2007年 63分
監督/新海誠
★★★★★
きゃー、キュンキュン映画だなぁ これは、過ぎ去ってしまったものを知っている世代には★では・・・?
作品には、4点と思っていたら、三話目に『One More Time, One More Chance』がいきなり、めまぐるしく変わる思い出の数々があふれる画面とともに流れたときに、キュンボタンが大変なことにー。
まさよしの曲で攻めてくるなんて、どうしようもなく切ないに決まってるじゃないかー。このー、うまいぞ。
ざっくり言ってしまうと、『One More Time, One More Chance』の壮大なPVとも言えるような。
小学生-中学生、離れ離れの高校生、そして社会人となった二人。3つのエピソードで構成されています。
貴樹のような男子が実際にいたらハッキリさせろー、といらいらするのだろうけど、映画では自然の風景と、秒速5センチという言葉、どうしても近づかない二人がなんともキュンキュンでした。
東京から、佐野が遠いよな・・・っていう中学生の距離感が、まずキュンだわ。どんな寒い国に彼女が引越したのかと思ったら、栃木って! ほとんどお隣だよ!
初恋ね・・・
思い出は美化されつつ、鹿児島と栃木の距離はあまりに巨大で、どちらが悪いわけではなく、手紙のやり取りが止まってしまう。
主人公の貴樹、そこにいるけれどそこに居ない。目の前で泣いている女の子を見ないで、連絡が途絶えた初恋の彼女を思っている。ばかばか。
そして、社会人となってがむしゃらに何かを得ようとするかのように、必死に働いて、そして戦線離脱(退職)。
そして同じ空のした、あのときの彼女は、結婚の準備をしているのだった。昔、渡せなかった手紙などを見つめながら。
これはハッピーエンドが主題ではなくて、求めるがあまり手にできないもの、<手にしたかもしれない幸福>というファンタジーへの渇望、といったところかと。
三話目が如実だったけど、心象風景に状況が分かる程度にセリフを入れた映像モノなので、最終的には良いも悪いもなく、貴樹の止まったままの心を見せられているとも言える。
記憶に足を取られて 次の場所を選べない♪
・・・キュンキュンだけど、それは<思い出すこと>がキュンキュンであって、次の場所を選べないようになると、切ない以上に、痛々しい。
これは、男子的にはキュンポイントなのかしら? 女子は、キュンしつつ、手を繋いでくれる人を選ぶもの。
貴樹が以前付き合った女性からは、1000回メールしても1センチくらいしか近づかなかった、とメールが届いていて、おお、村上春樹!
「月に戻りなさい、君」(『ダンスダンスダンス』)ですね。
礼儀正しい少年像も、春樹作品の男の子たちを連想させます。比喩の清潔さとか、正しい感じとかも。社会人の貴樹が「やれやれ」とか言うんじゃないかと思ったわ。
ラスト、踏み切りが上がった先には、あの人はいなかった、というのを見届けてから、次の一歩を微笑みながら踏み出した貴樹を応援したい。
他の作品も、キュンキュンなのかなぁ 見てみたい。その手に入らなかったものを、本当に手に入れようとする戦いを描くようになってくれればいいのにな、新海さん。
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