エンター・ザ・ボイド Enter the Void 2009年
監督/ギャスパー・ノエ
ナサニエル・ブラウン、パス・デ・ラ・ウエルタ、シリル・ロイ、オリー・アレクサンデル
★★★
TOKYOに住む外国人兄妹、兄は薬の売人でジャンキー、妹はストリッパー。ある日、売買中に警察に踏み込まれ、銃で撃たれた兄オスカーの魂は、自分の過去を断続的に思い出しながら、何かを求めてネオンがどきついTOKYOの街を彷徨っていく・・・
自宅のDVDじゃなく、映画館で見たら寝てたかも。魂だけとなったオスカー自身は、何も語らず。映像はオスカーが見ているだろうものを、同じ目線で映していく。この長さが、オスカーの未練の強さなのだろうか、うう、早く未練を断ち切ってくれ!と願いながらラスト30分を耐えました。
カメラがスピードに変化をつけながら、縦横無尽に動くので、すごく目が疲れます。気分も悪くなりました。あたしはもっと素直に死にたいよー。
映像は、刺激的。死ぬ前のトリップ中の映像も、面白い。音や光がゆがんで、強調されて、時間の流れが少しヘンで。
死んでからは、徐々に命ある世界を彷徨うスピードが速くなり、過去の記憶もどんどん入り乱れてくる。どんどん、未練を残したものが何かを突き詰めていくような感じでした。
ストーリーは、素直なもので、幼い頃に両親を事故で亡くした兄妹、兄は死んでからも、幼い頃の約束=ずっと一緒にいる、を手放せずに浮遊していく様を描く。最後は、ラブホテルでセックス中の妹の命の源に溶け込んで、生まれ変わった・・・らしい。
死の彷徨は、チベット仏教の「死者の書」を下敷きにしているのですが、輪廻ってそういうイメージなのか?と不思議です。生まれ変わり先を自分で選べるのかー。
妹の子宮に飛び込んで、生まれ変わるんですよ。しかも、わりと妹と交わって、というイメージがありまして(ペニスの先まで映してくれて、ファンタジーとリアルさの按配が面白い人だな・・・と感心。ギャスパー・ノエ。他の作品も見たくなりました)
妹へのものすごい執着で、これじゃいつまで立っても解脱できそうもなかったですよ・・・。母親の乳房への憧れも描かれるし、胎内回帰願望なんでしょうか。
薬にはまってるときの映像と、魂になってからの映像がとても近いので、トリップ中の目的って全て完璧だったママのお腹に戻る夢を見たいのかもね。
セックスと薬のことが大きく宣伝に使われてますけれど、なかなか純情な男子の願望だなぁと思いました。