2011/09/24

『サヨナライツカ』

サヨナライツカ 2009年



監督/イ・ジェハン
中山美穂、西島秀俊、石田ゆり子、加藤雅也、マギー



★★



人に勧める度は、★1なのだが、西島くんを鑑賞しつつ、いろいろ笑える映画ってことならまぁ・・・。



不思議な演出に戸惑うばかりの私。たとえば、冒頭、大邸宅で光子(石田ゆり子)が婚約者の豊(西島秀俊)にお茶を出すのは、床の上。むむ、光子ったら身持ちが堅いフリして誘ってる!と思ったのだが、たぶん違うよね。韓国の監督だからか?



沓子との逢瀬で、光子からの定時の国際電話にぎりぎり帰宅の豊さん、最後、電話に向かってダイブしてた。ダイブ・・・ 無茶っていうより、バカすぎです。



とりあえず、豊は思われすぎていいトコ取りってことでいいのかしら。妻には尽くしてもらったようだし、光子にも離れたあとも思われてたし。
愛してたのに、どうして25年も会いに行かなかったのか。それは、豊さんは出世したかったからだよね。ずるいよー。NYで探したんだ、とかって! せめて離婚しとけと思うわ。ほんと身勝手ねー。



豊は婚約者が愛人に釘を刺してたことも知らず、立派に出世したのでした。
一度でも愛しているといわれたことはありますか? 微笑みながら言う光子、偉い!てか、怖い。ここから居なくなってください、っていうのもスゴイものがありました。



あー、期待したミポリン頑張ったベッドシーン、ですが(公開時はR15)。全然、セクシーじゃなかった。沓子ってば、無言で部屋に突入して、いきなりセックスするのに、色気なしとは・・・がっかりだよ。
中山美穂は、しゃべらなければ美人と思うけれど、声と喋り方が子どもっぽい。アイドルの頃は、大人びている人だったのに、意外でした。ばかな子?ってくらい幼稚に見えてもったいない。



西島くんは、腹筋鍛えてるのねっていう上半身が見られます。「好青年!」というより、出世のために名家の娘と結婚できる、計算高い男に見えます。あ、それなのに、沓子におぼれたということが言いたいわけか。そうかそうか。
だけど、出世とはかりに掛けるほど、中山美穂がいい女に見えないところが問題だ。



美しい恋愛モノにしたいのか、笑わせたいのか、何だかよくわからない演出に笑ってくださいの2時間です。





2011/09/21

『つぐない』

つぐない Atonement 2007年イギリス



監督/ジョー・ライト
キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ、ベネディクト・カンバーバッジ、ジュノ・テンプル



★★★★



1935年、戦争前夜のイギリス。貴族の娘セシーリア、同じ大学にかよう家政婦の息子ロビー、そして13歳の文学少女な妹ブライオニー。
ロビーに恋していたブライオニー。屋敷でのやりとり、覗き見した(下品な表現の)手紙。ふたりの大人の恋愛に衝撃を受けた直後、いとこが庭で男に襲われているのを目撃した。
ロビーに違いないと思い込んで、嫌悪からもロビーが犯人だと証言し、彼は刑務所へ。医者になる夢も、セシーリアと結婚する夢も、すべて破壊されて。



■屋敷の風景がきれい。
室内はやさしい花柄、庭や森もイングリッシュ・ガーデンとはこれ・・・といわんばかりの満ち足りた風景。画のよう。



■衣装、ステキ。
セシリア姉のセクシー(でも上品)なシンプルドレスも、妹ブライオニーの子ども服も、繊細でうっとり。シースルーの袖とか、下着のレース。どれもすてき。



■小道具が面白い。
この頃にはもうあったんだ!という面白さがたくさん。オイルライター、ペディキュア、電話(いわゆる黒電話なカタチの・・・)、お屋敷が時代モノなので余計に驚く。
ロンドンでは、2階建てバスが走って、地下鉄も。あ、ナルニアの時代と同じか。



■このくらいの思い込みのウソって、子ども時代にはあるかもっていうのが、また痛いところ。
成長して冷静に思い返すと、姉はロビーと愛し合っていたのだし、いとこは乱暴されたのではなく、自分の意思だったのだと分かるけれど、時すでに遅し! こわい。
戦争という不幸なものがさらにあり、幸せに暮らせるはずの二人は、離れ離れになったまま、亡くなってしまった。



ロビーは刑務所か、兵役かと選択をせまられ、ロビーは連合軍としてフランスへ。出征直前、ナースをしているセシーリアとロビーは再会。数年を経たいまも、二人の気持ちは変わっていないことを確かめ、彼女のもとにもどることを縁にフランスへ渡ります。
が、ダイナモ作戦が展開する海岸で、作戦最後の日、ロビーは死んでしまうのだった。



自分が思った以上に、他人を傷つけたこと。骨の髄まで凍みる恐怖・・・



最後、老作家となったブライオニーが最新作「つぐない」出版のインタビュー映像になるなかで語られる、そりゃないよ!な話で、少し落ち着いていた私の気持ちがどん底にー。



ロビーは無事で、セシーリアのところに一時帰還してる様子が描かれていたのだけれど、実際はフランスで死亡。姉も、ロンドン大空襲で死亡。ががーん。
それでは望みがないので、物語は真実とちがう結末にしたのです、と語ってます。



・・・どろどろな話にならないのは、絵画のような映像と、美しい(胸は洗濯板のようだけれど)キーラ・ナイトレイのなせる業でしょう。



・ロビー役、どこかで見たと思ったら『ナルニア国物語』のタムナスさんでした。
・先日、ドラマ放送されてた『シャーロック』のホームズ訳のカンバーバッジが暴行(と思われた事件)の真犯人だった・・・髪が茶色だと、雰囲気違います。やや体重も重そうな。



2011/09/19

『ゲイ短編小説集』O・ワイルドほか

ISBN:4-582-76315-4 平凡社 1999年



★★★



「近代英米文学の巨匠たちの“ゲイ小説”を集約。新たな視点による大作家の読み直しとしても、英米文学の「古典」としても、読み応えある作品集。これぞゲイ・キャノン。(本体裏表紙、解説より)」



最近、Bromanceという造語(brother+romance)を聞いたところだったので、キリスト教圏の同性愛的なものへの態度がとても気になり、手に取ったもの。



同性愛的な人間関係、あるいは同性愛を排除する社会との関係、自己規制などなど。英米文学など手にしたことがないので、面白いものだと思って読みました。



オスカー・ワイルド、ヘンリー・ジェイムズ、サキ、D・H・ロレンス、サマセット・モームなどが収録されています。



ヘンリー・ジェイムズってこんな疲れる話を書くのか!(目的語が隠されたまま、二人の会話が進みます。「それ」「あれ」は起こった、などと)と驚く。まだまだ知らない世界がたくさんだ。
噛み応えのある小説、他にも読んでみたくなる。





2011/09/18

『三銃士』

三銃士 THE THREE MUSKETEERS 1993年 105分



監督/スティーヴン・ヘレク
クリス・オドネル、チャーリー・シーン、キーファー・サザーランド、オリヴァー・プラット、
ティム・カリー、レベッカ・デモーネイ、ガブリエル・アンウォー



★★★



ディズニー製作の、お子様向け活劇。



ひとりはみんなのために!みんなはひとりのために! と元気に叫んで、特になにも残らない。中身はすかすかだけど、魅せるのはうまい、ほんとにうまい。で、3点。



未見だったので、2011年にこの若いキャストを見るのも、時の流れをしみじみと感じる面白さが。チャーリー・シーンはふつうにいい男風情だし、キーファー・サザーランドはユアン・マクレガーに似てるなぁ、なんて。



ミレディもロシュフォールも影うすかったな・・・ 男の子の友情バンザイ! しか記憶に残りませんでした。



『リバティーン』

リバティーン The Libertine 2004年 イギリス製作 110分



監督/ローレンス・ダンモア
ジョニー・デップ、サマンサ・モートン、ジョン・マルコビッチ、ロザムンド・パイク



★★★



リバティーン=放蕩者 



1660年代、王政復古のイギリス。国王チャールズ二世の恩赦を受け、3ヶ月の追放からロンドンへ戻ったジョン・ウイルモットは、芝居小屋で大根役者と呼ばれているエリザベス・バリーの隠れた才能に気づき、「ロンドン一の女優にしよう」と申し出る。一対一の舞台稽古が始まり、2人はぶつかり会いながらいつしか惹かれあうようになる。
やがて感情のこもったバリーの演技が高く評価され、2人は愛を確かめ合う。一方、ジョンの才能を高く評価していた国王は、フランス大使を招く歓迎式典で、ジョンの戯曲上演を計画するが、彼の怠け癖を知る国王は、バリーにジョンの監視を命じる。
式典当日、ジョンは国王を侮辱し、政府をこき下ろす内容の劇を上演し、途中で中止に追い込まれる。
バリーの裏切りを知ったジョンは姿をくらまし、数ヶ月後、名前を変え変わり果てた姿で現れる・・・。(公式HPより)



才能に肉体が負けた典型のような『アマデウス』を思い出す人物像、17世紀には早すぎた才能。
人と相容れず衝突を繰り返す面と、女優バリーとの交流、献身的な妻との愛憎交じりの絆。面白くなりそうなものなのに、何だか手ぬるい感じがするのはどうしてだろう。
人生を追うほど深くなく、物語を派手に盛り上げるほどには、展開はシンプルで。



もとは、ジョン・マルコビッチが主演した舞台だそうで、そのせいかセリフも大仰なものが続き、人物に近づく映画ではかえってウソ臭さが増す残念な結果になりました。



映画もマルコビッチが主演すればいいのにな。憎たらしさ>才能 という早すぎる天才の理解されなささが出たのではないかと。人間として、特別好ましい人ではないところに魅力があるタイプだと思うのですが、なにせジョニー・デップ・・・ 愛嬌がありすぎる!のだ。



17世紀のイギリスの舞台環境がわかる点で、★を1つ追加です。素材はいいのに、料理人が塩梅をまちがえた残念な雰囲気がただよう。



『第9地区』

第9地区 District 9 2009年/日本公開2010年



監督/ニール・プロムカンプ
シャールト・コプリー、デヴィッド・ジェームス、ジェイソン・コープ



★★★★



お金そんなにかかってないんだってね・・・ でも、全体的なチープなSF感と人種問題とがすごいバランスで引っ張りあってて、見終わったら、こういう映画も作れるんだなぁ・・・むむむ、という。アイデアとかわいいエビさんで、かなりうまくいったね。



面白かったかと聞かれれば、これが意外と面白かった。主人公の情けなさ、自己中心的でアイラブミーなところとか。
足がもげれば食べられちゃうわ、簡単に体が粉砕されるわ、げろげろ吐くわ、好物はキャットフードだわで、何から何まで最低なんだけど、最低さが魅力なの。



ある日地球に来て動かなくなった巨大母船。数ヶ月後に助け出された異星人たちは、南アフリカで隔離されている。異質なものは閉じ込めておこう作戦で、フェンスのなかはいつしかスラム化。
20年たったいま、増えすぎた異星人を街から離れたところへ強制移住させる計画がはじまったのだが、作戦を指揮する主人公ヴィッカスが浴びてしまった液体により、体が異星人化・・・(彼らは人間から「エビ」と呼ばれる風体)



エビの知識人、クリストファー・ジョンソンは、その液体を取り戻し、母船を起動させ、故郷に帰りたいし、ヴィッカスは異星人の技術で元の人間に戻りたい。



・差別の問題って、本能的に自分を守ろうとする気持ちが元で、あとは金の問題とかも絡むのね・・・
・主人公がヘタレで最低、最後までけっこう最低。
・エビさんたちが、何だか懐かしい感じ。円谷プロ的な・・・仮面ライダー的なきも可愛らしさがある。
・人間も、かなり使い捨てされてる。兵器製造会社って怖い。
・で、動き始める母船。そもそも地球になんで来たのか、たまたま座礁的なことだったのか、分からないのでした。もしかして応援呼んで、地球破壊しに来るかも。
・あまりに景気よく体が吹っ飛ばされるので、痛いと思わず。







2011/09/04

『苦しまない練習』小池龍之介

ISBN:978-4-09-388182-1 小学館 2011年



★★★



↑いつも<好み>で★を付けているのだけど、これは好みではかりにくい。



表紙には「ブッダにならう 苦しまない練習 シンプルだから実践できる。今日からもう、悩まない・・・」



ここ一年くらい、仏教の考え方に興味があって少しずつ触れるようにしてることもあって、著者の言うことの概略は、そうそう、そうなんだってね、という感じで読み取れる。書き方は非常にソフトな口語体。一見、読みやすい。
結局、それで自分はどうだろうかと、自分自身の考えを見直すことになるので、その場合には、口語体だと文章が長くなるので、うっとうしいような気もした(人のことは言えない私なんだけど)。



もしも、これで仏教思想に興味がわいて、いろんな考え方を知るきっかけになるなら良いんじゃないかしら。



今の私の見方だと、悩みすぎている人には、悩まない練習って大事かもしれない。でも、悩まない人は、ほぼ居ない(悟った人の外は・・・)ので、安易に悩まないって言葉だけを信じないように、と思う。そんなにお目出度い人は少ないか。



苦しまない、に関してはけっこう同意!です。なぜ苦しむのか、その原因は自分にあると考える立場です。苦しいと感じるのは、自分の心が勝手に条件反射的に感じているのだ、と考えることで苦しみと自分自身を離せます。



宗教、信仰というよりは、仏教は思想体系だと思うほうが理解しやすい。極楽の話なども、そう思えば楽になれるのなら、そうかも~と思っていればいい。でも、他人に強要してはダメなのね。