her 2013
監督/スパイク・ジョーンズ
ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン、エイミー・アダムス
スカーレット・ヨハンソンの声が良い。ハスキーで、ちょっと気が強そうで、素直さもあって。
ちょっと未来な感じの、ビジュアルも素敵。アジア系のひとがたくさん映るなと思ってみたいたが、ロケに上海も使っていたのか。クリーンな人工都市風で、何となく体臭が除去されたかのような風景でした。
インテリアや人々の服装も、透明感とフラットさがあるというか。重量感が少ない映像が、聴覚を通じてやりとりするセオドアとサマンサの2人の世界に合っていた。
最後は人間の知性を越えてしまうというのは、SFではよく見る展開ながら、そこに恋愛感情が絡むのが、知性の問題より心の問題となっていて、面白い。『Lucy』でもスカヨハは、最後に超知性になってしまったっけ・・・ 肉感的なのにそういうのが似合うのね。
ダブルデートの最中に、冗談で人間は死ぬけど自分は死なない、の意味のことをサマンサが言ったときの、衝撃。けっこう恋愛モードの2人がほほえましくて、セオドアが幸せならいいんじゃないかと思い始めたところに差し込まれているので、そういえば、そうだよねと有限の肉体しかない人間が負けた感。
非言語ですでに亡くなっている哲学者をPC上に構築したものと会話してるサマンサ、でもこれ、言われてるよね。人工知能はいずれ人間知を越えたものになって、特異点を迎えるという話。人間は感情に強く支配されているから、こういう風に人工知能に去られる、という風にみなすのかもしれない。
セオドアの寂しさ、清潔な風景のなかで、クリーンな世界のなかで人はどう寂しさと生きていくのかと、つくづく考えてしまう。映画の世界も、とおからず、という気がしてならない。
2015/05/18
2015/04/10
『イミテーション・ゲーム』
THE IMITATION GAME 2014
哀しいなぁ・・・ 寄宿舎時代の思い出から、エニグマ解読時の華やぎ(その中にも苦悩が埋め込まれていて)、そして終戦後の再びの孤独。
同性愛が病気として扱われ、治療対象だったことを思い出した(すっかり忘れていた)
チューリングが同性愛者であることから生じる、社会との摩擦、無理解、ストレス。それから、凡人には理解できない頭脳を持つことで生じる、社会との軋轢、そして無理解によるストレス。
学者としてもつらい時代だし、個人的なありかたも世間には受け入れられない二重の苦しみが、素晴らしい才能を41歳でこわしてしまったのだ。
B.カンバーバッチは、分かりやすく(しかしやりすぎではない)特異な人物としてチューリングを表現、映画で天才を現すならシンプルな表現だった。時々、目標に向って一直線なあたりが、私には、きもちわるいひと、に一瞬見える。私は感情で受け止めてしまうから。
チューリングとチームを取り持ったキーラ・ナイトレイ。久々に可愛らしい役でよかった。「ラブ・アクチュアリー」以来の可愛さだった。彼女が心とともに理性で真正面で受け止めているあたりで、バランスがとられていたと思う。
刑事役で登場のローリー・キニアも良かった。彼が演じているとその人物に血肉が通います。救いたい、と申し出たけれど、チューリングはうまく立ち回るなんてしないし、男たちのゲスい感情もあって、男娼を買った罪で有罪になってしまった。
いまこうやって一般人が仕組みもわからず使っているもの、コンピュータの基礎を作った人物である、とラストに書かれており、この偉大すぎる功績は、偉大すぎて当時の世界では理解できる人間はわずかしかいなかったのだなと痛感する。
理解できないからといって、変人扱いして簡単に遠ざけたりしてはいけないんだな・・・
難しいけれど。
最終的には、人権問題だよね・・・としみじみ哀しくなって映画館を出たのだった。
哀しいなぁ・・・ 寄宿舎時代の思い出から、エニグマ解読時の華やぎ(その中にも苦悩が埋め込まれていて)、そして終戦後の再びの孤独。
同性愛が病気として扱われ、治療対象だったことを思い出した(すっかり忘れていた)
チューリングが同性愛者であることから生じる、社会との摩擦、無理解、ストレス。それから、凡人には理解できない頭脳を持つことで生じる、社会との軋轢、そして無理解によるストレス。
学者としてもつらい時代だし、個人的なありかたも世間には受け入れられない二重の苦しみが、素晴らしい才能を41歳でこわしてしまったのだ。
B.カンバーバッチは、分かりやすく(しかしやりすぎではない)特異な人物としてチューリングを表現、映画で天才を現すならシンプルな表現だった。時々、目標に向って一直線なあたりが、私には、きもちわるいひと、に一瞬見える。私は感情で受け止めてしまうから。
チューリングとチームを取り持ったキーラ・ナイトレイ。久々に可愛らしい役でよかった。「ラブ・アクチュアリー」以来の可愛さだった。彼女が心とともに理性で真正面で受け止めているあたりで、バランスがとられていたと思う。
刑事役で登場のローリー・キニアも良かった。彼が演じているとその人物に血肉が通います。救いたい、と申し出たけれど、チューリングはうまく立ち回るなんてしないし、男たちのゲスい感情もあって、男娼を買った罪で有罪になってしまった。
いまこうやって一般人が仕組みもわからず使っているもの、コンピュータの基礎を作った人物である、とラストに書かれており、この偉大すぎる功績は、偉大すぎて当時の世界では理解できる人間はわずかしかいなかったのだなと痛感する。
理解できないからといって、変人扱いして簡単に遠ざけたりしてはいけないんだな・・・
難しいけれど。
最終的には、人権問題だよね・・・としみじみ哀しくなって映画館を出たのだった。
2015/04/05
『Kill Your Darlings』
2013
Director: John Krokidas
Writers: Austin Bunn (screenplay), Austin Bunn (story)
Stars: Daniel Radcliffe, Dane DeHaan, Michael C. Hall, Jack Huston
ギンズバーグってこんな可愛かったっけ・・・(もじゃもじゃのすごいメガネのイメージだから) ま、お話はお話。
美青年の魅力は、周囲も本人自身をも食い物にして消費して吸い尽くしてしまうのね、ああ、そしてブサイクなほうが生命力強いのだよ。ラドクリフはブサイクじゃなかったけど。
ようやくハリー・ポッターに見えないラドクリフでした。デハーンって、いじめたくなるような翳りがあって、この役にぴったり。芸術の混沌というよりも、青年たちの欲望や自制のきかなさ、弱さと自尊心が入り乱れる、そんなある一時の物語でした。
汚く描こうとすれば、どこまでも汚くなりそうな話を、すっきりとした画で描いていて、ひどい気分になったりはしない。
また、当時の学生たちの服装とかインテリア、もろもろが好みでした。
ビートニクの文学はちょっと避けてきたところがあって、ドラッグとかヒッピーとか? 若いうちに読んでおくべきだったのかなぁ いま、読んでみたらどうだろうか。
Director: John Krokidas
Writers: Austin Bunn (screenplay), Austin Bunn (story)
Stars: Daniel Radcliffe, Dane DeHaan, Michael C. Hall, Jack Huston
ギンズバーグってこんな可愛かったっけ・・・(もじゃもじゃのすごいメガネのイメージだから) ま、お話はお話。
美青年の魅力は、周囲も本人自身をも食い物にして消費して吸い尽くしてしまうのね、ああ、そしてブサイクなほうが生命力強いのだよ。ラドクリフはブサイクじゃなかったけど。
ようやくハリー・ポッターに見えないラドクリフでした。デハーンって、いじめたくなるような翳りがあって、この役にぴったり。芸術の混沌というよりも、青年たちの欲望や自制のきかなさ、弱さと自尊心が入り乱れる、そんなある一時の物語でした。
汚く描こうとすれば、どこまでも汚くなりそうな話を、すっきりとした画で描いていて、ひどい気分になったりはしない。
また、当時の学生たちの服装とかインテリア、もろもろが好みでした。
ビートニクの文学はちょっと避けてきたところがあって、ドラッグとかヒッピーとか? 若いうちに読んでおくべきだったのかなぁ いま、読んでみたらどうだろうか。
2015/03/15
『ダラス・バイヤーズ・クラブ』
Dallas Buyers Club 2013
Matthew McConaughey
Jennifer Garner
Jared Leto
Directed /Jean-Marc Vallée
エイズが同性愛者特有のものだなどと言われていた1985年、エイズの診断で余命30日の宣告をされた男のその後7年間の戦いのドラマ。
アカデミー賞 主演男優賞、助演男優賞、メイクヘアスタイリング賞 受賞。
汗とビールと女にまみれた冒頭の主人公が、生きてやる、の根性のままに病気と薬をリサーチし、アメリカ国内で入手できないとわかると、メキシコのもぐりの医師から調達。自分もそれを使いつつ、国内で売りさばくビジネスもはじめる。日々を適当に暮らしてそうにみえた男が、案外と生きたいという欲望には素直で、薬も止め、健康的な食事に気をつかうようにもなるのが面白い逆転だった。
ゲイ差別にくわえ、エイズ患者への差別もひどいし、土地柄もゲイへの差別が強いところだから、ビジネスパートナーになるレイヨンとの友情のようなものが生まれる過程は、ほろっとする。
両俳優ともに、ものすごい減量で見た目から訴えるインパクトが激しい。体力がなくなっていく様が、演技を超えたもの(実体験だから)。アカデミー賞は体を張った演技好きね。
悪くなかったけど、もし減量したことに対しての賞だったらガッカリだ。
演技でいえば、助演のジャレット・レトのほうが見栄えしてたと思う。マコノヒーは激しい人生となった男にしては、とても冷静な目をしていた。そういう役作りだったのか?
ジェニファー・ガーナーを久々に見たが、優しさと知性が落ち着いた雰囲気に収まっていて、良かった。
舞台となっているテキサス、何もかもを無化してしまうような雰囲気があるのは、どうしてだろう。オレルールが通りそうな気がしてしまう。
製薬会社の利害、医者の利害、政府の対応が患者を置き去りにしている。これが男の生きたい欲求を邪魔してしまう。
結局、製薬会社の押す薬は副作用も効き目も強すぎて免疫をこわしてしまうことが分かり、もぐりの医者のすすめる薬で彼は生き延びられた。7年。何を選択するか自分のことなのに、蚊帳の外に置かれているのはもどかしい。
耳鳴りの症状が、体調悪化すると登場し、効果音としてキーンという音が入っていたのだが、これが直感的に観客側にも辛さの一部を体験させていた。私も耳鳴りするので、これは辛い症状だと思う。
日本の研究所にまで来た場面が、何だかツライ。こんな遠くにまで来たのか・・・
Matthew McConaughey
Jennifer Garner
Jared Leto
Directed /Jean-Marc Vallée
エイズが同性愛者特有のものだなどと言われていた1985年、エイズの診断で余命30日の宣告をされた男のその後7年間の戦いのドラマ。
アカデミー賞 主演男優賞、助演男優賞、メイクヘアスタイリング賞 受賞。
汗とビールと女にまみれた冒頭の主人公が、生きてやる、の根性のままに病気と薬をリサーチし、アメリカ国内で入手できないとわかると、メキシコのもぐりの医師から調達。自分もそれを使いつつ、国内で売りさばくビジネスもはじめる。日々を適当に暮らしてそうにみえた男が、案外と生きたいという欲望には素直で、薬も止め、健康的な食事に気をつかうようにもなるのが面白い逆転だった。
ゲイ差別にくわえ、エイズ患者への差別もひどいし、土地柄もゲイへの差別が強いところだから、ビジネスパートナーになるレイヨンとの友情のようなものが生まれる過程は、ほろっとする。
両俳優ともに、ものすごい減量で見た目から訴えるインパクトが激しい。体力がなくなっていく様が、演技を超えたもの(実体験だから)。アカデミー賞は体を張った演技好きね。
悪くなかったけど、もし減量したことに対しての賞だったらガッカリだ。
演技でいえば、助演のジャレット・レトのほうが見栄えしてたと思う。マコノヒーは激しい人生となった男にしては、とても冷静な目をしていた。そういう役作りだったのか?
ジェニファー・ガーナーを久々に見たが、優しさと知性が落ち着いた雰囲気に収まっていて、良かった。
舞台となっているテキサス、何もかもを無化してしまうような雰囲気があるのは、どうしてだろう。オレルールが通りそうな気がしてしまう。
製薬会社の利害、医者の利害、政府の対応が患者を置き去りにしている。これが男の生きたい欲求を邪魔してしまう。
結局、製薬会社の押す薬は副作用も効き目も強すぎて免疫をこわしてしまうことが分かり、もぐりの医者のすすめる薬で彼は生き延びられた。7年。何を選択するか自分のことなのに、蚊帳の外に置かれているのはもどかしい。
耳鳴りの症状が、体調悪化すると登場し、効果音としてキーンという音が入っていたのだが、これが直感的に観客側にも辛さの一部を体験させていた。私も耳鳴りするので、これは辛い症状だと思う。
日本の研究所にまで来た場面が、何だかツライ。こんな遠くにまで来たのか・・・
2014/12/07
『インターステラー』
Interstellar 2014
Matthew McConaughey
Anne Hathaway
Jessica Chastain
Bill Irwin
Ellen Burstyn
Michael Caine
Matt Damon
Director/Christopher Nolan
Music/Hans Zimmer
映画館で見るのに相応しいスケールの映画、冒頭に老人たちのインタビューがあるせいもあって、全体的にドキュメンタリな雰囲気あり。しかもNHKの科学番組みたいに、現在の科学が考える宇宙空間の表現に手ごたえというか、現実感があるのがスゴイ。
ノーラン&音楽がハンス・ジマーだったのでもっとドカーンと盛り上げてくるのかと思いきや、詩情豊かにむしろ静寂を大事に美しい宇宙空間の映像にそっと寄り添う音楽でした。やるなー。
縦軸には、もちろん主人公マコノヒー演じるクーパーと、娘マーフとの強い絆があります。いつ帰ってくるかも分からない(帰ってこれないかも)ミッションに参加すると決めた父への失望、怒りできちんと挨拶しないまま離れ離れになってしまった父娘。父は遠い宇宙で、娘は地球で、自分たちが生きる人類を絶やさないことを目標に頑張ります。
・エンジニアでNASAパイロットの父。すごい秀才でした。相対性理論もいちおう分かってるよらしい。すごい。娘にも理論的に思考することを日々説いてます。で、これがのちのちの伏線に。
・娘の成長した姿が、ジェシカ・チャスティン。砂嵐のなか立つ姿は『ゼロ・ダーク・サーティ』を思い出させ、チャスティンなら絶対にやり遂げるだろうという期待がますます高まります。不屈の女にぴったりの闘士の顔。
地球滅亡から人類を救うための新天地を探すという、途方もないミッションと、父娘の愛情という個人的な物語が、破綻なく無理なくラストで合流するあたり、私も“ユリイカ!!”と叫びたくなる衝動に駆られました。いろいろ困難がありすぎて、地球にいたころの話のことに気を向けてませんでしたが、そうなのねーという繋がった!嬉しさ。
『インセプション』でも構造解説の場面が好きですが、あの5次元空間は、ハイライトでしょうか。次元を超えられる存在・・・の一端をクーパーは感じて、メッセージを送ります。ここで簡単に会えないのがツライ。STAY! このあたりは、いわゆる日本版宣伝の肝になる場面でしょう。素直に泣いた。
ただ、泣く、ということ以上に映像がきれいなのが、素晴らしい点。人間の崇高さも声高にではないけれど、信頼すべきものだと訴えている。
ところで、小学生くらいのころに読んだ4次元世界に突如飛ばされる男の話、非常におどろいどろしい表紙で、怖かったことだけが記憶に残っている。読み直したいけど、当時ですら黄ばんでいた本なので難しそうなのですが。つまり文字で4次元、5次元の話を読むのは分かりにくく、かつ何だか恐ろしいものだとずっと思ってきたのです。
でもこの映画のお陰で、ちょっと恐怖が薄れたかも。
ブランドは、クーパーがガルガンチュアで自分を生かすために離脱していったのを見ているので、クーパーが自分を迎えには来ないと知っているが、地球から誰かが迎えにくると希望を繋ぐ場面です。来ないかもしれない・・・というか、来ないほうに賭ける、という場面ですが、ブランドの表情は哀しそうでもあり嬉しそうでもあり。
ところで、事前の出演者情報にはあまり目だってなかった、マット・デイモンがオイシイ役で登場してきました。氷の惑星で、生存可能な星であると嘘の報告を地球に送ってスリープしてた科学者、マン役です。
他の場面では丈夫だなあと思う宇宙服が、なんと人間同士、マン博士とクーパーが頭突きしあうと、ヘルメットの前面が割れて空気が漏れ出す(&アンモニアの多い惑星の空気が入ってくる)緊急事態。そんなゴッツンゴッツンしただけで、ヒビ割れてしまうの??
怖いわ・・・ ちょっと笑っちゃった。
これと思った惑星が住むには相応しくないと知って(この旅は一方通行なので帰還できない)、自分の生存のため、自分の欲のため、嘘をついてしまった人間。父ブランド博士も死に際に懺悔しますが、人間の弱さを感じさせる二名のあり方でした。
マイケル・ケインが飛び立つクルーに向って詠唱する詩、これが危険な任務につくものたちへの励まし?と思って聞いていたら、クーパーの危機においては、まさしく鼓舞する詩となり、悔しいがカッコいい。
作者が詠んでいるのがあった。いい声!
しかも、宇宙船乗っ取ろうとして母船破壊する悪行の限りをつくしてしまうマン博士。すごい隠し玉でしたね。なにもかもをぶち壊し、破壊王であった。
地球の自分と同じ年になっている娘マーフから、人類は救われないのだとブランド博士が知っていたことを知らされ、大ショックのあとも、まだ可能性はあるかもしれないと希望を捨てないクーパーらがカッコよかった。よくアメリカ映画ではパニックになって騒ぐ人が登場するが、クーパーとブランドは選ばれし者であって、冷静に最善を尽くそうとします。宇宙に飛び立つ人はこうでなくては。
輪になる感じ、きっとどこかで何か見ているはず・・・という既視感が強かったのですが、何なのか全く思い出せません。終ってみれば、ものすごく奇をてらった話ではなく、むしろあり得る物語として製作されたことが、SF映画として考えた場合、ものすごく深いなと感動が起こってくる。秘密道具もなしで、現実感を失わずにSF映画を作ったノーラン監督、やったなー!
ものすごく冒険してるのに、冒険モノというよりも科学的な面が心に残るとかね。
それから。あのロボットたちが可愛すぎるうえに、ブランドを助けに来るすばやさには海兵隊員のマッチョぶりも備わっていて、もうもう! 我が家にも一体欲しいです。ミニチュアあったら飾りたい。あの造形は素晴らしいアイデアだ。TARSとCASE、名前もかっこいい。
Matthew McConaughey
Anne Hathaway
Jessica Chastain
Bill Irwin
Ellen Burstyn
Michael Caine
Matt Damon
Director/Christopher Nolan
Music/Hans Zimmer
映画館で見るのに相応しいスケールの映画、冒頭に老人たちのインタビューがあるせいもあって、全体的にドキュメンタリな雰囲気あり。しかもNHKの科学番組みたいに、現在の科学が考える宇宙空間の表現に手ごたえというか、現実感があるのがスゴイ。
ノーラン&音楽がハンス・ジマーだったのでもっとドカーンと盛り上げてくるのかと思いきや、詩情豊かにむしろ静寂を大事に美しい宇宙空間の映像にそっと寄り添う音楽でした。やるなー。
日本の広報としては、父子愛の物語をメインに宣伝していて、間違いではないけれど、雨中へのロマン、未知なる世界への憧れを掻き立てるような宣伝もしてほしい。
縦軸には、もちろん主人公マコノヒー演じるクーパーと、娘マーフとの強い絆があります。いつ帰ってくるかも分からない(帰ってこれないかも)ミッションに参加すると決めた父への失望、怒りできちんと挨拶しないまま離れ離れになってしまった父娘。父は遠い宇宙で、娘は地球で、自分たちが生きる人類を絶やさないことを目標に頑張ります。
・エンジニアでNASAパイロットの父。すごい秀才でした。相対性理論もいちおう分かってるよらしい。すごい。娘にも理論的に思考することを日々説いてます。で、これがのちのちの伏線に。
・娘の成長した姿が、ジェシカ・チャスティン。砂嵐のなか立つ姿は『ゼロ・ダーク・サーティ』を思い出させ、チャスティンなら絶対にやり遂げるだろうという期待がますます高まります。不屈の女にぴったりの闘士の顔。
地球滅亡から人類を救うための新天地を探すという、途方もないミッションと、父娘の愛情という個人的な物語が、破綻なく無理なくラストで合流するあたり、私も“ユリイカ!!”と叫びたくなる衝動に駆られました。いろいろ困難がありすぎて、地球にいたころの話のことに気を向けてませんでしたが、そうなのねーという繋がった!嬉しさ。
『インセプション』でも構造解説の場面が好きですが、あの5次元空間は、ハイライトでしょうか。次元を超えられる存在・・・の一端をクーパーは感じて、メッセージを送ります。ここで簡単に会えないのがツライ。STAY! このあたりは、いわゆる日本版宣伝の肝になる場面でしょう。素直に泣いた。
ただ、泣く、ということ以上に映像がきれいなのが、素晴らしい点。人間の崇高さも声高にではないけれど、信頼すべきものだと訴えている。
ところで、小学生くらいのころに読んだ4次元世界に突如飛ばされる男の話、非常におどろいどろしい表紙で、怖かったことだけが記憶に残っている。読み直したいけど、当時ですら黄ばんでいた本なので難しそうなのですが。つまり文字で4次元、5次元の話を読むのは分かりにくく、かつ何だか恐ろしいものだとずっと思ってきたのです。
でもこの映画のお陰で、ちょっと恐怖が薄れたかも。
最後、アン・ハサウェイ演じるブランドがひとりついに見つけたかの惑星で、恋人を埋葬し、長い眠りにつこうという場面。宇宙服のマスクは取られ、空気も清浄であることが示されています。こここそ、みなが求めた新天地。
ブランドは、クーパーがガルガンチュアで自分を生かすために離脱していったのを見ているので、クーパーが自分を迎えには来ないと知っているが、地球から誰かが迎えにくると希望を繋ぐ場面です。来ないかもしれない・・・というか、来ないほうに賭ける、という場面ですが、ブランドの表情は哀しそうでもあり嬉しそうでもあり。
ところで、事前の出演者情報にはあまり目だってなかった、マット・デイモンがオイシイ役で登場してきました。氷の惑星で、生存可能な星であると嘘の報告を地球に送ってスリープしてた科学者、マン役です。
他の場面では丈夫だなあと思う宇宙服が、なんと人間同士、マン博士とクーパーが頭突きしあうと、ヘルメットの前面が割れて空気が漏れ出す(&アンモニアの多い惑星の空気が入ってくる)緊急事態。そんなゴッツンゴッツンしただけで、ヒビ割れてしまうの??
怖いわ・・・ ちょっと笑っちゃった。
これと思った惑星が住むには相応しくないと知って(この旅は一方通行なので帰還できない)、自分の生存のため、自分の欲のため、嘘をついてしまった人間。父ブランド博士も死に際に懺悔しますが、人間の弱さを感じさせる二名のあり方でした。
マイケル・ケインが飛び立つクルーに向って詠唱する詩、これが危険な任務につくものたちへの励まし?と思って聞いていたら、クーパーの危機においては、まさしく鼓舞する詩となり、悔しいがカッコいい。
しかも、宇宙船乗っ取ろうとして母船破壊する悪行の限りをつくしてしまうマン博士。すごい隠し玉でしたね。なにもかもをぶち壊し、破壊王であった。
地球の自分と同じ年になっている娘マーフから、人類は救われないのだとブランド博士が知っていたことを知らされ、大ショックのあとも、まだ可能性はあるかもしれないと希望を捨てないクーパーらがカッコよかった。よくアメリカ映画ではパニックになって騒ぐ人が登場するが、クーパーとブランドは選ばれし者であって、冷静に最善を尽くそうとします。宇宙に飛び立つ人はこうでなくては。
輪になる感じ、きっとどこかで何か見ているはず・・・という既視感が強かったのですが、何なのか全く思い出せません。終ってみれば、ものすごく奇をてらった話ではなく、むしろあり得る物語として製作されたことが、SF映画として考えた場合、ものすごく深いなと感動が起こってくる。秘密道具もなしで、現実感を失わずにSF映画を作ったノーラン監督、やったなー!
ものすごく冒険してるのに、冒険モノというよりも科学的な面が心に残るとかね。
それから。あのロボットたちが可愛すぎるうえに、ブランドを助けに来るすばやさには海兵隊員のマッチョぶりも備わっていて、もうもう! 我が家にも一体欲しいです。ミニチュアあったら飾りたい。あの造形は素晴らしいアイデアだ。TARSとCASE、名前もかっこいい。
2014/04/29
『LIFE!』
2013年 LIFE!
☆☆☆☆☆
ベン・スティラー/製作・監督・主演
クリステン・ウィグ、ショーン・ペン、シャーリー・マクレーン、アダム・スコット、
パットン・オズワルト、キャスリーン・ハーン
こういう映画が好きだ。普通のひとの、素敵な出来事。ベン・スティラーのプロフィール見て今、いま気づいた。『リアリティ・バイツ』監督したということに。好きだったなぁ
すっかりベン・スティラーも好きになった。
白髪まじりの短めヘア、節制してるよねという体型も素敵だ。
キャラ設定も、いい年して、空想。妄想が止まらないところなど、オレのことか・・・と前のめりになってしまう。
ヒマラヤでも携帯電話がつながる時代に、探す写真家にだけ会えない設定も、シンプルながら人と人のつながりについての変化を見せるうまさ。
そうそう、だってほんの少し前までは、こうだった。
兼高かおるさんの番組にときめいた日曜日の朝みたいに、ドキドキしながら主人公・ウォルターの冒険を見守った。
世界は広いし、誰かとつながることも、簡単じゃない。
スケボーが超絶うまい設定には、そんな隠し玉が・・・!(うらやましい) だけど、誰にでも得意なことあるでしょって言ってもらったとしよう。あったかな。
ショーン・ペンがまた追いかけたくなるようなカッコいい写真家で、ほとんどラストにようやく出会うところでしか登場しない奥ゆかしさ。
こういうカッコいい男に、君のおかげだ、信頼していた、と言われる喜びといったら、これまでの仕事すべてが報われるとはこのことかという感動だ。
認められ、必要とされる仕事をしたいっていうのは、誰にもある欲求ではあるけれど、なかなか叶えられないことも多いかと思う。ウォルターのように大事な仕事だけど表に出ないような業種だと特に。
その一歩がなかなか難しいんだ、と思いながらも、もしかして、何かのときに私の背中を押してくれるんじゃないか?と思うような素敵な作品でした。
シャーリー・マクレーン演じるママもチャーミングでした。家族が温かそうなのも、ほっとする点だったな。
音楽も素敵。Jose GonzalezのStep Up 壮大なイメージのオープニングでカッコイイ。サントラ買おうかしら。
そしてウォルターを揶揄ったり、勇気づける歌にはDavid Bowie のSpace Oddity
Jack Johnson1 も使われていて、私好み、ど真ん中すぎ。
映像的には、アイスランド、グリーンランド、ヒマラヤ。人気のない風景の清々しさ。
ヒマラヤ登山には少々軽装じゃないかと心配したけど、映画だからね。あんな高地でサッカーなんか、私には到底できないですが、映画だから許す。というか、ここの場面までの流れが良かったので、全然気にならないわ。
視点が空から、地面から、水平、潔い構成なのもすっきりしてます。ライフ社の会社前の俯瞰映像も、きれいでした。タイトルをOP映像にはめ込んでくるのも、押し付けがましくないオシャレ具合でにくいぞー、ベン・スティラー。
衣装も好みでなー。何もかも好きだ。
☆☆☆☆☆
ベン・スティラー/製作・監督・主演
クリステン・ウィグ、ショーン・ペン、シャーリー・マクレーン、アダム・スコット、
パットン・オズワルト、キャスリーン・ハーン
こういう映画が好きだ。普通のひとの、素敵な出来事。ベン・スティラーのプロフィール見て今、いま気づいた。『リアリティ・バイツ』監督したということに。好きだったなぁ
すっかりベン・スティラーも好きになった。
白髪まじりの短めヘア、節制してるよねという体型も素敵だ。
キャラ設定も、いい年して、空想。妄想が止まらないところなど、オレのことか・・・と前のめりになってしまう。
ヒマラヤでも携帯電話がつながる時代に、探す写真家にだけ会えない設定も、シンプルながら人と人のつながりについての変化を見せるうまさ。
そうそう、だってほんの少し前までは、こうだった。
兼高かおるさんの番組にときめいた日曜日の朝みたいに、ドキドキしながら主人公・ウォルターの冒険を見守った。
世界は広いし、誰かとつながることも、簡単じゃない。
スケボーが超絶うまい設定には、そんな隠し玉が・・・!(うらやましい) だけど、誰にでも得意なことあるでしょって言ってもらったとしよう。あったかな。
ショーン・ペンがまた追いかけたくなるようなカッコいい写真家で、ほとんどラストにようやく出会うところでしか登場しない奥ゆかしさ。
こういうカッコいい男に、君のおかげだ、信頼していた、と言われる喜びといったら、これまでの仕事すべてが報われるとはこのことかという感動だ。
認められ、必要とされる仕事をしたいっていうのは、誰にもある欲求ではあるけれど、なかなか叶えられないことも多いかと思う。ウォルターのように大事な仕事だけど表に出ないような業種だと特に。
その一歩がなかなか難しいんだ、と思いながらも、もしかして、何かのときに私の背中を押してくれるんじゃないか?と思うような素敵な作品でした。
シャーリー・マクレーン演じるママもチャーミングでした。家族が温かそうなのも、ほっとする点だったな。
音楽も素敵。Jose GonzalezのStep Up 壮大なイメージのオープニングでカッコイイ。サントラ買おうかしら。
そしてウォルターを揶揄ったり、勇気づける歌にはDavid Bowie のSpace Oddity
Jack Johnson1 も使われていて、私好み、ど真ん中すぎ。
映像的には、アイスランド、グリーンランド、ヒマラヤ。人気のない風景の清々しさ。
ヒマラヤ登山には少々軽装じゃないかと心配したけど、映画だからね。あんな高地でサッカーなんか、私には到底できないですが、映画だから許す。というか、ここの場面までの流れが良かったので、全然気にならないわ。
視点が空から、地面から、水平、潔い構成なのもすっきりしてます。ライフ社の会社前の俯瞰映像も、きれいでした。タイトルをOP映像にはめ込んでくるのも、押し付けがましくないオシャレ具合でにくいぞー、ベン・スティラー。
衣装も好みでなー。何もかも好きだ。
2014/04/13
『マグノリア』
1999年 Magnolia
監督/Paul Thomas Anderson
封切り時に見たはずだけど、全然内容は覚えていなかった。というわけで新鮮な気持ちで鑑賞。
出演者はじめ、Paul Thomas Anderson監督は好きなんだと思う。イケてない(なさ過ぎない)人々が多く描かれるところとか、音楽とか。表情アップも多いと思うけど、あんまりイヤじゃないのも不思議。
カタルシスのない普通の人の一日を切り取る取った場合の、映画的なカタルシスが蛙なのか。蛙が降ったからハッピーになったとか、不幸になったとかではなくて、何かのきっかけになったかもしれないけれど、ただそれだけ、という全ての価値が対等に扱われている感じだ。
公開時の扱いは、エンタメ映画とは違うぜという雰囲気だったと思うのだが、いま見直してみると、重々しい出来ではないあたりが、程よい見易さかと思う。
イケイケで語るトム・クルーズが可愛いし。
先日亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンもいい。
少しずつ、少しずつ追い詰められていく人々を淡々と見せていきます。
上映時間は3時間越えで、これは退屈、という感想も多かった。考えてみると、ジュリアン・ムーアの役がよく見るハリウッド女優ぶち切れ演技だったものの、他は静かにキレる人が多くて、その点も退屈さを感じさせてしまう要因だったかと。
じわじわと、何気ないことでも大事件でも、とにかく自分の過去と自分自身からは逃れられず、その体を持って生きていくしかない。
こんなに愛があふれているのに、与える相手がいない、と嘆く元子供クイズ王の嘆きは、最後の最後で胸を打つセリフだった。
与えられる相手がいるのは幸せね。
何でタイトルがマグノリアなのか・・・知りたい。
監督/Paul Thomas Anderson
封切り時に見たはずだけど、全然内容は覚えていなかった。というわけで新鮮な気持ちで鑑賞。
出演者はじめ、Paul Thomas Anderson監督は好きなんだと思う。イケてない(なさ過ぎない)人々が多く描かれるところとか、音楽とか。表情アップも多いと思うけど、あんまりイヤじゃないのも不思議。
カタルシスのない普通の人の一日を切り取る取った場合の、映画的なカタルシスが蛙なのか。蛙が降ったからハッピーになったとか、不幸になったとかではなくて、何かのきっかけになったかもしれないけれど、ただそれだけ、という全ての価値が対等に扱われている感じだ。
公開時の扱いは、エンタメ映画とは違うぜという雰囲気だったと思うのだが、いま見直してみると、重々しい出来ではないあたりが、程よい見易さかと思う。
イケイケで語るトム・クルーズが可愛いし。
先日亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンもいい。
少しずつ、少しずつ追い詰められていく人々を淡々と見せていきます。
上映時間は3時間越えで、これは退屈、という感想も多かった。考えてみると、ジュリアン・ムーアの役がよく見るハリウッド女優ぶち切れ演技だったものの、他は静かにキレる人が多くて、その点も退屈さを感じさせてしまう要因だったかと。
じわじわと、何気ないことでも大事件でも、とにかく自分の過去と自分自身からは逃れられず、その体を持って生きていくしかない。
こんなに愛があふれているのに、与える相手がいない、と嘆く元子供クイズ王の嘆きは、最後の最後で胸を打つセリフだった。
与えられる相手がいるのは幸せね。
何でタイトルがマグノリアなのか・・・知りたい。
2014/04/06
『世界にひとつのプレイブック』
Silver Linings Playbook 2012
監督/デヴィッド・O・ラッセル
ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、
ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー
クリス・タッカー
☆☆☆☆
妻の浮気現場で躁うつ病の爆発が起こって、浮気相手をめった打ちにしたパット(B・クーパー)と夫を亡くしたショックで会社中の人間と寝てクビになった、というティファニー(J・ローレンス)を軸に、
ラッキーアイテム病の父(デ・ニーロ)、優しい母(ウィーヴァー)や友人、主治医とのかかわりのなかで病気から快復していく姿を描く。
邦題が悪い。
「プレイブック」がアメフトのフォーメーションを書いた本だなんて、調べないと(映画見ても)分からなかったもの。アメフト狂いの父にちなんで、希望をつかむための戦術本、ってことなんですね。
見るまでは、病んだ人々が演劇セラピーで立ち直る話なのかと思ってました。プレイ、だから演劇かと。
アメフトを知ってる人しか意味がつかめないので、もう少しマシな邦題にしておいてほしかった。
病んでるパットが痛々しくて、海外の映画館では爆笑が起こったとか信じられないのですが本当か。彼が自分の家族だったらツライよー。妄想で同僚と妻を訴えて、何かが気になるとどうしても完遂しなければ大声でわめく。ああ、ツライ。
それに比べたら、ティファニーは自分自身を痛めつける系の病み方で、同じように痛々しいものの、それでも自分を受け入れるというところまで既に快復してるので、少しは楽でした。
同じ苦しみを経験している者同士、お互いを尊敬しあって支えられる二人に成長していきます。
B・クーパーやクリス・タッカーの表情がハイなあたりで停止している真顔(目が見開いている)が、真に迫る病んでるなぉという表情でした。
青い目とチャーミングな顔立ちが、これまた
アメフト競技場に暴力事件を起こして立ち入り禁止で、かつ迷信、きっちり病の(病気ではないけど)父と、入院措置の息子パットとの違いはわずか。わずかだけど、越えてしまったものは痛々しいのだった。父は、イタイ人。息子は痛々しい人。
J・ローレンスのティファニー、基本的には静かで我慢強い人を好演。我慢できるから、辛くなって誰彼かまわず寝る、という行動に出てしまうのでしょう。
初めてこの方の演技を観たけれど、確かにこれはアカデミー賞取るなぁといういい俳優です。ダンス会場でパットの妻を見たときの怒りが沸騰してくる表情、100点! 声が低めなのも、いいですね。キイキイいわなくていいわ。
ダンス練習場面でふわふわ揺れる胸が、ほんときれいだったなぁ 若い娘さんのふわふわ・・・
筋肉もあるけど、脂肪もついててキレイよー。
ラストで普通にロマコメ展開になったのは、アメリカ人だから仕方ないねと思うけれど。私の好みは、アイラブユーって言わないで済ませてほしかった。
言わなくて伝わってる、という二人を見たかった。
監督/デヴィッド・O・ラッセル
ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、
ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー
クリス・タッカー
☆☆☆☆
妻の浮気現場で躁うつ病の爆発が起こって、浮気相手をめった打ちにしたパット(B・クーパー)と夫を亡くしたショックで会社中の人間と寝てクビになった、というティファニー(J・ローレンス)を軸に、
ラッキーアイテム病の父(デ・ニーロ)、優しい母(ウィーヴァー)や友人、主治医とのかかわりのなかで病気から快復していく姿を描く。
邦題が悪い。
「プレイブック」がアメフトのフォーメーションを書いた本だなんて、調べないと(映画見ても)分からなかったもの。アメフト狂いの父にちなんで、希望をつかむための戦術本、ってことなんですね。
見るまでは、病んだ人々が演劇セラピーで立ち直る話なのかと思ってました。プレイ、だから演劇かと。
アメフトを知ってる人しか意味がつかめないので、もう少しマシな邦題にしておいてほしかった。
病んでるパットが痛々しくて、海外の映画館では爆笑が起こったとか信じられないのですが本当か。彼が自分の家族だったらツライよー。妄想で同僚と妻を訴えて、何かが気になるとどうしても完遂しなければ大声でわめく。ああ、ツライ。
それに比べたら、ティファニーは自分自身を痛めつける系の病み方で、同じように痛々しいものの、それでも自分を受け入れるというところまで既に快復してるので、少しは楽でした。
同じ苦しみを経験している者同士、お互いを尊敬しあって支えられる二人に成長していきます。
B・クーパーやクリス・タッカーの表情がハイなあたりで停止している真顔(目が見開いている)が、真に迫る病んでるなぉという表情でした。
青い目とチャーミングな顔立ちが、これまた
アメフト競技場に暴力事件を起こして立ち入り禁止で、かつ迷信、きっちり病の(病気ではないけど)父と、入院措置の息子パットとの違いはわずか。わずかだけど、越えてしまったものは痛々しいのだった。父は、イタイ人。息子は痛々しい人。
J・ローレンスのティファニー、基本的には静かで我慢強い人を好演。我慢できるから、辛くなって誰彼かまわず寝る、という行動に出てしまうのでしょう。
初めてこの方の演技を観たけれど、確かにこれはアカデミー賞取るなぁといういい俳優です。ダンス会場でパットの妻を見たときの怒りが沸騰してくる表情、100点! 声が低めなのも、いいですね。キイキイいわなくていいわ。
ダンス練習場面でふわふわ揺れる胸が、ほんときれいだったなぁ 若い娘さんのふわふわ・・・
筋肉もあるけど、脂肪もついててキレイよー。
ラストで普通にロマコメ展開になったのは、アメリカ人だから仕方ないねと思うけれど。私の好みは、アイラブユーって言わないで済ませてほしかった。
言わなくて伝わってる、という二人を見たかった。
2014/04/01
『L.A. ギャングストーリー』
Gangster Squad 2013年 アメリカ
監督/ルーベン・フライシャー
ジョシュ・ブローリン、ライアン・ゴズリング、ニック・ノルティ、エマ・ストーン、ショーン・ペン
ミレイユ・イーノス
☆☆☆
実話がベースになっているとのこと。戦後まもなくのLA、暗黒街を牛耳るミッキー・コーエンの組織を壊滅させるために、非公式の組織が警察内につくられた。
生死は問わないということで、警官でつくった自警団ってところか。
グループを作り、コーエンを追い詰めるところまではテンションあがる展開。
最後は、なぜかコーエンと素手で殴りあう青春映画のようになっていたのが肩透かしでした。二人ともどうしたの? 警官としてなら、逮捕すればいい。そもそも逮捕状持っていったんだから、逮捕しなよ。あれは、どういう意図があってあの展開になったのやら。
映像的には、スタイリッシュを目指してなさそうなのに、時々かっこつける映像が入るのが面白かった。不思議なバランスがあったわ。
エレベータの箱の外に手を出させて、手を轢いてぶち切れさせるのは初めて見たかも。コーエンの残虐を見せるためか、昔の処刑みたいに手足を両方から車で引っ張らせて胴体真っ二つの刑・・・ぎゃー。
コーエンの女に恋する警官(ライアン・ゴズリング)が最初は世渡りしていこうぜ的な風を装っていたのに、靴磨きの少年が銃撃の流れ弾で死んでしまって、急にオレもやるぜになるベタな展開は愛嬌で。他にもとことんベタな展開なわりに面白かったのは、かっこつけきれない監督の自意識のおかだったのかしら。残虐なのに、なんかバカで笑える感じなの。
カッコよかったのは、リーダーのオマラ(ジョシュ・ブローリン)の妻。ヒーローより夫が必要なの、生まれてくる子供のためにも、危ないことはやめてとかいいつつ。
夫の決意が変わらぬとみるや自らチーム人選に乗り出し、いかに夫を支え守ってくれるかどうかで選ぶ。成績優秀な出世中の警官は、真っ先にコーエンが買収してるだろうから、一匹狼がいい等という。勉強になります、奥様。
オマラが自宅に急行して飛び込んだら、床には血の跡。奥様が!とショック受けてたら、逞しい奥様はバスタブ内でお子様を自力で産んでいた模様。
銃はもたないけど、この奥様と目撃証言をした愛人の二人こそ、強かった。
盗聴担当のマイホームパパがコーエンの返り撃ちにあって死んでしまう。彼はオマラのやり方が荒すぎると言っていて、オマラもそれは聞いてくれてたが、結局正義は自分のほうだと思って使う暴力は、素直に正当化するオマラたち。甘いこと言ってんじゃねぇと怒られそう。
さすがアメリカ人の考えることは違うなぁ
ギャングとの抗争なら、やっぱり『アンタッチャブル』がカッコイイし、物語もうまくできてたけれど、強いものが正義と胸を張る人たちの映画もまた、そうですか・・・と面白いものだと思う。
あと、なかなかの邦題でしたね。わざとクラシカルな邦題風にしたのだろう、とポジティブに捉えておきます。
監督/ルーベン・フライシャー
ジョシュ・ブローリン、ライアン・ゴズリング、ニック・ノルティ、エマ・ストーン、ショーン・ペン
ミレイユ・イーノス
☆☆☆
実話がベースになっているとのこと。戦後まもなくのLA、暗黒街を牛耳るミッキー・コーエンの組織を壊滅させるために、非公式の組織が警察内につくられた。
生死は問わないということで、警官でつくった自警団ってところか。
グループを作り、コーエンを追い詰めるところまではテンションあがる展開。
最後は、なぜかコーエンと素手で殴りあう青春映画のようになっていたのが肩透かしでした。二人ともどうしたの? 警官としてなら、逮捕すればいい。そもそも逮捕状持っていったんだから、逮捕しなよ。あれは、どういう意図があってあの展開になったのやら。
映像的には、スタイリッシュを目指してなさそうなのに、時々かっこつける映像が入るのが面白かった。不思議なバランスがあったわ。
エレベータの箱の外に手を出させて、手を轢いてぶち切れさせるのは初めて見たかも。コーエンの残虐を見せるためか、昔の処刑みたいに手足を両方から車で引っ張らせて胴体真っ二つの刑・・・ぎゃー。
コーエンの女に恋する警官(ライアン・ゴズリング)が最初は世渡りしていこうぜ的な風を装っていたのに、靴磨きの少年が銃撃の流れ弾で死んでしまって、急にオレもやるぜになるベタな展開は愛嬌で。他にもとことんベタな展開なわりに面白かったのは、かっこつけきれない監督の自意識のおかだったのかしら。残虐なのに、なんかバカで笑える感じなの。
カッコよかったのは、リーダーのオマラ(ジョシュ・ブローリン)の妻。ヒーローより夫が必要なの、生まれてくる子供のためにも、危ないことはやめてとかいいつつ。
夫の決意が変わらぬとみるや自らチーム人選に乗り出し、いかに夫を支え守ってくれるかどうかで選ぶ。成績優秀な出世中の警官は、真っ先にコーエンが買収してるだろうから、一匹狼がいい等という。勉強になります、奥様。
オマラが自宅に急行して飛び込んだら、床には血の跡。奥様が!とショック受けてたら、逞しい奥様はバスタブ内でお子様を自力で産んでいた模様。
銃はもたないけど、この奥様と目撃証言をした愛人の二人こそ、強かった。
盗聴担当のマイホームパパがコーエンの返り撃ちにあって死んでしまう。彼はオマラのやり方が荒すぎると言っていて、オマラもそれは聞いてくれてたが、結局正義は自分のほうだと思って使う暴力は、素直に正当化するオマラたち。甘いこと言ってんじゃねぇと怒られそう。
さすがアメリカ人の考えることは違うなぁ
ギャングとの抗争なら、やっぱり『アンタッチャブル』がカッコイイし、物語もうまくできてたけれど、強いものが正義と胸を張る人たちの映画もまた、そうですか・・・と面白いものだと思う。
あと、なかなかの邦題でしたね。わざとクラシカルな邦題風にしたのだろう、とポジティブに捉えておきます。
2014/03/18
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
2013年 The Wolf of Wall Street
監督/マーティン・スコセッシ
脚本/テレンス・ウィンター
レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー
カイル・チャンドラー、マッゴート・ロビー、ジョン・ファブロー、マシュー・マコノヒー
★★★★★
ディカプリオのキメちゃってる演技に対して★5個。
映画の筋を追っても、バカすぎで笑える人ばかり。主人公ジョーダン・ベルフォートは稼ごうと大真面目に違法なこともどんどんやって、がっちり大金を掴む。
言い訳なんかしない(必要ない)、稼ぐためだし(金はあったほうがいいに決まってる)、楽しいほうがいい(楽しい最高)から。女も美人でセックスがうまいほうがいい。
糟糠の妻と別れ、モデル風の美人(ナイスバディ)と再婚。そして浮気がバレでまた怒鳴りあい。
すべてが成金バカの典型のような流れすぎて、いっそ清々しいバカっぷりだ。
アメリカのバカさが存分に見える、バカな人々が多数出演の3時間であった。
安定のスコセッシ(ちゃんとした映画にするよね)、安定のディカプリオ、楽しく観ました。
ツライことがあったら、この映画を見ればいいかもね。レモンでへろへろになって自宅に駆けつけ、ジョナ・ヒルと死闘のくだりを観れば、自分がいかに素晴らしい人間であるかが良く分かるというものでしょう。
そして収監されてもただでは起きないところも見習いたいところ。
あの演技、あの演技。
ギルバート・グレイプを思い出させるものがあり、目頭が熱くなる。・・・・ここで、助演男優あげとけばよかったものを・・・アカデミー会員め!
ビミョウにカジュアルな服装のときに、ダサイ風を残すあたりも憎いディカプリオであった。ポロシャツの趣味がすごいバブリーな感じでした。懐かしい。
そして、冒頭登場しディカプリオにWall st. の雄牛のようにだか、イロハを教えるMatthew McConaughey (発音がよく分かりません)のインパクトが強烈で、これは美味しい役をもらったものだ。
物語後半にはディカプリオが部下を鼓舞するときに、胸をズンズン叩くネイティブアメリカン的な<ウォールストリートの俺>ソングは、ああ、ずっとジョーダンの中で鳴っていたんだねとなる使われ方で、この音楽が自ら歌うところに、アメリカンなガッツをしみじみ感じるのでした。
・・・アメリカとは戦争しないでおくがよろしい。こんな人たちは相手にしたくない。
善悪でいえば違法行為(株操作、ドラッグ、浮気)のてんこ盛りで好きにならない人々しか出てこないのだけど、一途にまい進するところは爽快とも言えるのでした。
裸の女性・男性もいっぱい。ドラッグとFワードいっぱい。テンション高いままの3時間、常人には及びもつかないレベルのバカどもの映画、でした。
しばらく映画の仕事はお休みということなので、これがしばしの別れ作品となったわけだ。これが・・・! ありがとう、レオ。
また戻ってきてね。
監督/マーティン・スコセッシ
脚本/テレンス・ウィンター
レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー
カイル・チャンドラー、マッゴート・ロビー、ジョン・ファブロー、マシュー・マコノヒー
★★★★★
ディカプリオのキメちゃってる演技に対して★5個。
映画の筋を追っても、バカすぎで笑える人ばかり。主人公ジョーダン・ベルフォートは稼ごうと大真面目に違法なこともどんどんやって、がっちり大金を掴む。
言い訳なんかしない(必要ない)、稼ぐためだし(金はあったほうがいいに決まってる)、楽しいほうがいい(楽しい最高)から。女も美人でセックスがうまいほうがいい。
糟糠の妻と別れ、モデル風の美人(ナイスバディ)と再婚。そして浮気がバレでまた怒鳴りあい。
すべてが成金バカの典型のような流れすぎて、いっそ清々しいバカっぷりだ。
アメリカのバカさが存分に見える、バカな人々が多数出演の3時間であった。
安定のスコセッシ(ちゃんとした映画にするよね)、安定のディカプリオ、楽しく観ました。
ツライことがあったら、この映画を見ればいいかもね。レモンでへろへろになって自宅に駆けつけ、ジョナ・ヒルと死闘のくだりを観れば、自分がいかに素晴らしい人間であるかが良く分かるというものでしょう。
そして収監されてもただでは起きないところも見習いたいところ。
あの演技、あの演技。
ギルバート・グレイプを思い出させるものがあり、目頭が熱くなる。・・・・ここで、助演男優あげとけばよかったものを・・・アカデミー会員め!
ビミョウにカジュアルな服装のときに、ダサイ風を残すあたりも憎いディカプリオであった。ポロシャツの趣味がすごいバブリーな感じでした。懐かしい。
そして、冒頭登場しディカプリオにWall st. の雄牛のようにだか、イロハを教えるMatthew McConaughey (発音がよく分かりません)のインパクトが強烈で、これは美味しい役をもらったものだ。
物語後半にはディカプリオが部下を鼓舞するときに、胸をズンズン叩くネイティブアメリカン的な<ウォールストリートの俺>ソングは、ああ、ずっとジョーダンの中で鳴っていたんだねとなる使われ方で、この音楽が自ら歌うところに、アメリカンなガッツをしみじみ感じるのでした。
・・・アメリカとは戦争しないでおくがよろしい。こんな人たちは相手にしたくない。
善悪でいえば違法行為(株操作、ドラッグ、浮気)のてんこ盛りで好きにならない人々しか出てこないのだけど、一途にまい進するところは爽快とも言えるのでした。
裸の女性・男性もいっぱい。ドラッグとFワードいっぱい。テンション高いままの3時間、常人には及びもつかないレベルのバカどもの映画、でした。
しばらく映画の仕事はお休みということなので、これがしばしの別れ作品となったわけだ。これが・・・! ありがとう、レオ。
また戻ってきてね。
『その夜の侍』
2012年
監督・脚本・原作/赤堀雅秋
堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛、坂井真紀、田口トモロヲ、木南昭子、谷村美月
高橋努、山田キヌヲ、安藤サクラ、でんでん、峯村リエ、黒田大輔、小林勝也、三谷昇
★★★★
観終わった直後は、面白い、面白くない、楽しい、楽しくない、ツライ、笑えるなどなどの簡単に言いあらわせる言葉が、何一つ当てはめることができず、「・・・・・・」という脳内であったが。
二日くらい経過した頃に、あ・・・じわーっと何か来た!という。
さて何が来たのか。
1、堺雅人が汗臭そうだった。
2、新井浩文の役もよく考えみると、気味悪い。
3、安藤サクラ、最高。
4、堺雅人の演技を褒めるべきなのか迷い(いつものような演技レベル)、実はいつもいい演技なので、ナイス演技!といわれなくなっている俳優だなと気づく。→いい演技だった。といえる。
5、山田孝之が演じるニンゲンには、一生関わらないでいたい・・・
6、亡くなったひとの声や映像は繰り返し見ないほうが心おだやか。
と言ったあたりか。
1、なかなか体臭しそうな画面の日本映画はないので、堺雅人の汗の描写は良かった。あんなにプリン食べてあの体型、ぜったい糖尿病の疑い。
2、ひき逃げされ死亡した妻の兄:新井浩文。何でひき逃げ犯と彼を付け狙う義理の弟の間に挟まっているのか。いい人になりたい病。自覚なし。コワイ。
3、安藤サクラはいつどこで見ても素敵すぎる。ご両親からいいトコをもらって、自立したニンゲンになったという感じだ(実際はどうかは別ですけど、画面ではそう見える)
4、どろレス(@暗闇)の堺雅人と山田孝之は、もはやどちらが優位に立っているのか見えなくなる戦いへと突入。
妻殺しの復讐のはずが、<俺を救え>キャンペーンへと変化している。
何気ない話したいとか言うセリフで、もう何がなにやら。それまでのセリフに違和感はなかったが、ココだけものごい違和感だった。他に言い方はないものか。どろレスから急に“ロハス生活特集”ってくらい、違和感があった。
それを言う相手は、少なくともひき逃げした山田孝之ではないのだが、毎日尾行したおかげで妙な愛着が生まれているらしい。
5、こんなにキレイな顔に生まれて、この性格。驚くほど飽きっぽく、暴力傾向があり、自分勝手の度合いが冴え渡っている。違う惑星に住む、違う言語の異星人。
6、5年も妻が残した最後のルス電メッセージを聴いていれば、誰でもおかしくなりそう。メッセージを消したとき、執着が消えたと思いたい。
ふっと、悪魔の掘った穴に誘い込まれて落ちることって、いくらでもありそう。その穴を避けて行きたいものだ・・・・が、感想らしい感想かもしれない。
監督・脚本・原作/赤堀雅秋
堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛、坂井真紀、田口トモロヲ、木南昭子、谷村美月
高橋努、山田キヌヲ、安藤サクラ、でんでん、峯村リエ、黒田大輔、小林勝也、三谷昇
★★★★
観終わった直後は、面白い、面白くない、楽しい、楽しくない、ツライ、笑えるなどなどの簡単に言いあらわせる言葉が、何一つ当てはめることができず、「・・・・・・」という脳内であったが。
二日くらい経過した頃に、あ・・・じわーっと何か来た!という。
さて何が来たのか。
1、堺雅人が汗臭そうだった。
2、新井浩文の役もよく考えみると、気味悪い。
3、安藤サクラ、最高。
4、堺雅人の演技を褒めるべきなのか迷い(いつものような演技レベル)、実はいつもいい演技なので、ナイス演技!といわれなくなっている俳優だなと気づく。→いい演技だった。といえる。
5、山田孝之が演じるニンゲンには、一生関わらないでいたい・・・
6、亡くなったひとの声や映像は繰り返し見ないほうが心おだやか。
と言ったあたりか。
1、なかなか体臭しそうな画面の日本映画はないので、堺雅人の汗の描写は良かった。あんなにプリン食べてあの体型、ぜったい糖尿病の疑い。
2、ひき逃げされ死亡した妻の兄:新井浩文。何でひき逃げ犯と彼を付け狙う義理の弟の間に挟まっているのか。いい人になりたい病。自覚なし。コワイ。
3、安藤サクラはいつどこで見ても素敵すぎる。ご両親からいいトコをもらって、自立したニンゲンになったという感じだ(実際はどうかは別ですけど、画面ではそう見える)
4、どろレス(@暗闇)の堺雅人と山田孝之は、もはやどちらが優位に立っているのか見えなくなる戦いへと突入。
妻殺しの復讐のはずが、<俺を救え>キャンペーンへと変化している。
何気ない話したいとか言うセリフで、もう何がなにやら。それまでのセリフに違和感はなかったが、ココだけものごい違和感だった。他に言い方はないものか。どろレスから急に“ロハス生活特集”ってくらい、違和感があった。
それを言う相手は、少なくともひき逃げした山田孝之ではないのだが、毎日尾行したおかげで妙な愛着が生まれているらしい。
5、こんなにキレイな顔に生まれて、この性格。驚くほど飽きっぽく、暴力傾向があり、自分勝手の度合いが冴え渡っている。違う惑星に住む、違う言語の異星人。
6、5年も妻が残した最後のルス電メッセージを聴いていれば、誰でもおかしくなりそう。メッセージを消したとき、執着が消えたと思いたい。
ふっと、悪魔の掘った穴に誘い込まれて落ちることって、いくらでもありそう。その穴を避けて行きたいものだ・・・・が、感想らしい感想かもしれない。
2013/12/30
『桐島、部活やめるってよ』
2012
監督/吉田大八
神木隆之介、東出昌大、橋本愛、松岡菜優、清水くるみ、落合モトキ、浅香航大
★★★★
朝ドラメンバーがごろごろだったのねーと思いつつ、鑑賞。
オモシロくなく高校時代を過ごした身としては、この鬱陶しい高校という世界の構造、ニンゲンのありかたが胸に突き刺さる。
原作未読。
・屈折した気持ち(失恋がきっかけになってた)が芸術に昇華する後半の場面、良かった。前田くん(神木)と吹奏楽部の部長、二人同時にみせるとは。
ローエングリンの吹奏楽の曲も、美しくて。
エルザの大聖堂への行進でした。吹き終わった後の表情、輝いてました。
・桐島くんが部活やめることが、君にとってそんなにオオゴトなのか? と思ってみていたけれど、桐島くんは中心であって、空洞なのね。ドーナツみたいに。ドーナツ本体は、登場人物たち。中心がなければドーナツではなくなってしまうから、みんな中心を探してまわってる。
映画撮ってる前田、とひろきに片思いの部長は、それを眺めている構図か。
・ひろき(東出)のオモシロくなさそうな感じ、良い。
東出さんの完璧男子さもいいし、完璧だけど、社会人としてもガムシャラにならずとも、出世していきそうな雰囲気で、妻子がいてマイホームで。しかし楽しくなさそう。
まずは、その最悪の彼女と別れろ、と誰もが思うだろう。
・最悪な彼女(松岡) あまちゃんで入間ちゃん役だったひとですね、うまい。ブサイクではないが美人と素直にいうには少し足りない顔立ち、ちょっとケバイ髪型、学校の裏でのキスも全然楽しそうじゃなくて、良いわー。
こういう子って会社にもいて、面倒なタイプだ。
・映画部に肩入れして見ちゃいます。高校生活なんて一瞬、君たちのほうが苦い経験を糧にオモシロい人になってくれるはず。がんばれー。
・楽しいことがあるって、それだけでひろき君に勝る。カメラ向けて、監督になるの?アカデミー賞とるの?とか聞いて、前田の答えが、<好きだから>的なことだった。
そういう順番じゃくて、自分が楽しいからしてるんだって答えた前田くんの頭をナデナデしてやりたい。
将来、一瞬くらいは、でも評価を求めて生きるべきかと迷うかもしれないが、そのまま行けよー。
・かすみ(橋本)がオシャレ気取り帰宅部とつきあってるらしい場面、びっくりした。前田くんと一緒に驚いた。
・日本のドラマや映画だと、型にはめた感情とかセリフを観客に強要することが多くて、それがイヤなんですが、これは言わずにみせる、が出来ていたのも良かった。
やりたいことがない、ってひろきが言わなくて良かった。
監督/吉田大八
神木隆之介、東出昌大、橋本愛、松岡菜優、清水くるみ、落合モトキ、浅香航大
★★★★
朝ドラメンバーがごろごろだったのねーと思いつつ、鑑賞。
オモシロくなく高校時代を過ごした身としては、この鬱陶しい高校という世界の構造、ニンゲンのありかたが胸に突き刺さる。
原作未読。
・屈折した気持ち(失恋がきっかけになってた)が芸術に昇華する後半の場面、良かった。前田くん(神木)と吹奏楽部の部長、二人同時にみせるとは。
ローエングリンの吹奏楽の曲も、美しくて。
エルザの大聖堂への行進でした。吹き終わった後の表情、輝いてました。
・桐島くんが部活やめることが、君にとってそんなにオオゴトなのか? と思ってみていたけれど、桐島くんは中心であって、空洞なのね。ドーナツみたいに。ドーナツ本体は、登場人物たち。中心がなければドーナツではなくなってしまうから、みんな中心を探してまわってる。
映画撮ってる前田、とひろきに片思いの部長は、それを眺めている構図か。
・ひろき(東出)のオモシロくなさそうな感じ、良い。
東出さんの完璧男子さもいいし、完璧だけど、社会人としてもガムシャラにならずとも、出世していきそうな雰囲気で、妻子がいてマイホームで。しかし楽しくなさそう。
まずは、その最悪の彼女と別れろ、と誰もが思うだろう。
・最悪な彼女(松岡) あまちゃんで入間ちゃん役だったひとですね、うまい。ブサイクではないが美人と素直にいうには少し足りない顔立ち、ちょっとケバイ髪型、学校の裏でのキスも全然楽しそうじゃなくて、良いわー。
こういう子って会社にもいて、面倒なタイプだ。
・映画部に肩入れして見ちゃいます。高校生活なんて一瞬、君たちのほうが苦い経験を糧にオモシロい人になってくれるはず。がんばれー。
・楽しいことがあるって、それだけでひろき君に勝る。カメラ向けて、監督になるの?アカデミー賞とるの?とか聞いて、前田の答えが、<好きだから>的なことだった。
そういう順番じゃくて、自分が楽しいからしてるんだって答えた前田くんの頭をナデナデしてやりたい。
将来、一瞬くらいは、でも評価を求めて生きるべきかと迷うかもしれないが、そのまま行けよー。
・かすみ(橋本)がオシャレ気取り帰宅部とつきあってるらしい場面、びっくりした。前田くんと一緒に驚いた。
・日本のドラマや映画だと、型にはめた感情とかセリフを観客に強要することが多くて、それがイヤなんですが、これは言わずにみせる、が出来ていたのも良かった。
やりたいことがない、ってひろきが言わなくて良かった。
2013/09/18
『スノー・ホワイト』
2012年 Snow White & the Huntsman
監督/ルパート・サンダース
クリステン・スチュワート シャーリーズ・セロン クリス・ヘムズワース サム・クラフリン
☆☆★
三部作の予定、と聞いて2点から2.5点に。
原題の白雪姫と狩人、の二人の関係があまり進展しないラスト(思わせぶり?のような視線だけあり)だったので、これでラストとは?と思ったのだった。今後があるなら、納得。
クリステン・スチュワートが継母のシャーリーズ・セロンより美しいかしら?という疑問が払拭できないのだが、継母自身が義理の娘が自分より美しい、と思い込んでいるのが重要である。
輝きを増す年代の娘と、老いていく美女であった女の戦いよ!
老いゆく継母を殺し、娘は女王になったのでした。白雪姫の本質が現代風アレンジの名の下に復活か。
自ら道を切り開くのが現代風なのだけど、継母との戦いは非常にクラシックな構造です。
男はみんなバカ、と見下し憎む継母を、新女王が越えていけるのか、続編をぜひつくってほしい。
新女王が、幼馴染のウィリアムじゃなく、狩人さん(妻を亡くしたやもめ)を選んでくれそうなのも、興味深いし。
白鹿がスノーホワイトに祝福を与えるシーンを見ていたら、『十二国記』を思い出しました。
監督/ルパート・サンダース
クリステン・スチュワート シャーリーズ・セロン クリス・ヘムズワース サム・クラフリン
☆☆★
三部作の予定、と聞いて2点から2.5点に。
原題の白雪姫と狩人、の二人の関係があまり進展しないラスト(思わせぶり?のような視線だけあり)だったので、これでラストとは?と思ったのだった。今後があるなら、納得。
クリステン・スチュワートが継母のシャーリーズ・セロンより美しいかしら?という疑問が払拭できないのだが、継母自身が義理の娘が自分より美しい、と思い込んでいるのが重要である。
輝きを増す年代の娘と、老いていく美女であった女の戦いよ!
老いゆく継母を殺し、娘は女王になったのでした。白雪姫の本質が現代風アレンジの名の下に復活か。
自ら道を切り開くのが現代風なのだけど、継母との戦いは非常にクラシックな構造です。
男はみんなバカ、と見下し憎む継母を、新女王が越えていけるのか、続編をぜひつくってほしい。
新女王が、幼馴染のウィリアムじゃなく、狩人さん(妻を亡くしたやもめ)を選んでくれそうなのも、興味深いし。
白鹿がスノーホワイトに祝福を与えるシーンを見ていたら、『十二国記』を思い出しました。
2013/09/14
『私が、生きる肌』
2012年 スペイン
監督/ペドロ・アルモドバル
アントニオ・バンデラス エレナ・アナヤ マリサ・バレデス ジャン・コルネット
☆☆☆☆☆
ひーーー、言葉でどういえばいいのやら。
アルモドバル監督のつくる世界は美しくて自分勝手で、悲惨になりそうなのに気品がある。
当初は、ペネロペで構想されたらしいけど、エレナ・アナヤで正解。ペネロペは女っぽすぎるので、後半の流れにもっていくときのハードルが上がりそう。演技的にも。
スペインの女優さんにしては、すっきりしたボディだと思っていたら、そういうことでしたか。
技術を高めたいという純粋な医師としての欲望も、極限にいけば倫理に抵触する。それを涼しい顔して突き進むバンデラスの純粋さと欲望の深さの交じり合った風情が、たまらない。
狂人風に作ることのほうが簡単だが、遠目に見ている限りバンデラス演じるドクターはまともな雰囲気を保っています。ヘンタイだけど、素敵。
娘をレイプして(未遂だったし、レイプギリギリかなぁとも)逃げた男を捕まえて、性転換。ついで、火に強い強力皮膚(もちろん倫理規定違反)を移植、胸もつくって、ついに顔も亡き妻に似せて整形。
毎日眺めているうちに、すっかり情がわいたドクターは、彼女がレイプされているところに遭遇し、レイプ犯(異父兄弟、本人たちは知らない)を射殺。燃え上がった二人は、ついに求め合うのだったー。
ぎゃーーー。オカシイんだけど、犯罪者だけど、なんかその気持ち分かってしまう。
実の息子であっても、殺せ!ともう一方の息子に向って念じる母親も、理屈上では間違ってないんだけど、それでいいのかとヒンヤリしたものが心に残る。オカシイ。意味、ドクターが監禁して性や顔を作り上げていったベラも、ドクターが母親のようなものだし、産み出す側の傲慢さというものもあるのだった。
最後まで自分の核を守り続けたビセンテだけど、作り変えられた外見のように振舞うほうが楽そうに見えたりして、自意識のありようって、外見とも分かちがたいものがあるわと痛感。
アルモドバルの映画を見るたびに、スペイン人には叶わない感じ・・・と思います。いろいろ濃すぎて、何でも水に流したがりの日本人は勝てない気が。
監督/ペドロ・アルモドバル
アントニオ・バンデラス エレナ・アナヤ マリサ・バレデス ジャン・コルネット
☆☆☆☆☆
ひーーー、言葉でどういえばいいのやら。
アルモドバル監督のつくる世界は美しくて自分勝手で、悲惨になりそうなのに気品がある。
当初は、ペネロペで構想されたらしいけど、エレナ・アナヤで正解。ペネロペは女っぽすぎるので、後半の流れにもっていくときのハードルが上がりそう。演技的にも。
スペインの女優さんにしては、すっきりしたボディだと思っていたら、そういうことでしたか。
技術を高めたいという純粋な医師としての欲望も、極限にいけば倫理に抵触する。それを涼しい顔して突き進むバンデラスの純粋さと欲望の深さの交じり合った風情が、たまらない。
狂人風に作ることのほうが簡単だが、遠目に見ている限りバンデラス演じるドクターはまともな雰囲気を保っています。ヘンタイだけど、素敵。
娘をレイプして(未遂だったし、レイプギリギリかなぁとも)逃げた男を捕まえて、性転換。ついで、火に強い強力皮膚(もちろん倫理規定違反)を移植、胸もつくって、ついに顔も亡き妻に似せて整形。
毎日眺めているうちに、すっかり情がわいたドクターは、彼女がレイプされているところに遭遇し、レイプ犯(異父兄弟、本人たちは知らない)を射殺。燃え上がった二人は、ついに求め合うのだったー。
ぎゃーーー。オカシイんだけど、犯罪者だけど、なんかその気持ち分かってしまう。
実の息子であっても、殺せ!ともう一方の息子に向って念じる母親も、理屈上では間違ってないんだけど、それでいいのかとヒンヤリしたものが心に残る。オカシイ。意味、ドクターが監禁して性や顔を作り上げていったベラも、ドクターが母親のようなものだし、産み出す側の傲慢さというものもあるのだった。
最後まで自分の核を守り続けたビセンテだけど、作り変えられた外見のように振舞うほうが楽そうに見えたりして、自意識のありようって、外見とも分かちがたいものがあるわと痛感。
アルモドバルの映画を見るたびに、スペイン人には叶わない感じ・・・と思います。いろいろ濃すぎて、何でも水に流したがりの日本人は勝てない気が。
『黒い家』
1999年
監督/森田芳光
内野聖陽 大竹しのぶ 西村雅彦 田中美里 石橋蓮司 町田康 小林薫
☆☆☆
公開時に見たとおもったけど、こんな話だったっけ。
☆3つは、大竹しのぶの頑張りにささげます。あとウッチーのおどおど演技にもとりあえず。若いし。
原作(貴志祐介)は未読、ホラー大賞受賞とおもってみていると、ホラー??? と道に迷う。コメディと言ってくれたほうが近い。
森田作品を全て見ているわけでないけれど、どの作品も<なぜこうなった!>と腰砕けになりますね。これもきっと、そんな感じの仕上がり。
どんな題材でも、ちょっとくだけた感じにしたい人なのかもしれない。
意味はわからない映像があったとして、分からないけど印象的だとか、素敵だとか、気持ちが悪いとか、そういうものであれば、面白さも感じられるのですけれど。
森田さんは、分かりやすい風を装う映像を出すのに、それがどういう意図があるのかが、しっくり来ない、というズレを小出しにしてくる。ので、何だか見終わるとげっそりしがちです。
乳しゃぶれ、とかそんなことばかり記憶に残ってしまうよ(カタチがきれいな乳でした。しのぶさんではないと思うが)
監督/森田芳光
内野聖陽 大竹しのぶ 西村雅彦 田中美里 石橋蓮司 町田康 小林薫
☆☆☆
公開時に見たとおもったけど、こんな話だったっけ。
☆3つは、大竹しのぶの頑張りにささげます。あとウッチーのおどおど演技にもとりあえず。若いし。
原作(貴志祐介)は未読、ホラー大賞受賞とおもってみていると、ホラー??? と道に迷う。コメディと言ってくれたほうが近い。
森田作品を全て見ているわけでないけれど、どの作品も<なぜこうなった!>と腰砕けになりますね。これもきっと、そんな感じの仕上がり。
どんな題材でも、ちょっとくだけた感じにしたい人なのかもしれない。
意味はわからない映像があったとして、分からないけど印象的だとか、素敵だとか、気持ちが悪いとか、そういうものであれば、面白さも感じられるのですけれど。
森田さんは、分かりやすい風を装う映像を出すのに、それがどういう意図があるのかが、しっくり来ない、というズレを小出しにしてくる。ので、何だか見終わるとげっそりしがちです。
乳しゃぶれ、とかそんなことばかり記憶に残ってしまうよ(カタチがきれいな乳でした。しのぶさんではないと思うが)
2013/08/22
『蛇にピアス』
2008年
蜷川幸雄/監督
吉高由里子 高良健吾 ARATA(現:井浦新)
エロくない・・・(泣)
痛々しくない・・・(泣)
皮膚がちりちり痛むような描写はなくて、ヒロインの心境を想像してちょっと痛みを感じるような。私の想像力が必要な映画だったんだろうか。いいや、それは本を読むときは必要だけど、映画は見せる範囲で表現するわけだから、見える範囲でどうかってことでいいのだよね。
殺したいって言うわりに、優しく扱うシバさん(ARATA)ですが、彼ひとり、スキンヘッドが似合っていて色っぽかった。演出じゃなく本人の色気だろう。
ARATAだけ見てれば良かった映画かもしれない。
吉高由里子はカワイイラインのまま、最後まで演じてました。そして不健康そうなのが良かった。
高良健吾は、暴力が抑えられない時の顔やら動きがぎらついてて素敵です。意外と色気はない。
繰りかえし見ることはないけど、見終わったときに暗くなかったのがなんとも不思議。たぶん、自分から百万光年離れた話だとおもってるからじゃないかとおもう。他人を威嚇して何するのやら。
一瞬だけ登場する警官役の唐沢寿明の「大物感」が激しい違和感を画面上にかもし出していて、彼らからみたら警察官ってこういう「ザ・オトナ」なイメージなのかなとも思う。
分かり合えない感じの。
もうちょっとエロさを出してくれたら良かったのに・・・
蜷川幸雄/監督
吉高由里子 高良健吾 ARATA(現:井浦新)
エロくない・・・(泣)
痛々しくない・・・(泣)
皮膚がちりちり痛むような描写はなくて、ヒロインの心境を想像してちょっと痛みを感じるような。私の想像力が必要な映画だったんだろうか。いいや、それは本を読むときは必要だけど、映画は見せる範囲で表現するわけだから、見える範囲でどうかってことでいいのだよね。
殺したいって言うわりに、優しく扱うシバさん(ARATA)ですが、彼ひとり、スキンヘッドが似合っていて色っぽかった。演出じゃなく本人の色気だろう。
ARATAだけ見てれば良かった映画かもしれない。
吉高由里子はカワイイラインのまま、最後まで演じてました。そして不健康そうなのが良かった。
高良健吾は、暴力が抑えられない時の顔やら動きがぎらついてて素敵です。意外と色気はない。
繰りかえし見ることはないけど、見終わったときに暗くなかったのがなんとも不思議。たぶん、自分から百万光年離れた話だとおもってるからじゃないかとおもう。他人を威嚇して何するのやら。
一瞬だけ登場する警官役の唐沢寿明の「大物感」が激しい違和感を画面上にかもし出していて、彼らからみたら警察官ってこういう「ザ・オトナ」なイメージなのかなとも思う。
分かり合えない感じの。
もうちょっとエロさを出してくれたら良かったのに・・・
2013/08/18
『パシフィック・リム』
Paciffic Rim 2013年
ギレルモ・デル・トロ/監督
チャーリー・ハナム 菊地凛子 イドリス・エルバ チャーリー・デイ
ロバート・カジンスキー マックス・マルティーニ ロン・パールマン
芦田愛菜
★★★★★
楽しかったので5つ。
ストーリーが薄いとか、そんなのどうでもいいのだ。ガシャーン、ガシャーン、重量感のあるロボット描写。KAIJU(カイジュウ)の怪獣映画っぽさ! ロボットvs怪獣、破壊される都市やおもちゃみたいな車や船。全部ぜんぶ、たのしい。
凛子ちゃんが、主演の彼とチューもしないというのが、日本映画みたいでうふふふ。年齢と関係なく、ガール、と呼ばれていたし。
それにしても、芦田愛菜ちゃん、恐ろしい泣きの演技でハリウッド進出ですか。泣くのが上手な子役って末恐ろしいわ・・・(背が伸びますように)
冒頭の、主人公ローリーが故・兄とカッコよくカイジュウを倒していた頃の描写といったら、ひゅーひゅー言いたくなるほど。イケてる!かっこいい!(ローリーが、では無くて。ローリーたちが動かすジプシー・デンジャーと、その駆動のさまが)
操縦するのに、実際にパイロットたちも同じ動きしなきゃならないアナログ感。脳の負担が大きいからと、二名の脳の片方ずつを使うシステム。原子力で動いてるところ。
怪獣映画だよー。昭和感をほんのり感じるSF描写もいいんだなー。秘密兵器が胸をぱかっと開けると出てくるとかさ、ロケット発射ボタンがあるとか(繋いでる脳から指令出せないのか・・・!)
たとえば、アイアン・マンのマッチョさを表現する動きとかスーツなどとは全然違うのね。このロボットたちは、すごくリアルなロボットっぽい。
力を出すために不恰好だったり、飛べなくて(飛べない!)戦場までヘリに運ばれていくとか(このあたりエヴァ風か)。不器用さが味だわ。
ロシア製のチェルノ・アルファなど重々しくて、あぁロシアのイメージだよねって思える。
カイジュウに探されちゃうドクターもいい味でした。そ、それはナウシカ!と日本人なら誰しもが思うシーンなど、盛りだくさん。適度にキモち悪いスライムの感じ。うわぁ!(喜んでる)
普段は字幕派ですが、これは吹き替えが楽しいかもしれませんね。
ギレルモ・デル・トロ/監督
チャーリー・ハナム 菊地凛子 イドリス・エルバ チャーリー・デイ
ロバート・カジンスキー マックス・マルティーニ ロン・パールマン
芦田愛菜
★★★★★
楽しかったので5つ。
ストーリーが薄いとか、そんなのどうでもいいのだ。ガシャーン、ガシャーン、重量感のあるロボット描写。KAIJU(カイジュウ)の怪獣映画っぽさ! ロボットvs怪獣、破壊される都市やおもちゃみたいな車や船。全部ぜんぶ、たのしい。
凛子ちゃんが、主演の彼とチューもしないというのが、日本映画みたいでうふふふ。年齢と関係なく、ガール、と呼ばれていたし。
それにしても、芦田愛菜ちゃん、恐ろしい泣きの演技でハリウッド進出ですか。泣くのが上手な子役って末恐ろしいわ・・・(背が伸びますように)
冒頭の、主人公ローリーが故・兄とカッコよくカイジュウを倒していた頃の描写といったら、ひゅーひゅー言いたくなるほど。イケてる!かっこいい!(ローリーが、では無くて。ローリーたちが動かすジプシー・デンジャーと、その駆動のさまが)
操縦するのに、実際にパイロットたちも同じ動きしなきゃならないアナログ感。脳の負担が大きいからと、二名の脳の片方ずつを使うシステム。原子力で動いてるところ。
怪獣映画だよー。昭和感をほんのり感じるSF描写もいいんだなー。秘密兵器が胸をぱかっと開けると出てくるとかさ、ロケット発射ボタンがあるとか(繋いでる脳から指令出せないのか・・・!)
たとえば、アイアン・マンのマッチョさを表現する動きとかスーツなどとは全然違うのね。このロボットたちは、すごくリアルなロボットっぽい。
力を出すために不恰好だったり、飛べなくて(飛べない!)戦場までヘリに運ばれていくとか(このあたりエヴァ風か)。不器用さが味だわ。
ロシア製のチェルノ・アルファなど重々しくて、あぁロシアのイメージだよねって思える。
カイジュウに探されちゃうドクターもいい味でした。そ、それはナウシカ!と日本人なら誰しもが思うシーンなど、盛りだくさん。適度にキモち悪いスライムの感じ。うわぁ!(喜んでる)
普段は字幕派ですが、これは吹き替えが楽しいかもしれませんね。
2013/08/10
『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』
Bridesmaids 2011
Paul Feig on AllMovie
Paul Feig 監督笑ったわー。アニーの幼なじみの親友がセレブな恋人と結婚することになり、メイド・オブ・オナーを任されたのだったが・・・・
アニーはケーキショップに失敗し、寝るだけのお手軽な女扱いの男に都合よく遊ばれ、ちっともいいことがなかった。そこへ、親友の結婚が。
親友と最近知り合って仲良くなったというパーフェクト美人・セレブなヘレンと親友をめぐって<アタイが一番の親友だから!>対決で、対抗心を燃やしたあげく、結婚前パーティーをぶちこわしてしまい、絶交宣言。あーあ。
いろいろやらかすアニーだが、程度の差はあれこういう気持ちは分かってせつない。頑張れ、アニー! 途中で知り合う警官が、超カワイイので、そんな体だけの男はすてて、この真面目だけどお茶目さんのタフで優しい警官と仲良くなりなよとやきもきするのであった。
他のブライズメイドも個性派で面白い。肉体派のメーガンもカッコいいし。
それにしても、アメリカは友人が何もかもをアレンジするのか? ブライダル・シャワーだけなのかな・・・ お金かかって大変そうと思いました。そのわりに離婚しちゃうのにね。
女同士の意地の張り合いが面白く、ちょっとほろっと描かれていて、楽しい映画です。
『ハンナとその姉妹』
Hannah and her sisters 1986
Woody Allen 監督
Mia Farrow Dianne Wiest Barbara Hershey
Michael Caine Woody Allen

ウディ・アレンが苦手かもしれないと思っていたが、80年代のこの作品なら大歓迎。女優たちがキュートさとリアルさの真ん中あたりなのもいい距離感です。
しっかりして親の期待にも応える長女、姉に反発しがちな次女、マイペースっぽい三女。かしましくない3姉妹って上品だった。コカイン中毒だった次女も、その当時の回想シーンであっても品がある(ダイアン・ウィースト、美人。衣装も素敵で、真似したくなる)
うふふふ、と笑って、近くの大切な家族のことを思うような時間をもらう映画でした。四季のマンハッタンを愛でることもできます。死ぬかもしれないと思ったミッキー(ウディ・アレン)や、デートでぶらぶらと街を散歩しているのが、羨ましい。すてきなニューヨークがここにはあります。
マイケル・ケインが現役な役なのを初めてみたのが収穫で、私のなかではMr.ウェインと言い出しそうで変な気分でした。
Woody Allen 監督
Mia Farrow Dianne Wiest Barbara Hershey
Michael Caine Woody Allen
ウディ・アレンが苦手かもしれないと思っていたが、80年代のこの作品なら大歓迎。女優たちがキュートさとリアルさの真ん中あたりなのもいい距離感です。
しっかりして親の期待にも応える長女、姉に反発しがちな次女、マイペースっぽい三女。かしましくない3姉妹って上品だった。コカイン中毒だった次女も、その当時の回想シーンであっても品がある(ダイアン・ウィースト、美人。衣装も素敵で、真似したくなる)
うふふふ、と笑って、近くの大切な家族のことを思うような時間をもらう映画でした。四季のマンハッタンを愛でることもできます。死ぬかもしれないと思ったミッキー(ウディ・アレン)や、デートでぶらぶらと街を散歩しているのが、羨ましい。すてきなニューヨークがここにはあります。
マイケル・ケインが現役な役なのを初めてみたのが収穫で、私のなかではMr.ウェインと言い出しそうで変な気分でした。
2013/08/08
『世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析』斎藤環
2012.6 角川書店 ISBN:978-4-04-110116-2
★★★★
第一章の冒頭に登場するエピソード。2009年の天皇即位二十周年を祝う国民祝典で、奉祝曲を披露したのがエグザイルであった。10年前の十周年記念のときは、YOSHIKIだった。
知らなかったけど、そうなのか。つまりは天皇陛下へお祝いしたい人たちを考えたときに、上記の二つの歌手が挙がったということなんですが、ここまで「ヤンキー的なもの」が浸透しているのだという例でした。もちろん右翼とヤンキー的なものが通じやすいからなんですが。
不良の<ヤンキー>だけではなく、ギャル、白州次郎、高橋歩、ヤンキー先生・義家弘介、橋下徹大阪市長、ジャニヲタなどをめぐりながら、日本に広がる「ヤンキー的なもの」への考察をしています。
・ファッション。舐められないよう威圧感を出すことが大事。、態度や格好がどんどん逸脱していく。フェイクとしての伝統性と、目立つための様式美。本質のなさ。
・本宮ひろ志テスト(著者考案の、ヤンキー度をはかるテスト。内容はあかされないが、本宮作品の主役ができるかどうかがポイント)
・対立ではなく、あらゆるものを取り込んでいく力は、母子関係がベースである。から、ヤンキーは母性的であると考察。男が女性もののサンダルを履く、にも見られるらしい(そうなの?)
・オトナになると家族主義になる。
気合が大事とか、「やんちゃした」過去を語るとか(勲章みたいに言われも困る)、母ちゃん好き(迷惑かけといてある一定を過ぎると母ちゃん大事教になる)とか。
そうそう、と頷くことばかりであり、かつ私はこれ全部キライなんだよと思う。最近は減っただろうけど、オトナなんて!と反抗する少年たちって理解できなかった。いやなら関わらなければいいのに。
そのくせヤンキーは現実主義。夢は現実のなかで描かれる。分かりやすい権力志向とか、上昇志向とか。ああ、これも私にはないものだった。いや、世界の捉え方が現実的であるからこそ、親とか学校とかに反発したくなるのか。
札幌で開催されるYOSAKOIソーランも「ヤンキー的なもの」として挙がっていて、納得。だからキライなんだな。意味不明の衣装、でかい音、気合いれる踊り子だち。ああ、苦手。
日本人が古来より(古事記を解きながら)、「つぎつぎになりゆくいきほひ」が日本人の根幹であるといった丸山眞男をとりあげ、著者訳すると、
「気合とアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」となる。
「気合とアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」となる。
いまここ→いまここ→いまここ がずーっと連続していく状態だそう。
例えば、天皇。天皇の天皇たるものが、次々に移っていくという見方。例えば、伊勢神宮の式年遷宮。なるほど、確かに感覚は分かる。元のコピーである新しい社を、オリジナルとして扱う方法である。
それがヤンキー的文化にもあるし、当然、現日本全体にもあるのだということだ。空虚なものがつながっていき、本質がないものが伝統として受け継がれている。
それから、ヤンキー的なものの問題点としては、反知性主義があるという。感情が優先され、何をするのかではなく<がんばっているから>応援する、という態度につながるのだと。選挙ではそういう投票が多くみられる。何をしようとしているのかが問題のはずが、<気合>で人物を評価して投票さえする。
なかなか面白い本でした。この先もこの考察を続けてほしい。
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