロウ、ドン・チードル、ガイ・ピアース、
レベッカ・ホール、ステファニー・ショスターク、ジェームズ・バッジ・デール、



★★★★★



ロバート・ダウニー・Jr(以下RDJ)がキュルルン★かわいいので、★5つです。いやいや、1-2-3とシリーズものって話が大きくなってガッカリすることが多いなか、これは珍しくくだらなさで素敵に包み込む映画。



良いひと過ぎない加減が絶妙で、オレは良いやつじゃないって嘯くわけでもなく、正義のためと言って過度に自らを責め苦にするわけでもなく、本当に素晴らしいバランスです。娯楽映画のバランスよー。



・強敵に自分がなすすべもなくやられて、愛する人を守れないのではないかと苦悩するトニー・スターク。不眠症で気の毒なのですが、そんなところまでキュンキュンしてしまう。ごめん。



生身でもガンファイトいけるんだねっていうのはビックリしたけど、そもそも器用なひとだものね。
頭もよくて器用で、愛嬌があって。社長、最強ですわ。あ、もう社長じゃないんだっけ?



・RDJが何かするたびに、可愛い。キュンキュンボタンを押しすぎて、ずーっと頭のなかではキュンキュン鳴ってました。座席にキュンボタンがあればいいのに。満点でましたー。
もー、何であんなにお目目がキュルキュルですか・・・



飛ぼうとして飛べないあのシーンだけでも、また観にいきたい気にさせられるわ。キューピー人形に匹敵する可愛らしさ。プシュプシュ・・・で、階段を降りる、と。うふうふ。



・パーツがバラバラになって、飛んでくる設定は面白い。ただのスーツなのに、抜け殻でもスーツさんっていう人格があるみたいで、あのスーツは、武器から人格をもつ存在に変化したのだなあ



・スーツ着たトニー・スタークはカッコ良い系で、中の人のトニー・スタークはお茶目さんで。なのだけど、時々融合する場面がツボになりますね。スーツがお茶目さんで、中の人がカッコいいという。



・ペッパーが、むきむきになって怒り爆発。誰にでも、そういう攻撃的な部分があるよねーと思いつつ、焼かれたのに、ブラがまるで無事ってそんなことあるかい。割れた腹だけをみせられてしまいました。



・ダサい格好もまたいいのね。アメリカの男らしい。でもいいの、心が燃えているから目がきらめいているから。



・薬物を絶つコメント・・・あれは自分のこと入れた?あ、でも20年も前じゃないか。アリー・幕ビールを降板したときは、残念だったっけ。ついにアリーにぴったりのいい男が来た!と思っていたので。
手術も成功で、良かった。重石が取れたあとの彼の生活が、これまた楽しみです。



・前日に「図書館戦争」を見ており、もやっとしていた心が一気に晴れました。全力で作ってるのが分かります。ありがとうございます。次回も楽しみにしておきまーす。



2013/05/03

『図書館戦争』

監督:佐藤信介



岡田准一、榮倉奈々、田中圭、福士蒼汰、西田尚美、橋本じゅん、
栗山千明、石坂浩二、児玉清
鈴木一真、相島一之、嶋田久作、



★★★



えーーーー。ううーーん。



岡田くんはカッコいいねぇ これに尽きる。他はまぁどうしようもない。



制服の胸や腕がむちむちで、いろんな角度からもっと映していただきたいと切望するほどに。いい男になりました。他の共演者も濃い目だったので、ふと田中圭に映像が変わると、びっくりするくらいぼやけたお顔に見えて笑えます(田中圭も好きだけど)



・図書館の話になると(自分が図書館員の端くれだから)言いたくなりますよ、館内で私語厳禁!恋愛厳禁! そういうのはバックヤードでお願いしまっす。
集密書架から資料出せないって、郁ちゃんは問題だなぁと私も思います。利用者がいないから、乱れてないよね?



堂上教官、その腕っぷしがあるなら10冊以上がっつり抱えて配架する場面にしてほしい
監督に図書館への愛情がいまいち感じられなかったのが寂しい点。



・戦闘シーンがいまいちなら、ラブコメ方面で私をぶっとばして欲しかったけど、こちらはきわめて常識の範囲内でおさまった感があります。もっと赤面させてくれてよかったのにー。(セリフでは「王子様」とかなんとかあるのだけど、どうも映像的にもじもじさが足りないんだよなぁ この話、もっとバカに徹しないと)



・石坂浩二演じる仁科館長は、本を守る理由を語ってくれてましたが、他の図書館員にちゃんと伝わっていたのか、はなはだ疑問です。
特に、特に図書隊隊長・・・戦いのための組織ではなく、専守防衛、あくまで本を守るためなので殺傷目的ではないとか言いつつ(言ってたのは堂上さん)、戦いが好き好き♪ってひとにしか見えず、残念です。



・図書館員の暑苦しい図書資料への愛を盛り込んでくれたら、ヘンタイ映画になれたのに・・・
戦闘もの風にしたせいで、なんだか中途半端はなはだしい仕上がりになりました。



・榮倉奈々は、キャラとしてはうまくはまったのではないでしょうか。堂上さんにとび蹴りシーンは、見返したいようないいシーンでした。
私としては、もっと暴れてよしですが、後半は女子っぽさのほうがでました。



こういう気が強い向こう見ずな役をする人にお願いですが、もっと腹から声を出していただけないか。ほにゃーっとしたセリフでは気合が入らないの。ズバーンと腹から声で!



・橋本じゅんさん。隊長殿は、ふつうにしてたら威厳のある隊長風情なのに、どうしても顔芸に走りかけます。相手が相島さんなので、二人で見つめ合ってくれちゃって、笑いすぎました。



・中途半端な戦闘シーンのわけは、専守防衛だからな訳ではなく。ひとえに監督のセンスの問題かと思います。
いよいよ良化委員会に制圧させそうになったあたりでの、スロー映像に情緒的なテーマ曲が流れるという、感動場面ですよ的表現はガッカリ。安っぽさに拍車がかかってしまいます。



・SF設定の浮遊感がなかったのも残念な点。へんな世界の話だなぁと思うより、しょぼい映像だなぁ(装備や図書館の内容、すべてうきうきしない)



・フォーゼの福士蒼汰も濃い目俳優に負けず、見目麗しくてよかったです。栗山千明と並ぶと、この世のものとは思えぬくらいの造形コンビでした。うらやましい。



・というわけで、大画面で岡田くんを拝見したい方のほかは、テレビでいいんじゃないでしょうかね。あとはアニメ版とかもあることだし。



・図書隊って、どこからお金でてるのだっけ? 経費ありそうでいいなぁ



2013/04/17

『クラウド アトラス』

監督・脚本:ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー



トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィーヴィング
ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ、ベン・ウィショー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント



★★★★



予告を観たときは、時代を越えても出会う運命の二人・・・輪廻と愛の物語かと思っていたのだが、実際は違った。確実に輪廻を示しているというよりも、時代ごとに繰り返される人間同士の衝突について、描かれる。



原作は未読。



6つの時代の6つの話、次の時代の人が前の時代の人が残した何かを目にしたり、聞いたり、している。



何かが次世代の誰かを支えたり、勇気をもたらしたりするのだよねと思える構造は、人間が生きる影響について思い起こさせますね。



うまいなぁと思うのは、登場人物をメインキャストたちが男女・年齢を越えて演じているため、それぞれ別々の話であっても、つながりを映像から受け取ってしまう構造となっている点。



直接のつながりはないけど、役者が重複することで一体感と一つの流れがあるような視点を持つように仕向けられてしまうのでした。映像体験としては楽しい感覚でしたね。



各話がわりとサスペンスやアクション映画のように、あるクライマックスへ向かってテンポアップしていく後半は、これをどう収束させるのか、何かウルトラCが待っているのか?(いわゆるオチ)とつい期待しながら観ていました。



白昼夢を観ているような現実感がふわふわ浮いているようなものだったのも、不思議な感じが続いて面白い。



なのにおオチは、あぁ、普通のいい話っぽくなってしまった・・・・! いつものハリウッド製作品ぽい、まったりとした後日談風の終わり方でテンポが悪くなってしまいました。



ラストの印象が、長い時間軸のなかでの人間同士の衝突とつながり、信頼、愛、といったものを感じさせるものであったなら、もっと壮大なイメージのまま終われたのにー。そこが残念です。



上映時間のわりに各話を追いかけているのに忙しくて、長さは感じませんでした。自宅でDVD鑑賞などすると、どこかで<ポーズ>ボタンを押してしまうでしょうが、これは映画館で観れてよかった、と。



*********************



・ヒューゴ・ウィーヴィングが殺し屋さんで追いかけてくるのは、どう観ても<エージェント・スミス>なので、いつ画面にPC言語が流れるのかとドキドキ。



・ベン・ウィショーが、またもいかにも似合う英国人でゲイの役だったので、ここだけでも観てよかったとか思う。



・ペ・ドゥナらネオ・ソウルで働く複製人間たちが、複製人間のわりにあまり美女じゃないのね・・・でも、春を売る役割のはずなら、もうちょっとキレイでもいいのに。



・トム・ハンクス。どの役でも、トム・ハンクス節炸裂、カワイイやつめ。キレキレ小説家役は楽しそうでした。



・ハル・ベリーがユダヤ人役をすると(彼女、半分はユダヤ人なのですね)、あらマドンナ風に! 何をしても、美女でした。



・ヒュー・グラントが人肉食族の親玉で登場したり、成功した実業家になったり。いろんな悪役になったのは、隔世の感を覚えます。美青年も、ここまで来たか。似合ってました。