2009/02/15

『ひとりでも行けるオペラ極楽ツアー』石戸谷結子

2008年9月 朝日新聞出版 2200円



ISBN:978-4-02-250431-9



☆☆☆☆☆



表紙からしてまばゆい~ ただうっとり眺めるだけでも楽しい本でした。



イタリア、オーストリア、チェコ、ハンガリー、ドイツ、フランス、ロンドン、NY。各都市のそれはそれは素敵なオペラ座をカラーページたっぷりに紹介しています。
これでもかと豪華絢爛で夢のようなオペラ座もあれば、モダンでシックな近代的なものもあり違いが面白いです。



劇場情報だけでなく、それぞれのオペラ座の歴史とともに、国と各都市の歴史も、そして著者おすすめの美術館&グルメの観光案内もあります。また、その劇場で観たオペラのことや、お勧めの指揮者、歌手についてと情報盛りだくさん。



まだ海外でオペラ聞いたことがない・・・今度こそ!





2009/02/14

『数字のモノサシ』寄藤文平

ISBN: 978-4479391821



☆☆☆☆



いろんな「モノサシ」で世界を見てみような一冊。
100円のサンマを20円引きしてもらったら喜ぶのに、100万円の車から20円引きされると嬉しくない(むしろ何だか気分が悪い)のはなぜか? 行動経済学の考え方を参考に、人の数字に対する意識を掘り起こします。



おなじみの数字だと、同じ人に対しても・・・キログラム、リットル、回。などいろんな切り口があります。視点の多様さ、視点=モノサシが動くことで新鮮な気持ちもなれます。その楽しさを、寄藤さんがあのイラストでますます楽しく表現。



遊び企画としては、著者オリジナルモノサシも。例えば



「仕事の達成度」 adn[エイドリアン]
終わったー!と天に掲げる拳、100adn、仕事帰りのビールのうまさに比例。



「待ち続ける忍耐力」 kh[黄色いハンカチ]
夕飯に腕をふるった日、相手が帰って来なかったら1kh、帰ってこないと分かっている日も二人分の食事を作り続けたら100kh。映画『黄色いハンカチ』より。



ぜひご家庭に一冊。





2009/02/01

『プラスマイナスゼロ』若竹七海

ISBN:978-4861766114



☆☆☆



おなじみ葉崎を舞台に、山の上にある真ん中クラスの高校に通う3人の女の子たちの連作ミステリ。タイトルのプラスは、超お嬢様(だが、とことん運が悪い)。マイナスは超極悪腕力娘、そしてすべてが平均値、の3人を指してます。



もっと軽い感じかとも思ったけれど、さわやかに明るく進行するのに意外な毒があるところは、若竹さんならでは。だから好きなんですが、なかなか新作を書いてくださらない・・・



この3人の言葉に出さないけど信頼してる青春!な雰囲気も良かったので、長編でも書いてほしいです。



2009/01/19

『石川三千花の勝手にシネマ・フィーバー』石川三千花

ISBN:978-4-16-370770-9



雑誌「CREA」2004年1月号から2007年5月号まで連載をまとめたもの。



自分の人生と、その時の思い出の映画を一緒にしつつ振り返る一冊。ページによっては映画の話はさらっとになります。



今のように情報が手軽に入手できない30年前にパリに留学したあたり、勢いがあって面白かった。自分の国を相対化して見れるって視点が増えるのはいいですね。





2009/01/15

『脳を活かす仕事術 「わかる」を「できる」に変える』茂木健一郎

ISBN:978-4569701936



☆☆



仕事術とあるけれど、人生術というほうが良さそう。感覚系(インプット)と、運動系(アウトプット)の両輪を動かすことで、生きる質を上げていくことができるという。



ざっくり言えば文武両道、このふたつは補完的なつながりがあるという点の説明は分かりやすくて良かったです。が、感動が原動力となり、学習意欲も高めるって、そりゃそうだよねといいますか。楽天的に考えよう、とか・・・も、そうだよね、と。サイエンス風を装った自己啓発にも読めてしまうあたり、こんなんで1100円って、いいのかなぁ茂木ちゃん。



いろんなところで言われているような脳の使い方、をさらっとおさらいし、自分の人生での節目にどういうことがあったか、を織り込んでます。謙虚そうで自慢気というあたりが面白い流れだったんですが、文庫になっても手元におくほどではなかったですよ。







『女装と日本人』三橋順子

ISBN:978-4062879606 講談社現代新書



☆☆☆☆



「女装」というテーマにそって、日本人の性文化、衣装文化を、ヤマトタケルから近代現代までの年代順に、丁寧に明らかにする一冊。新書としてはかなりお買得な充実の内容です。



作者、三橋さんが女装者ということで、客観的かつ実感のこもった目線で貫かれた文章が良い。歴史は、語る人によっていかようにも変わる、そして「女装」というモノサシで見ただけでも、変わるものです。



歌舞伎、今ならオネエマンズ・・・日本人は「女装(異性装)」に寛大な文化があるという。歴史に残された異性装の歴史を文献を参照させながら、解説します。



たとえば稚児は、観音と重ね合わせられる神聖さを持たされたのだ、なんて、驚きの説明に興奮しました。稚児として僧侶につかえるには、灌頂を受けなくてはいけなくて、など。稚児灌頂って有名なのかしら? 初めて知ったので、興味深々でした。
時によって失われることが分かっている「少年」に女装させるなど、児童保護的には虐待かもと感じるけれど、でも、リミットがあることで価値が増すようにしているなんて、人の想像力のすごさも感じます。



男、女、と決めるのはつまらない。男は男らしく、なんて軍事国家ですね。もっと、自由に、寛容な国になっていってほしい。





『五月女ケイ子のレッツ!!古事記』

ISBN:978-4063647228



☆☆☆☆



文学部卒だけど「古事記」をちゃんと読んだことなんかなかった・・・断片的な知識しかないし・・・というところへ、この本はガツンとやってきた。



絵にするまでに、随分読んだんだろうなぁと想像します。こちらは楽しくハイライト的に読めて、笑えて、非常にいい思いばかりさせてもらいました。
古事記の持っている勢いを、そのまま絵にしてくれた感じ。ケンカしたり、求婚したり、サボったり、楽しい古事記ワールドでした。



五月女さん的解釈の強いところでは、欄外に解釈の説明があるので、スタンダードな解釈も確認できます。