2013/12/30

『桐島、部活やめるってよ』

2012

監督/吉田大八
神木隆之介、東出昌大、橋本愛、松岡菜優、清水くるみ、落合モトキ、浅香航大

★★★★

朝ドラメンバーがごろごろだったのねーと思いつつ、鑑賞。

オモシロくなく高校時代を過ごした身としては、この鬱陶しい高校という世界の構造、ニンゲンのありかたが胸に突き刺さる。

原作未読。

・屈折した気持ち(失恋がきっかけになってた)が芸術に昇華する後半の場面、良かった。前田くん(神木)と吹奏楽部の部長、二人同時にみせるとは。
ローエングリンの吹奏楽の曲も、美しくて。
エルザの大聖堂への行進でした。吹き終わった後の表情、輝いてました。

・桐島くんが部活やめることが、君にとってそんなにオオゴトなのか? と思ってみていたけれど、桐島くんは中心であって、空洞なのね。ドーナツみたいに。ドーナツ本体は、登場人物たち。中心がなければドーナツではなくなってしまうから、みんな中心を探してまわってる。

映画撮ってる前田、とひろきに片思いの部長は、それを眺めている構図か。

・ひろき(東出)のオモシロくなさそうな感じ、良い。
東出さんの完璧男子さもいいし、完璧だけど、社会人としてもガムシャラにならずとも、出世していきそうな雰囲気で、妻子がいてマイホームで。しかし楽しくなさそう。
まずは、その最悪の彼女と別れろ、と誰もが思うだろう。

・最悪な彼女(松岡) あまちゃんで入間ちゃん役だったひとですね、うまい。ブサイクではないが美人と素直にいうには少し足りない顔立ち、ちょっとケバイ髪型、学校の裏でのキスも全然楽しそうじゃなくて、良いわー。
こういう子って会社にもいて、面倒なタイプだ。

・映画部に肩入れして見ちゃいます。高校生活なんて一瞬、君たちのほうが苦い経験を糧にオモシロい人になってくれるはず。がんばれー。

・楽しいことがあるって、それだけでひろき君に勝る。カメラ向けて、監督になるの?アカデミー賞とるの?とか聞いて、前田の答えが、<好きだから>的なことだった。
そういう順番じゃくて、自分が楽しいからしてるんだって答えた前田くんの頭をナデナデしてやりたい。
将来、一瞬くらいは、でも評価を求めて生きるべきかと迷うかもしれないが、そのまま行けよー。

・かすみ(橋本)がオシャレ気取り帰宅部とつきあってるらしい場面、びっくりした。前田くんと一緒に驚いた。

・日本のドラマや映画だと、型にはめた感情とかセリフを観客に強要することが多くて、それがイヤなんですが、これは言わずにみせる、が出来ていたのも良かった。
やりたいことがない、ってひろきが言わなくて良かった。

2013/09/18

『スノー・ホワイト』

2012年 Snow White & the Huntsman

監督/ルパート・サンダース
クリステン・スチュワート シャーリーズ・セロン クリス・ヘムズワース サム・クラフリン

☆☆★

三部作の予定、と聞いて2点から2.5点に。
原題の白雪姫と狩人、の二人の関係があまり進展しないラスト(思わせぶり?のような視線だけあり)だったので、これでラストとは?と思ったのだった。今後があるなら、納得。

クリステン・スチュワートが継母のシャーリーズ・セロンより美しいかしら?という疑問が払拭できないのだが、継母自身が義理の娘が自分より美しい、と思い込んでいるのが重要である。

輝きを増す年代の娘と、老いていく美女であった女の戦いよ!

老いゆく継母を殺し、娘は女王になったのでした。白雪姫の本質が現代風アレンジの名の下に復活か。
自ら道を切り開くのが現代風なのだけど、継母との戦いは非常にクラシックな構造です。

男はみんなバカ、と見下し憎む継母を、新女王が越えていけるのか、続編をぜひつくってほしい。
新女王が、幼馴染のウィリアムじゃなく、狩人さん(妻を亡くしたやもめ)を選んでくれそうなのも、興味深いし。

白鹿がスノーホワイトに祝福を与えるシーンを見ていたら、『十二国記』を思い出しました。

2013/09/14

『私が、生きる肌』

2012年 スペイン

監督/ペドロ・アルモドバル
アントニオ・バンデラス エレナ・アナヤ マリサ・バレデス ジャン・コルネット

☆☆☆☆☆

ひーーー、言葉でどういえばいいのやら。
アルモドバル監督のつくる世界は美しくて自分勝手で、悲惨になりそうなのに気品がある。

当初は、ペネロペで構想されたらしいけど、エレナ・アナヤで正解。ペネロペは女っぽすぎるので、後半の流れにもっていくときのハードルが上がりそう。演技的にも。

スペインの女優さんにしては、すっきりしたボディだと思っていたら、そういうことでしたか。

技術を高めたいという純粋な医師としての欲望も、極限にいけば倫理に抵触する。それを涼しい顔して突き進むバンデラスの純粋さと欲望の深さの交じり合った風情が、たまらない。
狂人風に作ることのほうが簡単だが、遠目に見ている限りバンデラス演じるドクターはまともな雰囲気を保っています。ヘンタイだけど、素敵。

娘をレイプして(未遂だったし、レイプギリギリかなぁとも)逃げた男を捕まえて、性転換。ついで、火に強い強力皮膚(もちろん倫理規定違反)を移植、胸もつくって、ついに顔も亡き妻に似せて整形。
毎日眺めているうちに、すっかり情がわいたドクターは、彼女がレイプされているところに遭遇し、レイプ犯(異父兄弟、本人たちは知らない)を射殺。燃え上がった二人は、ついに求め合うのだったー。

ぎゃーーー。オカシイんだけど、犯罪者だけど、なんかその気持ち分かってしまう。

実の息子であっても、殺せ!ともう一方の息子に向って念じる母親も、理屈上では間違ってないんだけど、それでいいのかとヒンヤリしたものが心に残る。オカシイ。意味、ドクターが監禁して性や顔を作り上げていったベラも、ドクターが母親のようなものだし、産み出す側の傲慢さというものもあるのだった。

最後まで自分の核を守り続けたビセンテだけど、作り変えられた外見のように振舞うほうが楽そうに見えたりして、自意識のありようって、外見とも分かちがたいものがあるわと痛感。

アルモドバルの映画を見るたびに、スペイン人には叶わない感じ・・・と思います。いろいろ濃すぎて、何でも水に流したがりの日本人は勝てない気が。

『黒い家』

1999年

監督/森田芳光
内野聖陽 大竹しのぶ 西村雅彦 田中美里 石橋蓮司 町田康 小林薫

☆☆☆


公開時に見たとおもったけど、こんな話だったっけ。

☆3つは、大竹しのぶの頑張りにささげます。あとウッチーのおどおど演技にもとりあえず。若いし。

原作(貴志祐介)は未読、ホラー大賞受賞とおもってみていると、ホラー??? と道に迷う。コメディと言ってくれたほうが近い。

森田作品を全て見ているわけでないけれど、どの作品も<なぜこうなった!>と腰砕けになりますね。これもきっと、そんな感じの仕上がり。

どんな題材でも、ちょっとくだけた感じにしたい人なのかもしれない。

意味はわからない映像があったとして、分からないけど印象的だとか、素敵だとか、気持ちが悪いとか、そういうものであれば、面白さも感じられるのですけれど。
森田さんは、分かりやすい風を装う映像を出すのに、それがどういう意図があるのかが、しっくり来ない、というズレを小出しにしてくる。ので、何だか見終わるとげっそりしがちです。

乳しゃぶれ、とかそんなことばかり記憶に残ってしまうよ(カタチがきれいな乳でした。しのぶさんではないと思うが)


2013/08/22

『蛇にピアス』

2008年

蜷川幸雄/監督
吉高由里子 高良健吾 ARATA(現:井浦新)

エロくない・・・(泣)

痛々しくない・・・(泣)

皮膚がちりちり痛むような描写はなくて、ヒロインの心境を想像してちょっと痛みを感じるような。私の想像力が必要な映画だったんだろうか。いいや、それは本を読むときは必要だけど、映画は見せる範囲で表現するわけだから、見える範囲でどうかってことでいいのだよね。

殺したいって言うわりに、優しく扱うシバさん(ARATA)ですが、彼ひとり、スキンヘッドが似合っていて色っぽかった。演出じゃなく本人の色気だろう。
ARATAだけ見てれば良かった映画かもしれない。

吉高由里子はカワイイラインのまま、最後まで演じてました。そして不健康そうなのが良かった。

高良健吾は、暴力が抑えられない時の顔やら動きがぎらついてて素敵です。意外と色気はない。

繰りかえし見ることはないけど、見終わったときに暗くなかったのがなんとも不思議。たぶん、自分から百万光年離れた話だとおもってるからじゃないかとおもう。他人を威嚇して何するのやら。

一瞬だけ登場する警官役の唐沢寿明の「大物感」が激しい違和感を画面上にかもし出していて、彼らからみたら警察官ってこういう「ザ・オトナ」なイメージなのかなとも思う。
分かり合えない感じの。

もうちょっとエロさを出してくれたら良かったのに・・・

2013/08/18

『パシフィック・リム』

Paciffic Rim 2013年 

ギレルモ・デル・トロ/監督
チャーリー・ハナム 菊地凛子 イドリス・エルバ チャーリー・デイ
ロバート・カジンスキー マックス・マルティーニ ロン・パールマン
芦田愛菜

★★★★★

楽しかったので5つ。
ストーリーが薄いとか、そんなのどうでもいいのだ。ガシャーン、ガシャーン、重量感のあるロボット描写。KAIJU(カイジュウ)の怪獣映画っぽさ! ロボットvs怪獣、破壊される都市やおもちゃみたいな車や船。全部ぜんぶ、たのしい。

凛子ちゃんが、主演の彼とチューもしないというのが、日本映画みたいでうふふふ。年齢と関係なく、ガール、と呼ばれていたし。
それにしても、芦田愛菜ちゃん、恐ろしい泣きの演技でハリウッド進出ですか。泣くのが上手な子役って末恐ろしいわ・・・(背が伸びますように)

冒頭の、主人公ローリーが故・兄とカッコよくカイジュウを倒していた頃の描写といったら、ひゅーひゅー言いたくなるほど。イケてる!かっこいい!(ローリーが、では無くて。ローリーたちが動かすジプシー・デンジャーと、その駆動のさまが)

操縦するのに、実際にパイロットたちも同じ動きしなきゃならないアナログ感。脳の負担が大きいからと、二名の脳の片方ずつを使うシステム。原子力で動いてるところ。
怪獣映画だよー。昭和感をほんのり感じるSF描写もいいんだなー。秘密兵器が胸をぱかっと開けると出てくるとかさ、ロケット発射ボタンがあるとか(繋いでる脳から指令出せないのか・・・!)

たとえば、アイアン・マンのマッチョさを表現する動きとかスーツなどとは全然違うのね。このロボットたちは、すごくリアルなロボットっぽい。
力を出すために不恰好だったり、飛べなくて(飛べない!)戦場までヘリに運ばれていくとか(このあたりエヴァ風か)。不器用さが味だわ。
ロシア製のチェルノ・アルファなど重々しくて、あぁロシアのイメージだよねって思える。

カイジュウに探されちゃうドクターもいい味でした。そ、それはナウシカ!と日本人なら誰しもが思うシーンなど、盛りだくさん。適度にキモち悪いスライムの感じ。うわぁ!(喜んでる)

普段は字幕派ですが、これは吹き替えが楽しいかもしれませんね。



2013/08/10

『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』 

Bridesmaids 2011

Paul Feig on AllMovie

Paul Feig 監督
Kristen Wiig Maya Rudolph Rose Byrne  Chris O'Dowd

笑ったわー。アニーの幼なじみの親友がセレブな恋人と結婚することになり、メイド・オブ・オナーを任されたのだったが・・・・

アニーはケーキショップに失敗し、寝るだけのお手軽な女扱いの男に都合よく遊ばれ、ちっともいいことがなかった。そこへ、親友の結婚が。

親友と最近知り合って仲良くなったというパーフェクト美人・セレブなヘレンと親友をめぐって<アタイが一番の親友だから!>対決で、対抗心を燃やしたあげく、結婚前パーティーをぶちこわしてしまい、絶交宣言。あーあ。

いろいろやらかすアニーだが、程度の差はあれこういう気持ちは分かってせつない。頑張れ、アニー! 途中で知り合う警官が、超カワイイので、そんな体だけの男はすてて、この真面目だけどお茶目さんのタフで優しい警官と仲良くなりなよとやきもきするのであった。

他のブライズメイドも個性派で面白い。肉体派のメーガンもカッコいいし。

それにしても、アメリカは友人が何もかもをアレンジするのか? ブライダル・シャワーだけなのかな・・・ お金かかって大変そうと思いました。そのわりに離婚しちゃうのにね。

女同士の意地の張り合いが面白く、ちょっとほろっと描かれていて、楽しい映画です。


『ハンナとその姉妹』

Hannah and her sisters 1986 

Woody Allen 監督
Mia Farrow Dianne Wiest Barbara Hershey
Michael Caine Woody Allen











ウディ・アレンが苦手かもしれないと思っていたが、80年代のこの作品なら大歓迎。女優たちがキュートさとリアルさの真ん中あたりなのもいい距離感です。

しっかりして親の期待にも応える長女、姉に反発しがちな次女、マイペースっぽい三女。かしましくない3姉妹って上品だった。コカイン中毒だった次女も、その当時の回想シーンであっても品がある(ダイアン・ウィースト、美人。衣装も素敵で、真似したくなる)

うふふふ、と笑って、近くの大切な家族のことを思うような時間をもらう映画でした。四季のマンハッタンを愛でることもできます。死ぬかもしれないと思ったミッキー(ウディ・アレン)や、デートでぶらぶらと街を散歩しているのが、羨ましい。すてきなニューヨークがここにはあります。

マイケル・ケインが現役な役なのを初めてみたのが収穫で、私のなかではMr.ウェインと言い出しそうで変な気分でした。

2013/08/08

『世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析』斎藤環

2012.6 角川書店 ISBN:978-4-04-110116-2

★★★★

第一章の冒頭に登場するエピソード。2009年の天皇即位二十周年を祝う国民祝典で、奉祝曲を披露したのがエグザイルであった。10年前の十周年記念のときは、YOSHIKIだった。

知らなかったけど、そうなのか。つまりは天皇陛下へお祝いしたい人たちを考えたときに、上記の二つの歌手が挙がったということなんですが、ここまで「ヤンキー的なもの」が浸透しているのだという例でした。もちろん右翼とヤンキー的なものが通じやすいからなんですが。

不良の<ヤンキー>だけではなく、ギャル、白州次郎、高橋歩、ヤンキー先生・義家弘介、橋下徹大阪市長、ジャニヲタなどをめぐりながら、日本に広がる「ヤンキー的なもの」への考察をしています。

・ファッション。舐められないよう威圧感を出すことが大事。、態度や格好がどんどん逸脱していく。フェイクとしての伝統性と、目立つための様式美。本質のなさ。
・本宮ひろ志テスト(著者考案の、ヤンキー度をはかるテスト。内容はあかされないが、本宮作品の主役ができるかどうかがポイント)
・対立ではなく、あらゆるものを取り込んでいく力は、母子関係がベースである。から、ヤンキーは母性的であると考察。男が女性もののサンダルを履く、にも見られるらしい(そうなの?)
・オトナになると家族主義になる。

気合が大事とか、「やんちゃした」過去を語るとか(勲章みたいに言われも困る)、母ちゃん好き(迷惑かけといてある一定を過ぎると母ちゃん大事教になる)とか。
そうそう、と頷くことばかりであり、かつ私はこれ全部キライなんだよと思う。最近は減っただろうけど、オトナなんて!と反抗する少年たちって理解できなかった。いやなら関わらなければいいのに。

そのくせヤンキーは現実主義。夢は現実のなかで描かれる。分かりやすい権力志向とか、上昇志向とか。ああ、これも私にはないものだった。いや、世界の捉え方が現実的であるからこそ、親とか学校とかに反発したくなるのか。

札幌で開催されるYOSAKOIソーランも「ヤンキー的なもの」として挙がっていて、納得。だからキライなんだな。意味不明の衣装、でかい音、気合いれる踊り子だち。ああ、苦手。

日本人が古来より(古事記を解きながら)、「つぎつぎになりゆくいきほひ」が日本人の根幹であるといった丸山眞男をとりあげ、著者訳すると、
気合とアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」となる。

いまここ→いまここ→いまここ がずーっと連続していく状態だそう。
例えば、天皇。天皇の天皇たるものが、次々に移っていくという見方。例えば、伊勢神宮の式年遷宮。なるほど、確かに感覚は分かる。元のコピーである新しい社を、オリジナルとして扱う方法である。
それがヤンキー的文化にもあるし、当然、現日本全体にもあるのだということだ。空虚なものがつながっていき、本質がないものが伝統として受け継がれている。

それから、ヤンキー的なものの問題点としては、反知性主義があるという。感情が優先され、何をするのかではなく<がんばっているから>応援する、という態度につながるのだと。選挙ではそういう投票が多くみられる。何をしようとしているのかが問題のはずが、<気合>で人物を評価して投票さえする。

なかなか面白い本でした。この先もこの考察を続けてほしい。

2013/08/05

『女子とニューヨーク』山崎まどか

2012年 メディア総合研究所 ISBN:978-4944124572

★★★

映画、ドラマに描かれる女性と都市・ニューヨークの関係。同時に、ファッションを表現してきた雑誌編集者へも言及。

ずーーーーーっと、カタカナ名前の羅列でぱっと読んだくらいでは、うま味は感じられず。○○くんと、■■くんがつきあってて、でも■■くんは本当は▲子が気になってる、みたいなどうでもいい話を聞いてるときのような気分に見舞われました。

映画出演者、雑誌編集者、などの情報がこうこうで、こうなのでした、と続いた最後に、ちらり作者のまとめ的な一行が入るのみ。ネタは楽しいのに、語り口調があまりに淡々としてはいませんでしょうか、残念です。

こざっぱりしすぎの文体のせいか、見難い(つかみが無いというか)章ごとのタイトルのせいか。雑誌寄りにするか、映像よりにするか、せめてもう少しポイントを絞ったほうがね・・・この程度の厚みの本では全て入れても薄っぺらいだけになってしまった模様。

なぜこんなに表層のみの情報羅列(しかも読みにくい)にしてしまったのか。映画やニューヨークが好きなのだろうなというのは分かるだけに、もったいないと思います。

カタカナが続くと、横書きで出してほしいとさえ思う。縦書きにするメリット(あるのか?)より、横書きの見易さを考えていただければよろしかったのに。愚痴。

 


2013/06/11

『SHAME』

監督:Steve McQueen
Michael Fassbender Carey Mulligan



★★★★



舞台はNYなのに、イギリスみたいだ・・・と思ったら、監督(イギリス)主演(アイルランド育ち)でした。コートの着こなし、マフラーの巻き方がアメリカンじゃないの。ファスベンダーのすっきりとした顔立ちも美しく、OPの全裸で自宅をぐるぐる回るところも、見せ筋肉じゃない肉体が、またまたむき出しな感じで素敵。



とある兄、と妹の関係を真ん中に、満たされない何かを埋めようと(=愛されている自分)兄は一日中セックス、妹はリストカットに恋愛依存。バランスが壊れた兄妹の<永遠に欠けている自分>から逃れられない苦悩を、これまたすっきり美しい映像、詩的な音楽でまとめた映画です。



性器が映っていたとか何かでR15指定だったのだけど、それはただ人間の姿を映しているだけだし、セックスシーンといっても、ちっともセクシーではなく、むしろ哀しみに覆われてしまうような場面ばかり。
彼は、ストレスを感じると性欲で緩和しようとするので。ほんとに痛々しい。



妹と<裸の付き合い>があるようでした。実際に肉体関係があったかどうかは確定しませんけど、あったかもしれないと思わせる流れです。
不完全な男女だから支えあうのだとも言いますが、彼らは自分を愛せないことに苦しみあっているようでした。



けっこうえげつない話になりそうな展開を、最後まで緊張感のある映像でやりきったし、ファスベンダーの表情も、えげつないだけの話にせずに済んだ要因かもしれません。



何事も度が過ぎてはいけないのですね。



キャリー・マリガンのゆるい感じが、なかなか良いです。だらしない、とはちょっとちがう<ゆるい>感じ。オバちゃんにも見えるし、天使にも見える面白顔だ。



ところで、主演のファスベンダーが1977年生まれというので、心底驚いた。最初なんか特に、40代後半くらいかと思ってました。それにしては日がな一日セックスのことにトリツカレて、体力すごいわと思ってた。
30代の設定なのね・・・落ち着きのあるお顔でした。



サントラが欲しくなりました。










『女もたけなわ』瀧波ユカリ

幻冬舎 2013年 978-4344023826



電車内で読んでたら、ブフーッと吹きそうで辛かった・・・・久々にエッセイ的なもので笑わせてもらいました。



モテたかった学生時代、イタイ恋愛もたくさんしたもよう。私はモテたいと思ったことないし(へんなのに好かれても面倒だから、量より質派)、恋愛なんてお1人限定だったしー。
でも、なんか分かるのであった。
著者の数々の血まみれ(比喩ですよ)体験より導き出される格言は、ぐっと来ます。



笑顔であからさまな侮蔑語を発しなくても、相手を蹴落とす話法とか。ああ、分かるわ。わースゴイ、と言いつつ、アタシには無理・・・と実は相手をけだもの扱いとか。








2013/05/05

『タイム』

IN TIME  2011年



監督:アンドリュー・ニコル



ジャスティン・ティンバーレイク、アマンダ・サイフリッド、キリアン・マーフィー



★★☆



未来。遺伝子操作により、ひとは25歳を過ぎると、残りの1年が残された時間となり、働いて時間を得るなどしないと、1年後に死ぬ仕組みとなっていた。
25歳から、見た目は年を取らず、金=時間があるものは、永遠に生きられるのだ。



乾いた風景や富裕層の暮らすゾーンの近未来っぽさは、いいと思ったものの、やりっぱなしの話の終わり方にずっこけた。



スラム街で暮らす男が、「永遠に25歳の見かけで、死なない人生」に疲れ果てた金持ちに100年以上の時間をもらったものの、助けたい母親は目の前でタイムアップ・・・死んでしまい、金持ちに復讐しようとする。



お互い惹かれあう大富豪の娘と男。しかし、彼女の豪邸にいるときに、タイムキーパーが富豪殺しの名目で男を逮捕しようとし、男は彼女を人質にして逃走。



逃走してるうちに、これが生きてるってことだわとか、多数から搾取した汚い人生だ(=時間)ちうセリフに意気投合して、二人は銀行強盗を繰り返すお尋ね者に。



ラストは金貸業の父親が保管している100万年(数字はあいまいな記憶ですが)の時間を強奪し、人々にばらまきます。



さて、どうオチをつけるのかと待っていたら、もっと大きなところを狙おうぜ、と巨大な銀行に突撃するところで、終わり。



貯められていた時間を世の中にまけば、価値が下がりますものね・・・ でも、遺伝子操作されてる自分たちを救ってほしかったのー。



私の見所は、黒革ロングコートでタイムキーパー役を演じるキリアン・マーフィーです。似合ってました。



彼らは1日分の割り当てしか時間がないため、男を追い詰めるも目の前でタイムアップ、死んでしまうのだった。ああ、せつない。
職務の奴隷か・・・という言葉を贈りたいエージェントでした。



主演と、助演女優は私の好みとは違うので、うーん。アイドル映画だったのだと思うことにします。



2013/05/04

『アイアンマン3』

IRON MAN 3



監督:シェーン・ブラック



ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロウ、ドン・チードル、ガイ・ピアース、
レベッカ・ホール、ステファニー・ショスターク、ジェームズ・バッジ・デール、



★★★★★



ロバート・ダウニー・Jr(以下RDJ)がキュルルン★かわいいので、★5つです。いやいや、1-2-3とシリーズものって話が大きくなってガッカリすることが多いなか、これは珍しくくだらなさで素敵に包み込む映画。



良いひと過ぎない加減が絶妙で、オレは良いやつじゃないって嘯くわけでもなく、正義のためと言って過度に自らを責め苦にするわけでもなく、本当に素晴らしいバランスです。娯楽映画のバランスよー。



・強敵に自分がなすすべもなくやられて、愛する人を守れないのではないかと苦悩するトニー・スターク。不眠症で気の毒なのですが、そんなところまでキュンキュンしてしまう。ごめん。



生身でもガンファイトいけるんだねっていうのはビックリしたけど、そもそも器用なひとだものね。
頭もよくて器用で、愛嬌があって。社長、最強ですわ。あ、もう社長じゃないんだっけ?



・RDJが何かするたびに、可愛い。キュンキュンボタンを押しすぎて、ずーっと頭のなかではキュンキュン鳴ってました。座席にキュンボタンがあればいいのに。満点でましたー。
もー、何であんなにお目目がキュルキュルですか・・・



飛ぼうとして飛べないあのシーンだけでも、また観にいきたい気にさせられるわ。キューピー人形に匹敵する可愛らしさ。プシュプシュ・・・で、階段を降りる、と。うふうふ。



・パーツがバラバラになって、飛んでくる設定は面白い。ただのスーツなのに、抜け殻でもスーツさんっていう人格があるみたいで、あのスーツは、武器から人格をもつ存在に変化したのだなあ



・スーツ着たトニー・スタークはカッコ良い系で、中の人のトニー・スタークはお茶目さんで。なのだけど、時々融合する場面がツボになりますね。スーツがお茶目さんで、中の人がカッコいいという。



・ペッパーが、むきむきになって怒り爆発。誰にでも、そういう攻撃的な部分があるよねーと思いつつ、焼かれたのに、ブラがまるで無事ってそんなことあるかい。割れた腹だけをみせられてしまいました。



・ダサい格好もまたいいのね。アメリカの男らしい。でもいいの、心が燃えているから目がきらめいているから。



・薬物を絶つコメント・・・あれは自分のこと入れた?あ、でも20年も前じゃないか。アリー・幕ビールを降板したときは、残念だったっけ。ついにアリーにぴったりのいい男が来た!と思っていたので。
手術も成功で、良かった。重石が取れたあとの彼の生活が、これまた楽しみです。



・前日に「図書館戦争」を見ており、もやっとしていた心が一気に晴れました。全力で作ってるのが分かります。ありがとうございます。次回も楽しみにしておきまーす。



2013/05/03

『図書館戦争』

監督:佐藤信介



岡田准一、榮倉奈々、田中圭、福士蒼汰、西田尚美、橋本じゅん、
栗山千明、石坂浩二、児玉清
鈴木一真、相島一之、嶋田久作、



★★★



えーーーー。ううーーん。



岡田くんはカッコいいねぇ これに尽きる。他はまぁどうしようもない。



制服の胸や腕がむちむちで、いろんな角度からもっと映していただきたいと切望するほどに。いい男になりました。他の共演者も濃い目だったので、ふと田中圭に映像が変わると、びっくりするくらいぼやけたお顔に見えて笑えます(田中圭も好きだけど)



・図書館の話になると(自分が図書館員の端くれだから)言いたくなりますよ、館内で私語厳禁!恋愛厳禁! そういうのはバックヤードでお願いしまっす。
集密書架から資料出せないって、郁ちゃんは問題だなぁと私も思います。利用者がいないから、乱れてないよね?



堂上教官、その腕っぷしがあるなら10冊以上がっつり抱えて配架する場面にしてほしい
監督に図書館への愛情がいまいち感じられなかったのが寂しい点。



・戦闘シーンがいまいちなら、ラブコメ方面で私をぶっとばして欲しかったけど、こちらはきわめて常識の範囲内でおさまった感があります。もっと赤面させてくれてよかったのにー。(セリフでは「王子様」とかなんとかあるのだけど、どうも映像的にもじもじさが足りないんだよなぁ この話、もっとバカに徹しないと)



・石坂浩二演じる仁科館長は、本を守る理由を語ってくれてましたが、他の図書館員にちゃんと伝わっていたのか、はなはだ疑問です。
特に、特に図書隊隊長・・・戦いのための組織ではなく、専守防衛、あくまで本を守るためなので殺傷目的ではないとか言いつつ(言ってたのは堂上さん)、戦いが好き好き♪ってひとにしか見えず、残念です。



・図書館員の暑苦しい図書資料への愛を盛り込んでくれたら、ヘンタイ映画になれたのに・・・
戦闘もの風にしたせいで、なんだか中途半端はなはだしい仕上がりになりました。



・榮倉奈々は、キャラとしてはうまくはまったのではないでしょうか。堂上さんにとび蹴りシーンは、見返したいようないいシーンでした。
私としては、もっと暴れてよしですが、後半は女子っぽさのほうがでました。



こういう気が強い向こう見ずな役をする人にお願いですが、もっと腹から声を出していただけないか。ほにゃーっとしたセリフでは気合が入らないの。ズバーンと腹から声で!



・橋本じゅんさん。隊長殿は、ふつうにしてたら威厳のある隊長風情なのに、どうしても顔芸に走りかけます。相手が相島さんなので、二人で見つめ合ってくれちゃって、笑いすぎました。



・中途半端な戦闘シーンのわけは、専守防衛だからな訳ではなく。ひとえに監督のセンスの問題かと思います。
いよいよ良化委員会に制圧させそうになったあたりでの、スロー映像に情緒的なテーマ曲が流れるという、感動場面ですよ的表現はガッカリ。安っぽさに拍車がかかってしまいます。



・SF設定の浮遊感がなかったのも残念な点。へんな世界の話だなぁと思うより、しょぼい映像だなぁ(装備や図書館の内容、すべてうきうきしない)



・フォーゼの福士蒼汰も濃い目俳優に負けず、見目麗しくてよかったです。栗山千明と並ぶと、この世のものとは思えぬくらいの造形コンビでした。うらやましい。



・というわけで、大画面で岡田くんを拝見したい方のほかは、テレビでいいんじゃないでしょうかね。あとはアニメ版とかもあることだし。



・図書隊って、どこからお金でてるのだっけ? 経費ありそうでいいなぁ



2013/04/17

『クラウド アトラス』

監督・脚本:ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー



トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィーヴィング
ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ、ベン・ウィショー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント



★★★★



予告を観たときは、時代を越えても出会う運命の二人・・・輪廻と愛の物語かと思っていたのだが、実際は違った。確実に輪廻を示しているというよりも、時代ごとに繰り返される人間同士の衝突について、描かれる。



原作は未読。



6つの時代の6つの話、次の時代の人が前の時代の人が残した何かを目にしたり、聞いたり、している。



何かが次世代の誰かを支えたり、勇気をもたらしたりするのだよねと思える構造は、人間が生きる影響について思い起こさせますね。



うまいなぁと思うのは、登場人物をメインキャストたちが男女・年齢を越えて演じているため、それぞれ別々の話であっても、つながりを映像から受け取ってしまう構造となっている点。



直接のつながりはないけど、役者が重複することで一体感と一つの流れがあるような視点を持つように仕向けられてしまうのでした。映像体験としては楽しい感覚でしたね。



各話がわりとサスペンスやアクション映画のように、あるクライマックスへ向かってテンポアップしていく後半は、これをどう収束させるのか、何かウルトラCが待っているのか?(いわゆるオチ)とつい期待しながら観ていました。



白昼夢を観ているような現実感がふわふわ浮いているようなものだったのも、不思議な感じが続いて面白い。



なのにおオチは、あぁ、普通のいい話っぽくなってしまった・・・・! いつものハリウッド製作品ぽい、まったりとした後日談風の終わり方でテンポが悪くなってしまいました。



ラストの印象が、長い時間軸のなかでの人間同士の衝突とつながり、信頼、愛、といったものを感じさせるものであったなら、もっと壮大なイメージのまま終われたのにー。そこが残念です。



上映時間のわりに各話を追いかけているのに忙しくて、長さは感じませんでした。自宅でDVD鑑賞などすると、どこかで<ポーズ>ボタンを押してしまうでしょうが、これは映画館で観れてよかった、と。



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・ヒューゴ・ウィーヴィングが殺し屋さんで追いかけてくるのは、どう観ても<エージェント・スミス>なので、いつ画面にPC言語が流れるのかとドキドキ。



・ベン・ウィショーが、またもいかにも似合う英国人でゲイの役だったので、ここだけでも観てよかったとか思う。



・ペ・ドゥナらネオ・ソウルで働く複製人間たちが、複製人間のわりにあまり美女じゃないのね・・・でも、春を売る役割のはずなら、もうちょっとキレイでもいいのに。



・トム・ハンクス。どの役でも、トム・ハンクス節炸裂、カワイイやつめ。キレキレ小説家役は楽しそうでした。



・ハル・ベリーがユダヤ人役をすると(彼女、半分はユダヤ人なのですね)、あらマドンナ風に! 何をしても、美女でした。



・ヒュー・グラントが人肉食族の親玉で登場したり、成功した実業家になったり。いろんな悪役になったのは、隔世の感を覚えます。美青年も、ここまで来たか。似合ってました。



2013/01/21

『007 スカイフォール』

Skyfall 2012年



監督/サム・メンデス
ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、ジュディ・デンチ、レイフ・ファインズ、
ナオミ・ハリス、ベレニス・マーロウ、アルバート・フィニー、ベン・ウィショー、ロニー・キニア



★★★★★



007シリーズで、一番心にぐっと来た。映像、音楽、ストーリー、そして衣装。衣装!



これまでの、ファンタジックで華麗なボンド(私のイメージでいうと、ピアース・ブロスナン)から、生身のボンドの比重を大きくした作品です。



撃たれても生きてるボンドは、やっぱり凄腕すぎるスパイだけれど、その他は落第点なところなども、生身ボンドらしい。



ボンドの生い立ちと、Mの死、そして新生MI6という話の流れが非常にうまくあっていて、これまでのボンドに敬意を払いながら、新しいボンドを産み出すぞという意気込みがいい展開を見せています。



ホームズといい、ボンドといい、イギリスは新しいヒーローをまたも誕生させたなぁと、羨ましさに歯軋り・・・ぎりぎり。さすが大英帝国は深みが違う。イギリスの最大の輸出品は俳優・・・またまた羨ましすぎる。はぁ



セリフのところどころ、特にQ(若い!ベン・ウィショー)から、ペン型爆弾は古い、といわせるあたり、ほほーっと感心です。秘密兵器が見ものだったボンドシリーズとは違うんだと。これ以上アクションが進むと、ダイ・ハードみたいになっちゃうものね・・・よいと思うわ。



でもでも、です。でも、ボンドがアストン・マーチンに乗り換えて、走り出した途端に流れる007のメインテーマ曲♪ キター! 007シリーズを愛するファンにちゃんとメッセージですね。ミサイルも搭載されてる~



ま、古いボンドとはお別れ!と爆破されちゃいましたけど・・・ カッコよかったな。



オープニングのアデルの曲とイメージが水の底で展開するとこ、これはこれまでの、よりクラシカルなボンド映画のイメージですね。この場面だけでも、見てよかったと思いました。



ダニエル・クレイグの演技力というのが、未だにイマイチ分からないのだけど、とりあえず衣装がお似合いで、惚れ惚れします。



これまで、私のスーツアクションは、前出のピアース・ブロスナンが最高だったのです。彼はエレガントに闘ってくれました。が、ダニエル・クレイグのボンドが、その地位をかっさらいそう。



トム・フォードの隙のない仕立てを、いわゆる端整なイケメンとはちがうマッチョ系なクレイグ・ボンドが着ると、より生身のボディ感が引き立ちます。
翻る裾、ぴったり胸に沿う白シャツ。手足がそんなに長くなさそうなダニエルですが、それもまた、キュートな魅力にしか見えないの・・・トム・フォード様マジック。



タキシードの下に着ている白シャツのデザインが見たことない、胸のあたりに斜めに仕立てられていて、そこ、スローで確認したい。オシャレすぎ。あれ?白いサスペンダーか?



ほかにも、生家であるskyfallで着ているカントリーのジャケット。ライフルを持って歩く後ろ姿がきまってます。どの場面でも、ばっちりキマっていて、眼福です。



ちなみに、敵であるシルヴァンの手下共でさえ、揃いのカジュアルなユニフォーム状態で、何てキュートなんでしょう。うう。衣装担当、いい仕事してます。



ダニエル・ボンドは女性に興味なさそうに見える。特に今回。
前のときも、あらラブシーンはあまりよくないわ・・・・と思いましたが、その辺すっぱり諦めたのか、もう「ボンドガール」自体、いないも同然の扱いです。Mがボンドガールだったとも言えるでしょうけれど、うーん、でもラブには興味なさそうだ。あっさり撃たれちゃいました。



どんなときも美女を口説くボンドとも、お別れなのかしら? シルヴァに太ももすりすり攻撃されてたのって、そういうことか・・・ むふ。違うよね。



新しい上司レイフMに、貴族風味の色気を学んでみてはどうだろう・・・暇だったらぜひ。



■さようなら、M.ma'am
ジュディ・デンチのMは、素敵に殉死させられました。仕事がクールであっても、柔らかい心を守りながらMI6の先頭にたって、部下の犠牲も受け止めてきたのですね。そういう、Mの振る舞いがよく表現されていました。
諜報員は身寄りがないほうがいいのよ、っていう時の表情。この表情を見たら、ボンドが彼女を尊敬している訳もおのずと伝わるというものでしょう。



シルヴァにも、ボンドにも違う視点ですがどちらからも、愛されてます。シルヴァは愛と憎しみ、ボンドは愛と尊敬かな。



新・Mとなるレイフ・ファインズ! やー、レイフ・ファインズはもう50歳ですか・・・ 美青年もおじ様になりました。官僚的、とボンドに揶揄された後で、あの活躍。うふふ、カッコよかった。鍛えてるに違いないわ。紳士ねー。



■Mom?
適役の、シルヴァがMをマム!と呼んでいるのって、ママ、ですね。ボンドが遣うマム!はMa'amですが、ママ、僕だけを大事にしてよ、守ってよ、愛してよってリルヴァが言っているようでした。



ママをめぐる兄弟のあらそい・・・まぁ。ママに認めてもらいたくて暴挙、というのも新しすぎるテーマでした。



映像も流れるエレガンス
全体的に、すごくスムーズに流れる画面だったのが印象的です。つまり、アクション映画であれば、真正面からドカーン!となるのでしょうけれど、冒頭の列車しかり、カジノしかり、ヨットしかり。高層ビルの狙撃手の背景クラゲしかり。



非常にエレガントな流れを感じさせる映像でした。ブラボー! こういうの、好きです。狙撃手とクラゲ映像だなんて、おしゃれすぎでした。



とにかく、新しいクレイグ・ボンドここに完成! です。周囲の俳優たちも見目麗しく、衣装も隙なく美しく、全面的に好みが詰まった作品でした。



で、次回どう来るのかが今から楽しみであります。









2013/01/20

『50/50』

50/50 2011



監督/ジョナサン・レヴィン
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、セス・ローゲン、アナ・ケンドリック
ブライス・ダラス・ハワード、アンジェリカ・ヒューストン



★★★★☆



癌患者となった若い男性の日常を描く。誰もがいつかは死ぬけれど、いつかの話だと思っている。その日常に切り込んでくる、癌という砂時計。人生の危機において、側にいてくれるひと、離れていくひと、新しく友となるひと。



研修中のセラピスト(アナ・ケンドリック)、過保護なママ(アンジェリカ・ヒューストン)、親友(セス・ローゲン)。



癌を克服したかどうかは分からないけれど、新しい人間関係のなかで希望を手にしたJGLのラスト、ハリウッド的にセラピストとくっ付いてしまうけれど、まぁいいか。ハッピーな感じにしたかったのだなと好意的に受け取ることにした。



あまり激しい感情を表に出さない主人公・アダム(JGL)が、手術前日に恐怖心や不安感がごちゃごちゃに混ざった感情を、親友相手に爆発させるシーンは、胸が痛む。



バカだけど愛すべき親友の、バカの背後にある思いやりや心配をちらっと見せる、節度のある雰囲気がよかった。
大げさにするでもなく、癌でも日常があるし、あなたを想ってる人を頼っていいのだよ、と。



ママ役のアンジェリカ・ヒューストンが素敵なママでした。過保護といっても、きゃんきゃんしないし、自分の出来ることをちゃんとしている立派な女性で。このママの子だから、アダムはまともに育ったのねと思わせる説得力がありました。



手術が終わって、セラピストに言う言葉。
 I want to make you pancakes, sometime.

sometimeにせつなさを感じます。作ってあげてほしい!



JGLが抗癌剤治療のため、髪の毛を剃ってしまうシーン。一回しか出来ないよね? ドキドキしました。剃ってもカワイイJGL。







『ハーフ・デイズ』

UNCERTAINTY 2009年



監督/スコット・マクギー
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、リン・コリンズ



★★☆



7/14、マンハッタンとブルックリンを結ぶ橋の上でカップルが、コイントス。いきなり全速力でそれぞれの方向に走り出す二人。



マンハッタンは、サスペンス。ブルックリンは、家族関係のドラマが、同じ二人によって進行していく。



「スランディング・ドア」みたいな感じかなと思ってみたいたら、ラストにきゅっと締まりがないのであった。二つの物語を、同時進行させた<だけ> 



なぜコイントスして走ったのか、意味なかったよね。



主演のJGLが、自分の人生は自分で選びたいんだと言っていたくらいで、で、選んだのか単にコイントスの結果なのか。収束のさせ方に力がなかったです。



JGLとリン・コリンズのカップルが似合ってなかったのも、どうも居心地悪かった。



かなり最初の場面で、リン・コリンズがJGLの顔に手をやるので、彼女の手が映るのですが、非常に年取ってる手に映ってます。ぎゅあ。
実年齢は、彼女のほうが二つ上なだけですが、JGLが若く見えるせいで、10歳くらい上みたい。



なので、40近い女性にしか見えず(実際は30歳くらい)、そうなると彼女の言動があまりに子供じみていてついて行けない!という思いに襲われてしまってました。女優は手も命・・・



ヒゲのJGLが犬を散歩させてるのが可愛かった、というのが良い点か。











『シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム』

Sherlock Holmes: A Game of Shadows 2011



監督/ガイ・リッチー
ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、ジャレッド・ハリス
エディ・マーサン、ケリー・ライリー、スティーブン・フライ、レイチェル・マクアダムス



★★★



1での新・ホームズ!という新鮮味が薄れてしまっていた。スローモーションでの戦闘シーン予測も、戦う前に毎回されると、あー、早くやっちまいな!と。
ただ、列車内の攻防ではうまく出来てました。薬莢が飛ぶ様子が好きなので、カッコ良かったです。



スローモーションには砲撃場面も追加されるが、こちらも同じで、砲弾が飛びかうのをスローで見せられるも、ただ逃げてるだけなので、あら・・・いまいち。



古きよき時代から、現代への橋渡しの時期なのね。WWⅠの序章という扱いで、もう機関銃が発明されたの?と驚く。



ホームズとワトスンの仲良しプレイは楽しい。途中のやりとりもまずまずだったけれど、ラストシーンで目が合うシーンが、なかでも良い。キューン!



細かくキュンキュン場面があるのは好きなのだけど、全体としては・・前作のほうがスマートに仕上がっていたように思えます。衣装の見栄えがいまいちだったからか? ジプシー風衣装だと、あまりホームズっぽく思えなかったのかも。



今回は、ジュード・ロウの衣装、マフラーが素敵でした。



ホームズはタイツ君の衣装しか思い浮かばなくて、残念だよ・・・プププ。









『スマグラー おまえの未来を運べ』

2011年 日本



監督/石井克人
妻夫木聡、永瀬正敏、安藤政信、我修院達也、高嶋政宏、小日向文世、
テイ龍進、阿部力、浦島ひかり、松雪泰子



★★★★



面白いっていうのとはちょっと違ったのだけど、役者さんごとにそれぞれの演技が良かった。
マンガ原作なので、マンガ的な表現にそった派手な殺害シーンが続きますが、そんなにグロくはないです。痛そうだったけど、マンガだしって思えば大丈夫だ。



高嶋兄ちゃん、どこに行ってもヘンタイ君は俺に任せろってところでしょうか。楽しそうに拷問してました。何でオムツなのかしら。ウレションしちゃうの?
小日向さんは、ヤクザの役がほんとに似合いますよね・・・ 笑顔が怖いなんて、素敵。



浦島ひかり、泣いたりわめいたりの体当たり的演技では良いという噂ですが(でも、それも渡好みではない)、この映画においては、下手が目だってしまいました。残念。後半のキーになる役なのに、あれれです。ここ意外のキャストは良かった。



永瀬さんは、あまり私が追いかけてないうちに、とてもいい顔になっていました。皺と少しゆるんだ顎のラインが、いい味わいです。笑顔も見れたし。



安藤政信、いつ見ても美しすぎます。どうしたらあんなにキレイな顔してられるのだ。



そして、妻夫木聡。先日『黄金を抱いて翔べ』で、いい顔になった!と喜んでいたので、どうかと思ってみたら、今度は若い! これも1年前の封切りなので、1-2年しか違わないのに、25歳だかの役をやってのけました。



傷ついた過去を抱える男(代表例は、レオ様~)、というのはキュンポイントが高いわけですが、妻夫木くんも相変わらず・・・ますますのポイント高い人になりました。ダメ男なのに、どうしてかキュンキュンしてしまう。なんて悪い男なんだ・・・・危ないよー。