シングルマン A Single Man 2009年
監督/トム・フォード Tom Ford
コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、ニコラス・ホルト、マシュー・グッド
★★★★★
何もかも、心の奥に、底に、静かに、でも強く印象が残っていく1本。
長年のパートナーを交通事故で失い、ゲイであることで葬儀にもいけず、彼の居ない明日を迎えるのを死をもって辞めようと決意した、その日いちにちの物語。
■映像は隙がない美しいさ(特に目覚めから身支度のとこ)から始まる。けれど、女友達、美しい俳優志望、学生とのかかわりのなかで、ぱりっとしていたシャツや髪が乱れていく変化が、主人公ジョージの心の変化であって、いとおしすぎてニコラス・ホルト演じる学生の気持ちになってしまうほど。あなたはあぶなっかしいから、って。やーん。
きっちり白い襟につつまれたうなじもセクシーだし、ジャケットを肩にひょいと担いで(大学教授の顔ではなくなって)る背中も、カフスを外した白いシャツ姿、黒メガネでさえも、何だかもう、何も言わないけど、もうわかってるわ!といいたいくらいの色気が漂っていて、くらくらします。
おじさまの(ただしステキなひと)首のうしろって・・・・ また新しいポイントを発見してしまいました。
■自分以外の、今を生きる人と向き合うとき、画面が天然色!という色合いに変わるのも、テクニックというよりはまさにジョージの心象なのだなと素直に受け取れます。青がところどころ入ってくる画面にも、好きな色は青、と教えてあげたくなるような。学生に好きな色を選べといわれて黄色を選んだときのやりとり、なかなか。青を選ぶと思った、と。
学生からは、教授である以外の姿が見えているのね。誰かにちゃんと見つめてもらうのって、大事だわ。
■ニコラス・ホルト
いつの間にこんな美青年になったんでしょう。『アバウト・ア・ボーイ』のヘンな帽子のあの子が!
■ゲイの物語であるとき、たぶん、人間の絆とか、愛のありかた(そもそこ愛って何だろう?っていう問い自体を大いに含む)について、信じられるような気がするのが、私の心を掴む理由じゃないかと思う。
男女には、損得や社会制度が絡んできて、愛のためなのか、社会的な行動なのか、言い切れないものが残ります。だけど、異端者扱いされる男男の関係においてなら、もしかしたら愛と呼べるものなのかと思える気がするのです。
ゲイにも社会的なつながりがあるだろうけれど、私から見る時、これはファンタジーなのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿