Antichrist 2009年
監督/Lars von Trier
Willem Dafoe/Charlotte Gainsbourg
★★★★
うーん、うーん、知恵熱が出そうだよ・・・ Dancer in the dark 以来ですが、こちらよりはずっと平常心で見れました。あれは気分が滅入ったな。
■まずは、キリスト教圏の人が感じるセックスへの嫌悪、女性が性を謳歌することへの嫌悪、それから悪魔というものの意味付け、全てがちっとも分かりませんでした。知識としては分かっているけれど、実感がないです。
自然は悪魔だなんて、かわいそうにねって思うわ。自然に死ぬから毎日の生が奇跡なのだと素直に思わないのですね。うーむ。
何もかもを、自分の行いのせいにしたり、悪魔のせいにしたり、意味を求めすぎです。って、このご夫婦には通じない感じですが。
自然対人間の図式で世界を捉えるところ、頑固だなぁと思う。私は、つまり日本人である私は、人間は自然の一部であって敵対関係とはみなしません。
残念でもあるし、分からなさが、私って日本人なのね・・・と自覚しきりというところ。
この文化圏に属す人と、属さない私はきっと全く違うものを映画から受け取っているのだろう。と思う。
カンヌでは、女性への嫌悪が非難されたそうですが、そんなの監督の好きにすればいいので、女性嫌悪が非難されるってけっこう政治的フェミニズムでは。
それに、女性を非難してるという印象は受けませんでした。むしろ、女性への捻じ曲がったファンタジーかもと思いました。痛すぎる表現だけど、政治的に抗議するなら、妻への無理解も非難されるべき問題かと。
セラピストである夫が、子供を事故でなくしたことへの自責の念で心が壊れていく妻を助けようとして、恐怖も克服できるし、全て理解できると、近代的な精神論を展開しているが、何だか偉そうなのだった。
自分は治せる、と自信満々で、治療じゃなくて一緒に苦しんで耐えて欲しかったに違いないのに。
キリスト処刑のように、穴をあけて、そこへ足枷のように砥石をボルトで固定したのは、妻からしたらお仕置きなのかしらと思いました。自然を恐れない、すべてコントロールできる気でいる夫への。
■公開時にあおってた、過激な性描写、ですが別に過激ではありません。というか、衝動があまりに本能的すぎてエロではないから。自分を痛めるけるための行為でした。
WOWOWだから、あのぼかしなのかなぁ(日本の上映はすべてこのぼかし入り?) 非常にしっかりとぼかしてくれたので、何がどうなったのかちっとも分からず、悲しい。
妻が何を傷つけて血を流したのか、ネットで確認したけれど(たぶん性器の一部とか)、大事なとこだから、ぼかされて大変に残念です。
■結局、夫はセラピスト失格のダメ押しで、妻の首にてをかけ、絞め殺してしまいました。どっちもどっちながら、総合的に見て、夫のほうが悪意があったと感じます。思い上がって妻の治療の邪魔をし、追い詰めたとも言えると思うので。
殺して、悪魔が復活しないように肉体を燃やしてしまいました。悪魔は妄想だと言い放ったくせに、信じてるんじゃん・・・夫。それって、恐怖心だよね。
■ラース・フォン・トリアー
うーむ、意地が悪いというか。陰気というか。ざっくりと<女はばかだ>というメッセージを感じずにはいられません。それは認めます。ダンサーインザダーク、でもそんな感じだったし。
なぜ、そういう方向の作品を作るのかが気になりますね。どうしたら、こんなに陰気な映画を作ろうと思うのか・・・
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